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Ubieのデザイナーが患者さんと向き合う「態度」

「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに、ヘルスケアプラットフォームを提供しているUbie株式会社の村越(@smurakos)です。

Ubieでは、数年前からユーザーリサーチ、インタビューのための仕組みを整理して年間で100名以上の方にインタビューを行っています。
Ubieプラットフォームから得られる情報を定量、定性双方の側面で活用し、より「適切な医療へ案内する」ことを目指していこうということで、昨年はリサーチを行うためのチームを組成し、より直接的に事業に寄与できるような体制も作ってきました。

今回は、僕が定性調査を行う上で心がけていること、ユーザである患者さんと接する上で気をつけていることについて書きたいと思います。


僕たちは「情報」と話しているのではない

「知りたい」、「わからない」ことがあって、それを知るために探索するのがリサーチだったりデプス・インタビューの目的ですが、しばしば以下のようなケースで「リサーチ目的とずれた情報が得られてしまう」ことが起こったります。

  1. リクルーティング時のスクリーニングがうまくいってなくて、目的にフィットする対象じゃない方が含まれる時

  2. 医療というサービスの特性上、本人の自覚症状や記憶が曖昧になっていて、本来聞きたい内容が聞き取れないケース

  3. 相手が話好きで色々な方向に雑談が向いて、色々な話を聞け過ぎてしまうケース

特に「1」や「2」が起こった時、「目的に対して撮れ高が少ないな、、、」という気持ちになってしまうことがあります。

でも、少し立ち止まって、強く意識したいと思うことがあります。

それは、

僕たちが接しているのは「情報」ではなく、「人」である

ということ。

「話を聴く」ということが持つ力

インタビューに協力してくれる人は、なぜ貴重なご自身の時間をとってまでこの場に来てくれているのか。

それは、「誰にも話せない病気のことを誰かに話したい」、ということかもしれないし「医師になかなかうまく伝えられない、理解してもらえない自分の症状について話す相手が欲しい」ということかもしれないし、もしかしたら「Ubieに可能性を感じてくれているから」かもしれない。

以前、インタビューをさせていただいた方がインタビュー中にポロッと僕に言ってくれた言葉があります。

こうやって、自分の病気のことを気軽に話せる場ってなかなかないんですよね。だから、こういう場がもっとあるといいなって思います。

今日は私の話を聞いてくれてありがとうございました。

僕たちは、知りたいこと、分かりたいことがありリサーチを企画し、患者さんに会いに行って話をするわけなのですが、インタビューに協力してくれる方の中には「話すことそのものが救いになっている場合もある」のだと、新たな気づきを得ました。

話を伺う人、それぞれにその人の生活があり、暮らしがあり、人生があり、そこに抱く感情がある。その感情に対して、インタビューで話を聞いて時間を共有するということはその人に強く共感するということでもあるのだと改めて感じました。

得たいものが得られたかどうかも重要なのですが、それ以外にも相手の話を聴いている1秒1秒、うなづきや相槌からも「僕らが普段どんな方々を相手にしてサービスを提供しているか、体験を提供しているか」を理解する機会は得られます。

インタビューを通じて話を聞くということは、情報を引き出すといこと以上に相手にする人の全てに対して共感するということであって、あくまでも「人」と対峙しているのだということを忘れないようにしたいと強く思っています。

「ユーザー」という人はいない

Ubieは生活者向けに提供しているプロダクト「症状検索エンジン ユビー」の月間利用者数が700万MAUを超えるプラットフォームに成長して、現在も成長と拡大を続けています。

成長したプラットフォームにおける一つのピットフォールが「ユーザー」を量の総体として認識してしまうことだと思います。Ubieの場合、ユーザーの多くは患者さんなわけですが、700万MAUという人、患者という人は存在しないのです。

そこには、それぞれの人の生活・暮らし・人生・感情の物語が700万件・もしかしたらそれ以上に存在しているということを常に心のどこかに置くようにしています。

そして、僕はその700万件の感情の物語と誠実に対峙して体験を届けることを諦めたくないとも思っています。

終わりに

インタビューやリサーチに臨む態度は、プロダクトの体験の品質に影響します。プロダクトの体験に臨む態度は、企業の文化と姿勢に影響します。

デザインに関わるものの端くれとして、デザインに向き合う態度として「N=1を常に意識する」、「誰に届ける体験か、を常に意識する」ことを昨年、リサーチワークに大部分の時間を割く中で再度強く認識し直しました。

Ubieでは共にミッションの実現を目指す仲間を求めています。

Ubieでは一緒に働きたいメンバーをまだまだ募集しています。
この記事のテーマでもあるリサーチに関するカジュアル面談や、プロダクトデザイン全般についての話も可能な限り透明にお話できる機会を設けています。

もし、興味が湧いたらお気軽に話を聞きに来てください。

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