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広告代理店 「必要論」を説く

こんにちは。よしむーと申します。

昨今叫ばれている「広告代理店不要論」に対する考えを僕の考えをまとめようと思います。


まず、「広告代理店不要論」の背景について説明します。

かつての広告代理店は、「スペースブローカー」(新聞やTVの広告枠を買い付けて広告主に売る業務)と揶揄され、提供価値の大半がその業務でした。
※2018年に業界に従事し始めた私が過去を語るのは大変恐縮なのですが…

それは、買い付け業務自体の参入障壁が高いことからプレーヤーが限られていたことと、その作業負荷が広告代理店の提供価値だったからです。

しかし、先に述べた通り「広告代理店不要論」が昨今話題の渦中にあります。

なぜか。

インターネット広告がマーケティングの主戦場になったことが大きな理由の一つです。

人々の消費・生活基盤がインターネットになりました。さらに、インターネット広告の効果は精緻な数値で結果が出るため、PDCAを効率的に回すことができます。

2019年には、業界の絶対王者であったTVCMの広告費をインターネット広告費が抜き、1位に躍り出たことがそれを如実に表していると考えます。

※下記URL参考

インターネット広告は、AIの発達が進んでいるので、一度広告クリエイティブや検索キーワードを網羅してしまえば、後は勝手に効果がでるように最適化してくれます。

また、参入障壁も低く、インターネット広告業で起業&独立する人は多いです。最近は、事業会社がインハウス化(広告代理店に頼まず、自社で運用していくこと)する流れがあるみたいです。

※資生堂さん2020年8月IR 42P目参考

全体感をざっくり言うと「インターネット上での集客は効率的だな。自社で運用すれば、手数料も減るし、知見も溜まるし、もっと効率良いんじゃね?」みたいな感じです。

そうなると、「もう広告代理店に頼まなくて良いのでは?」という流れになるのは自然です。

ここで、帝国データバンクの広告業界の倒産状況について見てみましょう。

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p201006.pdf

広告業界全体で見ると、コロナ禍で総倒産数は増えたものの、「広告代理店」の倒産は前年、前前年比に比べて減少傾向にあるようです。

もちろん、これには既存の4マス媒体の既得権はあるでしょうが、「やっぱり広告代理店に頼んだ方が良いよね」みたいな別の価値があると考えています。


ここで、僕が大好きな本の中の1冊に、元博報堂のコピーライター、牧野さん著書「広告がなくなる日」という本を紹介したいと思います。

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この本は、一部のページを除き、「横開き」の構造になっております。

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ページをめくる時に片手で本を抑えなければならないため、最初は読みづらいのですが、しばらくすると、身に覚えのある動作であることを感じはじめます。

そう、プレゼン資料をめくるような感覚です。

上記のように、広告代理店出身者であるこの本の著者は、「共通感覚」を疑うことで「読書体験」を変えようと試みようとしております。

今までの出版社に、「読書体験」そのものを定義しようとする会社があったでしょうか。俯瞰視点でのコミュニケーションデザインって、やはり広告代理店の人が長けているんですよね。

これからの広告代理店に求められるのは、このように、既存の手法や固定観念に囚われず、価値を提供していくことだと思ってます。

「広告がなくなる日」は、「広告業界」という巨大産業が、今後どのようなベクトルに向かっていくべきか。という問題提起をしている本です。

業界に従事している方は一度読んでみてはいかがでしょうか。



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