見出し画像

【わたくしごとVol.8】期せずして空海を知る京都旅

画像1

2020年の7月は京都に滞在。特に京都でやりたいことや目的があった訳ではなかったのだけれど、期せずして今回は空海について知る旅となった。

7月2日予約していたハモランチを済ませると帰りに東寺を通りがかった。せっかくだからと足を踏み入れると、しばらくしてそこは弘法大師、空海による真言宗の寺院だと知る。

境内の石段に腰掛けると、外に "空" という文字が見えた。どうやらレストランのようだけど、はるか昔に日本史で習った空海は名前にも入っている通り "空" という教えがあった気がして、Googleで "空海・空" で調べると、色即是空の四文字熟語が目に入った。

スクリーンショット 2020-07-20 1.08.11

この帰りに立ち寄った庭園のあるカフェでふと思い浮かんだ俳句が

"神々や 煩悩なきして 絢爛ならず"

スクリーンショット 2020-07-20 1.20.27

仏教というのは煩悩を悪とするイメージがある。しかし煩悩=欲ならば、欲無くしてはこんな美しい庭園は作れないよなあ、それを仏教の祖たちに伝えたいなあ、と思ったから読んだ句。

空海に興味が湧いたのでその晩YoutubeでNHKの空海特集を観てみたのだけれど驚いた。

真言宗の理趣経には欲を肯定し、欲を叶えていくことが即身成仏の方法であるという(現世で悟りを開き仏になること)教えが書かれているという。

この時のnoteにも書いたけれど、空海が乗り移ったのかなあと思った。

そんな話をふと思いついた友人にすると彼の周りも今般若心境が話題で、今日空海の本を購入したところだったとか、。こんな偶然ってあるんだな。

スクリーンショット 2020-07-20 16.50.19

その日から色即是空・空即是色が頭にこびりついて離れなくなった。トイレとか、特に何も考えていない瞬間になぜか脳内で唱えてしまう。すると般若心境の全文をリズムを取りながら唱えてみたい衝動にかられ、京都の楽器屋で持ち歩きサイズの木魚を買った。

画像4

青竹の美しい嵐山。2回目にここを訪れたのは大覚寺での般若心境の写経のため。真言宗大覚寺派の本山としても知られるこのお寺で写経ができるなら行くしかない。

画像5

ということで写経に初挑戦。筆を取る前にパウダー状のお香である塗香を手に塗るようにと指示をいただいた。この塗香がシナモンのような甘い香りで、筆を走らせると度々香ってきていい匂い。

一文字一文字書いていくごとに心に刺さった小骨が一本一本取れていく感じがする。半分を書き終えることには、心はすっきり晴れやかに。しかし外はしとしとと雨が降ってきた。雨足が強まるごとにトランスに入ったような感覚に襲われる。

顔をあげると暗闇に黄金に浮かぶ五大明王。とても幻想的。

画像6

塗香はこの後手に入れました。今後はアルコール消毒をして、塗香を手に塗ってからパソコンに向かおう。。。

私が生まれる前、1984年に公開された映画空海もチェックした。30年以上前に撮影されたとは思えないスケールの映画だった。

https://www.amazon.co.jp/-/en/%E5%8C%97%E5%A4%A7%E8%B7%AF%E6%AC%A3%E4%B9%9F/dp/B012S0RJ58

7月15日、散歩をしていたら池に赤い橋のかかったお寺をみつけた。

画像7

神泉苑。何気なく入ってみたら、ここも真言宗の寺院で師空海が雨を祈った霊場だという。お参りをして、ふと橋の方をふりかえるとブルーグレーの蛇が池から顔をだし、ニョロニョロと橋を渡っていくのが見えた。

この数日前に茶色い蛇が夢に登場したので、まさか本物に出会えると思わず胸がドキドキ。心拍数上昇!

私達以外にも小さな子供とお母さんもいたけど、彼らは蛇には気づいていないようだった。

「あれはなにかある!」と言って、パートナーがこの後に立ち寄ったカフェで神泉苑と蛇について調べ始めた。

彼は興奮した面持ちで「やっぱり」。

すると神泉苑のHPの空海の雨乞いの祈祷の説明の部分。

平安時代の神泉苑は雨乞いの霊池として知られていた。天皇が弘法大師を招いて『この旱魃を止めて雨を降らせ、世を助ける法はないか』と問うたところ、大師は『吾に降雨の法有り』と答えた。天皇の『その法を修すべし』との勅をうけて、大師が神泉苑にて7日間にわたって請雨経法を修したら、壇の右に五尺ばかりの金色の蛇が現れた。しかし、この蛇は常人には見えず、修行を積んだ伴僧4人のみにしか見えなかった。その伴僧の一人が、『蛇が現れたのはいかなる相か』と問うと、大師は『此は天竺にある阿耨達智池に住む善如竜王である。その竜王がこの池にやってきたのだから、修法の験が顕れるであろう』と答えた。そうしているうちに俄に空が陰って戌亥の方角から雲が湧き出で国中に雨が降り出し旱魃が止んだ。

善如竜王を祀った神社というのだから、池から蛇があらわれても不思議じゃない。

偶然はまた別の瞬間にも。

画像9

通りがかった商店街で一層目をひくカラフルなフルーツ屋が。赤ハチマキのおじちゃん、最初はイチゴをすすめてきたのだけど、途中から桃をとりだし、半ばパートナーに押し売り(笑)。彼も断れず4つ購入。

画像10

桃を小脇に抱えて通りがかったのは晴明神社。前の晩陰陽師の映画を観たばかりだったから、この偶然には少々驚いた。この日はもう閉まっていたけどまた改めて来よう。

画像11

押し売りの桃は驚くほど甘かった!砂糖がかかってる?というくらいに。

その夜、晴明神社についての動画を番組を観た。すると晴明神社には厄除けの桃の銅像があるという!まさかの桃つながり。

画像12

数日後、晴明神社を訪れると本当に厄除け桃があった。触ってみるとつるっとしていた。

画像13

陰陽図。去年中国を訪れた時にふらっと訪れた庭園が道教の寺で、この陰陽図が描かれていたことを思い出す。タオイズム(道教)とは、宇宙と人生の根源的な不滅の真理を指すらしい。陰陽五行説は道教の一部として伝わったよう。

画像14

こちらは安倍晴明。野村萬斎のイメージが強かったが、石像は優しそうなおじさん。

陰陽師2を観たのは七夕の夜。奇しくもアマテラスとスサノヲの古事記のストーリーをベースに描かれたものだった。織姫はアマテラス、スサノオが彦星だという説がある。

七夕の日にそんなお話が観られた偶然に少し驚き、目に見えないものを一層信じてみたくなった。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?