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僕のマリさん『書きたい生活』大切な思い出を綴じ込めた日記【読書感想文】

「好きになる」ことは、苦しい感情だった。ひとりよがりだったり、別れがつらかったり、何も手につかないほど自分の輪郭が溶け出したり。だから、何かに入れ込んだり、人を好きになったりするのは怖かった。

『書きたい生活』より

今回は、僕のマリさんのエッセイ『書きたい生活』の感想。

『いかれた慕情』『常識のない喫茶店』も読ませていただいたのですが、サラッとした日記みたいな感じでスラスラ読めました。

『いかれた慕情』では何度も涙が出て、『常識のない喫茶店』では何度も笑いました。
『書きたい生活』は、等身大の僕のマリさんが垣間見れて身近に感じることができたような。そんな気がします。

個人的に、『いかれた慕情』が一番好きです。
人間への愛が感じられるなぁと読んで勝手に思いました…


◇あらすじ(本の内容)

前作「常識のない喫茶店」の続編。
働いていた喫茶店を卒業した後の、パートナーとの生活、転居、結婚、日々の何気ない出来事を少しずつ丁寧に、大切な宝物を閉じ込めたようなエッセイ。


◇感想

人と繋がり、関係を築いていくことは疲れてしまうことも多いし、幸福よりも先に恐怖という感情が上回る時だってある。
真剣に向き合えば向き合うほど、自分を無くしてしまうなんてことも。
人と関わることに怖さを覚えている人ほど、慎重であり、親密になった時には相手に対する尊敬を強く持つ。
僕のマリさんも、そんな感じで臆病で優しい人なのかな、と。人でもモノでも、思い出ひとつひとつを大切に生きている人なのかな、と思った。


「書きたい生活」単品で読むと、サラッとした日記みたいな感じなんだけれども、「いかれた慕情」と「常識のない喫茶店」も読んだ後にみると、マリさんの、人を大切に思う気持ちがより一層伝わる気がした。


年下の彼女からは、学ぶことはたくさんあった。自分で自分を救っていける子だから、きっと大丈夫。飲み物をおかわりして、みんなで写真を撮って店を出た。
海辺で見つけた貝殻のような日だった。

『書きたい生活』より

『海辺で見つけた貝殻のような日』というフレーズが、すごくすごく好きでした。


わたしも書くことで気持ちの整理ができるタイプなので、すごく共感できる部分も多くて…。まさに自分も「書きたい生活」って感じだな、と思った。


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