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チームのコラボ力を高める「透明性」とは?(前編)

フューチャーセッションズ(Future Sessions、以下FSS)では、チームが常に進化し続けるための仕組みとは何か?を実践しながら探究しています。今回はFSSのスポーツチームが、日々の活動の中でどのようにチームづくりを考え、実践しているかをお伝えします。

FSSは「新たな関係性」と「協調アクション」を生み出す対話の場(以下セッション)を提供し、企業や行政やNPOとのセクター横断の共創とイノベーションを創出する会社です。
年間200近くのセッションをファシリテートしている私たちが、改めて今考えていることや学んでいること、向き合っている「問い」を読者の皆さんと共有することで、「より多くの方々と思考をつなげ一つでも多くの知を生み出すこと」を目指し、noteをはじめました(ご意見、感想、質問お待ちしております!)。

●FSSスポーツチームとは?

スポーツのもつ価値や力をもとに多様なステークホルダーで共創・対話することで、社会課題・企業課題解決へつなげる取り組みを推進するチームです。ラガーマンや、スポーツビジネス研究者、スポーツ業界で実績が多いファシリテーターがチームを構成しています。

●FSSスポーツチームのコラボの課題

スポーツチームにはコラボ力向上のために乗り越えたい次の課題がありました。

1. メンバーの就業形態や役割が多様(リモートが中心、業務委託やアルバイトの方、社員だけではない就業形態)で、業務や状況の共有・把握がしづらく、意見やアイデアをもっと出しやすい状況を作りたい
2. やると決めたことを一致団結して協力しあえる状況を作りたい
3. チームの課題や困りごとを見える化したい

ここでいうチームのコラボ力とは次のようなこと。

・目的に対して、共に達成するために相互努力・協力し合うこと
・それぞれの持ち味、知識や経験を活かせること
・「想定外の発見や価値」をそこに生み出せること

コラボの課題を解決してコラボ力を高めるためには、次のことに意識を払う必要があると考え実践しはじめています。

・”チームで達成する”ことへの合意形成
・協働努力
・透明性の担保
・繋がりの意識
・思いやり

今回は、この中の「透明性」の実践についてお伝えします。

●「透明性を高める」とは何か

スポーツチームが着目したのは「透明性」です。コロナウイルス感染症対策でリモートワークが増え、育児との両立などでこれまでと状況が大きく変わりました。このような中で、どのようにチームとしてコラボ力を高められるのかと考えた第一歩として、チーム内の透明性を高める取り組みを実践中です。取り組むにあたってチームメンバーは、自分たちに次の問いを投げかけました。

コロナ禍の不透明な状況でもつべき透明性にはどんなものがある?

言葉の透明性
 ・特定の人しか知らない専門用語を使っていないか?
(相手にとって理解可能で心地よい対話がなされやすい?)
・定義は明確?

役割(期待)の透明性
・お互いの役割に対して期待していることは明確?(お互いに良かれと思っ
 てやったことが、逆効果になっていない?)
・お互いにどんな存在であるか明確で、パスを出しやすい状況を作りやす
 い?

進捗・結果・成果物の透明性
・進捗の共有って何のためだろう?そのためにどんな手段や表現で共有した
 らよい?(進捗●%って、みんなにとってわかりやすい?)
・結果や成果物って、完璧にしてからみんなに見えるようにすべき?早めに
 出して改善サイクルを早くすべき?(価値観の共有したいよね)
・ 聞かないとわからないし言わないという状況ではなく、いつでも見ればわかる状況にするには?

範囲(計画していることや品質)の透明性
・何をどこまでやればよい?(例:資料作成は素案でいいの?本番用?チェックは何名でやる?)
・困った時に、助け合える状況や関係性はどうやったら生み出せる?
・メンバーが困っていることや言いだしづらいことはどうやって知ることができる?

コラボしやすい状況を作るために、どのような透明性を担保し合えばいいか?後編ではスポーツチームが実際に取り組んでいることの一部を紹介しようと思います!

記:知花里香

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