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秋を迎えて

森は静かに
秋を迎えていた
枯葉の囁き
川のせせらぎが
聞こえて
そこら中で金木犀が
香っていた

北の地方では
冬を知らせる雪虫の大群が
あちこちで目撃された

木の実の不作
川の氾濫
季節外れの開花

気候は容赦なく変化していて
自然はそれを
繊細にキャッチしていた

変化は唐突に見えて
兆しがちゃんとある


別に気にも留めないような
小さな変化も

君との暮らしの中で
生まれる細やかな変化も

ほんとうは
みんな感受していて
あらゆる生命体は
影響し合って
共存している

感謝の言葉で赤く染まった
木の葉は儚くも美しい

かくもそうありたいと
願うほどに


理想は理想のまま
空高く舞い上がり
現実と距離を置く

物憂げな太陽が
北風を歓迎していた

いつも陽気に見える
太陽だって
泣いた日々もあるのだから

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