十八時過ぎて真昼の顔の月(日記)

 夏の夜とは短いもので、昼の長いこと長いこと。もう午後六時を回るのに空を見上げれば、淡い青を背景に月がレース細工のように透けている。濃い宵闇の中へぽっかりと浮かんだ夜の月とはまるで別人のようだ。真昼の顔と夜の顔。右横顔と左側。思っていたのと別の顔。良きにしろ悪しきにしろそんなことばかりだ、お月さまは知ったこっちゃない。

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