014話:はじめて木型を削って形にした靴

VASSという最高の既成靴を見つけて、さらにオーダーでも素敵な靴を見つけた時、私の中にある思いがフツフツと湧き上がりました。

これ以上のものをオーダーしたい:

それから、いくつかのオーダーをして、楽しんだ靴もあったのですが、やはり職人と私とのコミュニケーションに行き詰まりました。
「自分だったら、もう少し踵の内側を削って、気持ちよくしたいのに」

良くも悪くも職人さんって、自分の中のあるべき靴形があって、そこをベースにコミュニケーションをしていると実感できました。(もちろん、ご本人は要求に合わせようと必死に努力してくれますが)

実は木型を削る前に、製作上の興味から既成の木型をオーダーして靴を作ろうと、型紙・裁断・縫製・釣り込みまで自己流でやりましたが、あまりの酷さに早々に退散しました。

その代わり、木型は乗り物を作るメーカーに勤めていることもあり、立体のデザインにはたくさん触れる機会を得ていました。自分のリソースをつぎ込むとしたら木型で、それが一番フィット感に効いてくる!!

木型はなくなってしまいましたが、初めて形にした靴はこちら。

偶然見つけた素敵な工房に製作をお願いしました。オイルコードバンのワンアイレット。

底材はベーカー社のオークバーグソール。

それに、今まではインソールの立体感がないのが不満だったので、その当時としては最大限に立体感をつけました。

そうして出来上がった靴は、今までのどの靴よりもフィットしてしまったこと。そのビギナーズラックが、私を靴木型作り、そして靴制作の世界に導いてしまったのだと実感しています。

反感買うこと覚悟で言いますが、フィットに向き合った素人でプロの靴にも木型では十分立ち向かえるなと。。。

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