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僕が会社を辞める決意を固めた上司の言葉とは

僕が、自分の生き方が間違えているのではないかと思い始めたのは、学生時代の同級生にシンプルな質問を投げかけられたのがきっかけだった。

その時の話は、このノートの最初に記事に書いた。

この時からずっと、自分の人生について考えていた。
その間に起こったいろいろな出来事が、すべて、人生をやり直す機会ではないのかと、僕に語り掛けているような気がした。

あのシンプルな質問を受けてから、うつ状態に陥ってまで悩み続けた僕の背中を、最後に押したのは上司のある言葉だった。

年の初めに言われた言葉

1998年は、僕にとっては地獄のような年だった。
いわくつきの案件を押し付けられて、休日返上で働いた。
身近な人が突然、交通事故で亡くなった。
人生観が180度ひっくり返った。
悩み続けてうつ状態に陥った。
苦しかった。
本当に苦しかったんだ。

そんな、1998年が幕を閉じ、1999年が明けた。

その年の仕事始めの日。
僕の上司は、僕にこう声をかけた。

「渕脇君は、去年は本当に忙しく大変だったね。
今年は少しゆっくりして、この会社で本当にやりたいことをやれるようになるといいね。」

その話を聴いて、僕は思った。

「この会社で本当にやりたいことって何だろう?」

僕には思いつかなかった。
残念ながら。

その時に気がついたんだ。
「この会社ではやりたいことができない」って。
そして、ようやく決心がついた。
会社を辞める決心が。

本当にやりたいことは人間にかかわること

僕は当時、騒音や振動問題のコンサルティング業務についていた。
大学で専攻してたことの延長だったから。

でも、もともと音に興味を持ったきっかけは音楽だったのだ。
音楽が好きで、音に興味を持った。
音楽が人間の心を揺さぶる、その理由が知りたかったのだ。

でも、いつの間にか、音楽から音へ、音から騒音へと、少しずつ道がそれていった。
ほんのちょっとづつ、妥協を繰り返しながら、道がそれていった。

でも、僕は気がついたんだ。
僕は音楽が好きだったんじゃなくて、音楽を聴いて心揺さぶられてしまう「人間」に興味があったんだということに。

僕が興味を持っているのは人間であって、音ではなかったということだ。

音というのは、単なる空気の振動だ。
その部分においては、音楽も騒音も同じだ。
そこに、それを聴く人間がいて初めて、音楽になったり騒音になったりする。

もし人間がいなければ、音が環境を破壊することは無いし、それによってイライラする人もいないし、逆に癒される人もいない。

僕は音に興味があるんじゃないんだ。
人間に興味があるんだ。

だから、騒音レベルだけを考えて、数値の問題だけを扱うことに興味を持てなかったんだ。
それが、この会社の仕事に興味を持てない原因だったのだ。

人間のことを学びたいと思った

上司の「やりたいことやろう」という言葉を聴いて、僕が本当にやりたいことがわかった。

そして、本当にやりたいことをやるために、会社を辞める決心がついた。

人間のことについて学ぼう。
手始めに、当時興味を持っていたトレーニングやコンディショニングについて学ぼうと考えた。

そして、健康問題やコンディショニングの問題悩んでいる人の力になろうと。

そう思った僕は、1999年の3月をもって、会社を辞めたんだ。

(つづく)

自分がうつ状態に陥って、そこから這い上がってくる過程で考えたことなどを書いています。自分の思考を記録しておくことと、同じような苦しみを抱えている人の参考になればうれしいです。フォローとスキと、できればサポートをよろしくお願いします!