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「人生が終わったと思った」30歳の不登校経験者が語る「私にとっての不登校」

 現在30歳になる「秋田犬大好き」さんは中学1年生のときに学校を休みがちになりました。「対人恐怖」と「不安」、そしてはげしい体調不良に苦しみましたが、そのつらさを誰も理解してくれなかったと言います。今もまだ苦しみは続いていますが、それでも誰かの役に立てたらと、自身の半生を振り返っていただきました。

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学校がつらくなった始まりは、中学1年生の9月ごろでした。突然、人前での発表やリコーダーのテストなどが極度に怖くなり、手足の震えが止まらなくなったのです。その症状がたびたび起こり、私はだんだんと学校を休みがちになっていきました。

 当時は自分が「社交不安症」だとは分からず、ただ1人で悩み続けていました。体調が悪いことを学年の先生に訴え続けたのですが、「サボり」や「怠け」とレッテルを貼られるだけでした。それがきっかけで人を信じられなくなり、先生はもちろん、同級生に対しても反抗的な態度を取っていたと思います。

 学校は休みがちながらも、ムリして通い続けていました。といっても、勉強はかなり遅れていましたし、肌荒れも日に日にひどくなり、心も体もボロボロでした。

 中学3年生の冬に体育の授業で怪我をしたことと、担任との進路を巡るトラブルが重なり、ついに限界が来て症状は一気に悪化しました。それ以降、体調が悪すぎて卒業まで1日も通えないまま、中学校生活は終わってしまいました。当時はつらくてつらくて、「もう人生が終わった……」と本気で思いました。目指していた私立高校があったのですが、とても受験勉強できる状態ではありませんでした。

諦めきれず別の高校へ

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