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10日ごとの掌編小説投稿を3ヶ月間続けて気づいたこと

こんにちは。あるいはこんばんは。
ふたしきです。

 タイトルまんまではありますが、この記事では、10日ごとに掌編小説を書き続け、投稿したことによって身についたこと、また、気づいたことなどをつらつらと書き留めたいと思います。
 いわゆる『ハック的なもの』というよりは、あとで自分自身も振り返ることができるように、感じたことや得たものを素直に書いていくので、内容はかなり主観的なものになるかと思います。『かなり大きめのひとりごと』のようなものなので、(ふーん、そうなんだ。へえ。)くらいのスタンスで読んでいただければと思います。日記みたいなものです。赤裸々ですね。
 よろしくどうぞ。

1.始めたきっかけ

 きっかけは、ある作家さんがnoteに投稿した記事でした。
 記事の内容は『小説を書く技術が爆上がりする上達術』というもので、思うように小説を書けないでいた私としては、藁にもすがる思いで飛びついたのであります。(恐れ多いのでリンクなどは貼りません。すんません)

2.きまりごと

やること(ルール)はとてもシンプルです。
 ①公開日を決め
 ②文字数を決め
 ③お題を決めます

 私の場合、文字数は1600字(推奨文字数)に固定しました。公開日は毎月10日、20日、末日にして、お題は当日の記念日なんかで決めました。これといった記念日ではない場合、公開日を前後させたりもして。
 意外にも、どんな日にも記念日はあるもので、毎回検索するのが楽しみであります。Wikipedia万歳ですね。
それから、④一話完結を原則として、⑤オリジナル作品であることが条件です。これはある種の『出会い』を楽しめる要素であったので、私としては好都合でありました。
 最後の条件に【執筆は公開日の前日か当日に】とありましたが、これは上級者向けらしく、また、私には現時点では荷が重いこともあり、10作品目からは、できるだけ心身ともに余裕のあるタイミングで書くことにしました。
 結果的にこの選択は、自分にとって性に合うものだということがわかりました。後述しますね。

 あとは、なんでも良いから課題を決めて書いていました。「今回は地の文をきちんと書こう」とか、「心象の描写を疎かにしない」とか。前回の作品を書いたあとに感じたことや反省点を、次の作品では改善しようというものです。
 成果はまちまちですが、意識することは大事だというのが私の結論です。

3.気づいたこと

 まずなんといっても、(あくまでも個人的には)書き方というか、文体がある程度整ってきていると感じています。始めた当初の作品は、どこか説明くさいというか、文字数という縛りに悶絶しながらどうにか『それっぽいもの』を書こうとしている感じがして、書けば書くほど迷子な状態に陥っていました。
 そんな中で書いたのが『雨の東屋』です。これは非常に反省点の多い作品で、結局なにが言いたいねんと、セルフツッコミしたいものになります。世界観は嫌いじゃないんですけどね。
その後、公開した『約束のプレゼント』で尾をひきながら、『サピロスの涙』でなんとなく(あれ? この感覚が正解なのか……?)と疑心暗鬼になり、『エピファニー』で自分と向き合いました。結局どうしたいのん? みたいな。ラストに本心が出たので、これはこれで書いてよかったと思えた作品です。
 現時点で一番プレビュー数が多い(ありがたや!)のが『春を集めるひと』なのですが、これを書いたときに「こうか!」みたいな気持ちになったことを覚えています。(at.池袋の東横イン)

 結局のところ、書こうとしていることや感じたことに対して『思いの正体』を突きとめることが、なによりも大事なことなのだと気がつきました。可能な限り具体的にするということです。
 できるだけ自分の心を掘り下げて、できるだけ細かい粒度で把握することに努めました。人の感情の変遷も同様に、身の回りや自分に対して向けられる感情に対して、早々に結論を出さず、見出しをつけず、できる限り細分化しました。
 また、これまでは勧善懲悪を書きたがるフシがあったのですが、それが安易な選択にならないように注意するようにもなりました。
 表現しきれなかったとしても、そうした意識が根底にあるのとないのとでは、そもそも筆の進みも違いました。

4.身につけたものとそれがもたらした変化

 まずは自分が得意とする書き方とその世界観(世界線)を自覚しました。
 作品を読んでいただければ気づいて頂けるかと思いますが、パラレルワールド的というか、『理の一部が書き換えられた世界』が、自分にとって最も興が乗る設定であり、下地であることがわかりました。大事なのは『一部』であること。
 なにもかも書き換える、つまりは【完全なるファンタジー】のようなものというよりは、我々が生きる現実世界のほんの一部を書き換えることで、それによって起きる影響・波及効果的現象が、テーマとして一番取り掛かりやすいというか、もの書きとしての自分から見て垂涎極まる世界線であることに気づきました。
 今後はこれを主戦場にしたいと考えています。

 また、10作目となった『レコーディング・オン・0228』では書き方がガラッと変わりました。具体的に説明すると、あの話の終盤にはこんなシーンがあります。

  「とんだ馬鹿野郎だぜ。てめえは」
  「あんたにだけは言われたくないね」

 このときの(2/28)テーマ自体が【馬鹿野郎】だったこともあり、『レコーディング・オン・0228』はこのセリフが真っ先に頭に浮かびました。なので、このセリフを一番最初に書きました。
 このセリフのやり取りがまず第一にあって、その背景をセリフの色合いからうっすら荒廃した世界に設定してから、残りを肉付けしていったかたちです。
 つまり、これまではある程度ストーリーのスジを決めて、全体の流れ、イメージがぼんやりできた段階で頭から執筆していたのですが、これを『自分が重要だと思ったシーンやセリフから書く』ようにシフトしました。そこを楔としてストーリーを広げ、繋げるイメージです。
 この手順は自分にとっても性に合っていたようで、とても書きやすく、納得感のある執筆ができました。なので、今のところ件の作品が一番のお気に入りです。

「小説って、頭から順番に(ストーリーを追って)書かなくても良いんだ」という気づきが何よりの収穫でした。

 書き方としてはプラモデルを作る感覚が一番近いかもしれません。ある程度の塊であるパーツをこさえて、それらを繋げていくような。それから推敲によって全体の見栄えを整えるイメージです。書くことそのものについて、自分なりのスタイルを見つけることができたのかもしれません。
 あとはやはり、『掌編小説を10日ごとに書く』という短いサイクルを繰り返すことが、適度な反復練習となって、心と体に刻み込まれたのだと思います。

5.最後に

 総括としては、この掌編小説投稿は自分にとってとても有意義なものになっています。なので、今後も続ける予定です。
 誰がどう読むかはさておき、まずは自分がもの書きとして成長するためのトレーニングとして、継続するだけの価値はあると実感しています。

 今後も毎月10日、20日、末日と掌編小説を投稿いたしますので、よろしければ作品を読んでいただければと思います。

 ここまでお読みいただいたそこのあなた。
ありがとうございます。
 引き続き、ふたしきと作品たちを可愛がってやってくださいませ。

ではでは。

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