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吉田と吉井と世界の終わり(Smash hits Version)

昨日ロックの定義について考えたばかりなのであれなんだけど、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの世界の終わりという歌のカヴァーを聴いた。ヘッダ画像をお借りしています。

このように歌っているのは吉井和哉であり、ドラマーがトライセラトップスの彼だった。

これほど「知っている人」がギャグ抜きで「1000回ぐらい聴いたことがある歌」のカヴァーをする行為をあまり聴いたことが……松任谷由実の楓ぐらいだろうか。

アコギ一本で弾くのをぼくはあまりカバーとしてカウントしないがちなので(別にやらないでくれ、と言っているわけではない)、きちんと音周りを造るなり人間に演奏させるなりで弾いてくれるのであればそれに越したことはないと思う。そうなると機会として畢竟貴重になりがちである。

概要欄を見ると期間限定なようなので聴けなかった人も多くなってしまうでしょうか。

限定であると同時にそこそこ前のアーカイブだったらしかった。2015年にTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTがかつて属していたレーベル(事務所とレーベルとレコード会社と……何が違うんだか消費者はわからない)のパーティ的イベントで演奏されたみたいだった。

上で言ったようにぼくはこの歌のCD音源なり生演奏音源なりを合計してそれなりの回数聴いているので、この歌の呼吸みたいなものを勝手に感じ取ってしまいそうになる。だからこの歌の演奏をしている吉井以外の三人はきちんとしたミュージシャンなんだからそれなりに練習したんだろうけど、吉井のタンバリンが最後の方そこでその振り方する?みたいに思ってしまった部分があったんだけどそれはぼくの中にある世界の終わりPrimitive Versionへの固定概念が固まりすぎているせいなのだろう。

そしてこの歌はなぜなのか知らないがPrimitive Versionではなくシングル用にレコード会社にカスみたいな編集をされて無理やり5分以上ある演奏が削られたSmash hits Versionなのでした。わざわざこの三人はSmash hits Versionを練習なさったようだった。

何よりもぼくはあの吉田佳史がくはら(くはらかずゆき)のコピーをするなんてそれだけでかなりの衝撃がありました。だってトライセラがザ・グレートスケルトンズミュージックガイドブックをリリースした頃にTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTはギヤ・ブルーズあたりを出していた気がするから。そしてトライセラは続いているがミッシェルは先にいなくなってしまった。

トライセラトップスにTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのような早い歌はあまりない。彼女のシニヨンとかParty……Silly Scandal……ぐらいしか思いつかない。いまCDが手元にない。Wikipediaを見るのはアホらしくてしたくない。

だから吉田佳史のくはらみたいな叩きが見れる機会としても貴重だった。吉井にカメラが良くあたっているせいで、後ろにいる吉田がきちんと見えるのだが……くはらのいわゆるスネアを2回叩くのを再現している。この歌でくはらはそれをやったことがないのだが、、、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのドラムといえばこれだみたいな感じにスタジオでたぶんなったのでしょう。

そして吉田はしっかりとリズムを刻んでいることも印象的だった。世界の終わりはステージの最後に演奏されがちであり、BPMが2倍とは言わないけど1.5倍ぐらいになり、いわゆるスネア2回叩くやつを再現する余裕とかないわけです。そのような音源を聴くことが多かったので、世界の終わりを聴いたことがある者であればあるほどにくはらのコピーでありながら違和感があるような造りになっているので歌とは不思議である。これは別にけなしているわけじゃない。だって上に書いたように吉田のドラムもかなり聴いてきて思い入れがあるため。

そしてギターとベースの音量調整を思った。ギターの人は1人であべふとしとちばゆうすけのコーラスするリズムギターを再現していて、もはや何の難癖もないしベースの人もうえのこうじのベースラインを忠実に守っていたし何もいうことはない。

ただステージ音源を聴いてきたため、そちらと今回の音源を聴き比べてしまうと恐ろしくTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTにしか適さない音量調整が当時のユニバーサルミュージックの人々によってされていたのだろうか、もしくは現場の専属のPAの人たちの腕が凄まじかったのだろうか、あるいはあべの音量に対する要求が当時かなりあったのだろうか?と思わせる内容だった。

ぼくはどのように弾けばあの音が出るかを知っているから、ステージ上の演奏者の手の動きがたしかにそうなっている、聴こえる音からもそれがわかると思えるんだけど、いかんせん吉井の声の大きさに全振りしてしまったような調整な気がする。THEE MICHELLE GUN ELEPHANTを敬うのであれば、あのアンプの回しを全部右にしただけの調整みたいなものまで再現してもいいんですよ……と

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