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怪談

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これが何になるかより、ただアウトプットしたくて始めた実話怪談。
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#オカルト

怪談14  死霊と子ダヌキ

怪談14 死霊と子ダヌキ

死霊に生霊、呪いにモノノケ。

怪談と言っても、色んなものに因んだ話があります。

私には、死霊の顔は見えません。生霊は、頭の中で感じたものがホログラムのような色で見えます。やたら神経が立ったような夜に、瞼を閉じて変な人形の顔が浮かんでは消えてを繰り返すようなときは、呪いの類だと思っていて。モノノケは…今のところ肉眼で遭遇したことはありません。

ただ一度、夜中に目が覚めたと思ったら、白黒の写真の

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怪談12  海

怪談12 海

ある日の夕暮れ。友人と浜辺を歩いていました。

落ちている流木を拾ったり。鳥の羽を探したり。

少しずつ暗くなる浜辺で、のんびりと話をしながら過ごしていました。

夕日が段々と沈み、海の向こうに落ちていく。そして、プツッと小さな陽が姿を消した瞬間、海の向こうから何かがやってくるのを感じ始めます。

姿は見えません。波の音だけが当たりを包んでいます。しかし、真っ暗になりきる海の向こうから波の上を進み

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怪談11  島

怪談11 島

山を登っていました。

それは、徒歩30分ほどで登れる小さな山で、石英や長石の塊を探しながらシダ茂る道を歩いていました。

途中までは何とか普通に登れるものの、山頂付近になると途端に道はなくなり、張られたロープだけを頼りに落ち葉の滑る道をなんとか進むようなところでした。

山頂に着くと、そこには古いお城の跡と、小さなお社があります。手を合わせてふと横に目をやると、そこからは海と、海岸に続く茂った森

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