今度は風呂掃除が全自動になってくれ(日記)

 部屋の掃除で疲れたので日記を書く。なお、数分後には友人が私の家のインターホンを鳴らす手筈になっている。そのための掃除である。人が来てくれる予定が入ると、懸命に部屋を掃除することができてありがたい。見栄っ張りの習性である。

 私は家事がそんなにすきではない。
 たまに気が向いてやる日もあるし、部屋は綺麗なほうが気持ち良いとも思う。だけど逃れられるなら逃れたい。
 私よりもさらに家事を厭う人も、おそらく世の中にいらっしゃるのだが、私は「やらねばならないからやるけどできればやりたくない」タイプである。湯水のように金があるなら全面的に人へ任せたいと思う。お仕事として任せるのが、何事においても、最も信頼できる。金のためにこそ働く先輩のほうが、たいそうな理想のために働く上司よりよほど信頼を置けた。なんて、それは別の記事が書けてしまうのでさておき。

 なによりも皿を洗うのがきらいである。
 よって、昨年ついに食洗機を買った。単身世帯の狭いアパートにあの手この手で設置スペースを生み出したことは、昨年の誇るべき功績だと思うのだが、実家の母には呆れられたものである。むしろ、そうまできらいだったのね……としみじみしてほしいところだった。実家でも子どもの頃から言いつけられた皿洗いをあまりに先延ばしにするので結局母が耐えかねて洗っている始末だった。

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 朝にここまで書いたところで友人が来たため中断していた。
 友人にはごくごく簡単ではあるが昼食に手料理を振舞ったので、その後の片付けもとい食洗機の性能を見てもらった。興味津々の様子であった。

 ひと昔ならいざ知らず、今では食洗機もたいへん性能がよい。少なくとも私にとってはこれほどありがたいものもない。各種メーカーさまの企業努力を思うと感謝の念に耐えない。
 家電の進歩たるや凄まじいものがあるなあと、私は家電マニアでこそないが、しみじみ思う。自動掃除ロボットだとか、材料を入れてスイッチを押せば調理してくれる電気圧力鍋だとか、あるいは人間を感知して点灯と消灯をしてくれる電灯や勝手に流してくれる便座も。なにかにつけて「家電さまが働いてくださる」場面が増えた。

 と、こんなことを考えているとやはり、残るは「風呂掃除の自動化」だと思う。この半年ほどずっと思っている。

 食洗機を買ってからというもの、私の中の「面倒な家事ランキング」長年の首位がとうとう入れ替わり、いまや堂々の第1位に風呂掃除が君臨している。
 水回りはそもそも全般面倒くさいのだが。ど近眼が裸眼で風呂に入ると汚れも何も判別できぬ、というのも面倒ポイントのひとつである。汚れに気づかないため掃除の意欲も湧かない、綺麗になっても綺麗具合が分からない。まったくもってやるせない。
 浴室も食洗機のように、スイッチひとつで乾燥まで全自動になってくれないかしら。もしくはル◯バのように、風呂の側面を這って磨いてくれるロボットが生まれはしないかしら。なんて夢を見つつ、スーパーで買ったスポンジでせっせと湯船のふちを磨いている。

 洗剤メーカー各社さまには申し訳ないが、擦らず落とせる・擦らず落ちるの謳い文句は幻想だと思っている。落ちた試しがない。どうすれば落ちるというのだろう。
 いやいや、それも数年前の「擦らずには落ちなかった」という恨みつらみをまだ抱えているだけやもしれぬ。今だったら本当に、擦らず落ちるものかもしれない。食洗機だってそうだ、10年も前なら予洗い必須だったろうけれど、現在は少ししつこそうな汚れだけ事前に水でふやかしておけばなんとかなるのだから。

 ひとまず今の洗剤がなくなったら企業努力を信じて「擦らず落とす」を試みてみよう。
 なんて思いながら、入浴前に食洗機のスイッチを入れておく。夕飯の食器も、明日の朝にはぴかぴかになっている。結果の確信が得られるのは実にいい。願わくば風呂掃除についてもそうありたい。

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