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ふたしき
2022年9月11日 22:52
ある夏の昼下がりに、私は母の実家を訪れていた。一昨年に祖母が亡くなったことで無人となった家の、家財などの整理にやってきたのだった。 遺品の整理もひと段落ついたので、私は休憩をとることにした。縁側に座り、用意したコップ一杯のぬるい麦茶を一気に飲み干す。こめかみに浮かんだ汗が頬を伝い、顎先で止まって、音もなく私のもとを去っていく。紺のスカートが黒くにじんだ。 家は山奥にあるので、町中に比べれば暑