葬式費用を親に自分で払ってもらうために弁護士に聞いたこと
葬式の費用は「喪主」が払うことが多いそうです。
親の葬式で喪主を務めるのは「子(長男)」が多いです。
ある調査では、葬式費用の平均は約「206万円」だそうです。
私は自分の親の葬式費用を貯めている人に会ったことがありません。
今の日本で親の葬式費用を払える子(長男)は、そう多くはいないような気がします。
今回は、親の葬式費用は「親自身」に払ってもらう、というお話です。
親の葬式費用は「親自身」に払ってもらう
多くの人はお金を銀行に預けています。葬式費用を故人である親の預金(財産)から支払うことについて弁護士に聞いてみました。
Q.葬式の費用を親の預金(財産)から支払ってもいいですか?
A.親の預金(財産)から葬式の費用を支払うことについては問題ありません。
Q.親の口座からお金を引き出しても法的に問題はありませんか?
A.親の口座が凍結される前に家族がお金を引き出しても、罪に問われることはありません。刑法第二百四十四条「親族相盗例(しんぞくそうとうれい)」を根拠にしています。
親族相盗例とは「一定の親族間で、特定の罪を犯した場合に、その刑が免除される」というものです。
※一定の親族とは配偶者、直系家族、同居の親族を指します。
※特定の罪には「窃盗罪(他人の口座から勝手にお金を引き出す)」も含まれます。
しかし、法的には罪に問われないとしても、兄弟など他の共同相続人とトラブルになることは考えられます。親の預金を引き出すこと、親の財産から葬儀代を支払うことなどは、事前に了解得ておいたほうがよいでしょう。
Q.故人の口座が凍結されてしまった後では、家族でも葬式の費用は引き出せませんか?
A.2019年の法改正で、名義人の死亡により口座が凍結された後でも、相続人が銀行に申請をすればお金を引き出すことができるようになりました。「仮払い制度」と呼ばれ、上限は150万円です。
親の口座からお金を引き出すことについて、詳しくはこちらをご覧ください。
親に葬式費用を支払えるくらいの預金(財産)があるのなら、そこから自分の葬式費用を出してもらってもいいのではないでしょうか。
そんな話も親が生きているうちにしておければいいですね。
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