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029話:フィッティング検証、靴内部に水を入れて測る

「靴は足より余裕を持たせなければならない。」そんな、古い靴屋のコンセプトは大嘘でした。

前回では、「靴の中の体積を、いかに最小にして、私の足を収めるか?」を追求すると、自然とフォルムが格好良くなるお話しをしました。

では、具体的にどこまで、小さくできるのか?それを今回のエントリでは明らかにしたいと思います。

まず私の足ですが、体積は781mlです。


足と靴の体積を計測比較するために、靴に水を入れた:

実験1足目。こちらで紹介した、最も足に合う既成靴のVASS。これの内部に水をいれます。

713ml! この時点で足より余裕がある靴はフィッティングの観点で大嘘であることが確信できました。

次に、大塚製靴のオーダーメイド。こちらで紹介しました。

水を入れます。

703ml! オーダーでは、やはり既成より若干攻められるようです。

次に2013年当時の私の木型で作った靴。

623ml!


まとめます:

VASS:  68ml足より小さい 。今まで買った中で一番合った既製靴です。(とはいってもフルハンドで結構ビスポに近い)
大塚製靴オーダー: 78ml足より小さい。伝統ある一流どこの靴工房
ZinRyu自作158ml足より小さい 。2013年当時、一番攻めながら痛みは全くない靴。でも、今の段階ではこんなの比ではないくらい攻めらています

つまりは、自分の足より150ml以下の体積しか攻められずに、痛みが足に走るようでは、木型の基本設計にまだまだ改善すべきラインがたくさんあるってことですね。

靴木型設計する方は、自分の設計が、どこまでいけるのか追求してみると、きっと美しい木型ができると思います。

一人でも靴づくりをする方の参考になれば嬉しいです。

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