見出し画像

人間の身体は動くようにできている

整体専門学校に入って、身体のことを勉強する日々は本当に楽しかった。
この学校で学んだことは沢山あるけれど、その中でも印象的だったのは、筋ポンプ作用というのを学んだことだ。

筋肉の作用

筋肉の作用は主に三つある。
その三つは以下の通り。

1、運動
2、熱の産生
3、筋ポンプ作用

1、運動

運動については説明は不要だろう。
筋肉は収縮する器官で、収縮することによって骨と骨の位置関係が変わる。
すなわち、関節が動き、身体を動かすことになる。

そのほか、身体を守ったり、クッションの役割を担ったり、衝撃を吸収したりする。

2、熱の産生

筋肉は動くことによって熱を発生する。
人間の体温は36℃程度で一定の温度を保っている。
こういう動物を恒温動物という。

大抵の場合、36℃よりも低い気温の中で暮らしているので、体内に熱源を持たなければ、36℃で保つことができない。

筋肉は、その主な熱源になる。

外気温が低いと、筋肉に力を入れて、体を温めようとする。
時には、ぶるぶると身体を震わすことで、熱量をあげようとする。
寒くなると、身体に力が入ったり、震えたりするのはそのためだ。

したがって、寒い時のほうがカロリーを消費する。
一般的に、寒い国の料理はカロリーが高い。
それは、寒い環境で体温を維持するためには、たくさんのカロリーが必要になるからだ。

これは、私たちが食料としている動物にも言えることで、寒い地方で生活している動物は沢山の脂肪を蓄えている。
つまり、脂がのっている。
自分たちが生きていくために必要だからだ。
その動物たちを食べる人間もまた、寒い地方で生きていくためには沢山のカロリーが必要になる。

自然はよくできているのだ。

3、筋ポンプ作用

そして、僕が最も感心したのは、この筋ポンプ作用だ。

筋肉が収縮すると太くなる。
太くなると、静脈やリンパ管を圧迫して、その中の液体(血液やリンパ液)を押し流す働きがある。

これはどういうことかと言うと、筋肉は循環器の動力源でもあるということだ。
循環器の動力源と言えば心臓が有名だけれど、筋肉はこの心臓と同じ働きをしているといことなのだ。

この事実を知った時に、僕は以下のように考えた。

人間は本来動物だから、そもそも、動くことが前提の身体の構造になっているというとことだ。
心臓だけで血液が回っているわけではない。
身体を動かすことで、血液が回っているのだ。

もし、人間の身体を設計した神様のような存在がいたとしたら、その人はこう考えたのではないか。
「どうせ、人間は動くんだから、筋肉の力を循環器の動力源として利用できるようにしよう。」と。

人間は動くことが前提の作りになっている

人間の身体は、動くことが前提の作りになっている。

にもかかわらず、文明が進むにつれて、人間は動かなくても済むような便利な機械をたくさん作ってきた。

おかげで、動かなくて済むようになったのだけれど、それが原因で不具合が出てくるようになった。

そこで、仕方がないので、お金を払ってスポーツクラブに通うようになった。
なんだか、滑稽な話だと思うのだけど、どうだろうか?

身体を動かすことは気持ちがいい

人間は動くようにできているのだから、そもそも、身体を動かすのは気持ちよいはずなのだ。

その証拠に、小さな子供たちはおとなしくジッとしているのが苦手だ。
身体を動かす方が楽だし気持ちが良いことを知っているからだ。
逆に、身体を動かさないでいるほうが辛いのだ。

それなのに、いつの間にか、じっとしていることができるようになることが大人になることであると教えられる。
それでいいわけがない。
自然の摂理に反する。

本来、大人だって身体を動かす方が気持ちがいいのだ。
にもかかわらず、運動が嫌いだとか、苦手だという人たちが多いのはなぜか。

それは、身体を動かすことを強要されてきたからだ。
そう、体育だ。

誰かに強要され、ほかの誰かと比較され、競わされる。
これをやられると、運動が嫌いになる。

純粋に、身体の気持ちよさを追求すればいいだけなのに、頭でっかちの人間は、運動量ややり方まで規定されてしまうので、やる気をそがれてしまうのだ。

身体の気持ちよさを追求していれば、自然と身体を動かすようになるはずなのだけれど。

諦めて運動しよう

人間の身体は動くことが前提の作りになっている。
人間に生まれたからには、諦めて運動しよう。

ただ、その時に注意しなければいけないのは、義務感でやらないということだ。

運動量や頻度など、気にしなくてもいい。
他人と比べなくてもいい。

自分の身体が喜ぶようなことをすればいいだけなのだ。

身体は全部知っている。
自分の身体にとっていいことは、気持ちがいいと感じるようにできている。

気持ちがいい運動をして、気持ちがいい身体をつくろう!

(つづく)

自分がうつ状態に陥って、そこから這い上がってくる過程で考えたことなどを書いています。自分の思考を記録しておくことと、同じような苦しみを抱えている人の参考になればうれしいです。フォローとスキと、できればサポートをよろしくお願いします!