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シンガポールの親友の話

はじめに

 今回のnoteは2022年12月22日に知り合ったシンガポールの友人であるJasperさんについてです。まとまりのない文章ですが、お時間を頂けると嬉しいです。

呂帝王から紹介

 シンガポールの宿泊先が決まった10月頃に台湾の親友である呂さんに熱帯魚関係のお友だちを紹介してとLINEしました。すると呂さんは「シンガポールに友人は1人しかいないんだけどいいか?」と返信をくれます。「台湾熱帯魚界の“呂帝王”に友だちが1人しかいないわけないよなぁ。」と感じつつ教えて頂いたのが、Jasperさんです。その日のうちにJasperさんとLINE交換し、自己紹介をします。彼は素っ気なく、熱帯魚もプライベートも話がマッタク盛り上がりません。「忙しいのかな。」「ボクを歓迎していないのかな。」と少し不安に感じ「いきなりだし、会えなくても仕方ないか」と納得させていました。

初対面

 出発の日。そうは言ってもと福岡空港からJasperさんへLINEします。すると「何時の飛行機?」「航空券の写真を送って」と素早いレスポンスに戸惑いながらも「滞在中に、彼の熱帯魚を見せて貰えるのかな」と旅の楽しみになりました。

 何年か前からシンガポール入国は紙から電子申請に代わっており、シンガポール4回目のボクにも初めての電子申請の経験でした。
 あの巨大な空間を持つチャンギの入国審査場で、パスポートをかざし、親指の指紋をとり、顔認証と、人と触れ合うことも言葉を交わすどころか声を発することもなく、あっという間に入国です。
 要した時間は並ぶのを含めても5分程度(日本は何倍もかかります!)でした。加えてシンガポール用のSIMカードが認証され、無事にボクのiPhone13miniがシンガポールのインターネットに繋がり、安どします。

 チャンギ国際空港へ到着し、入国した旨を彼に知らせると平日にも関わらず「迎えに行くから待ってて!」といよいよ歓迎ムードです。ホテルまではMRTで行くつもりでしたが、「迎えに来るって言ってるし、時間あるし、待ってみるかな」となんだか一人旅らしくなってきました。

 近代的で超巨大なチャンギ国際空港のゲートで行き交う人々をぼーっと眺めます。まだ見ぬ性別も人種も年齢も分からない新しいお友だちを待っていると西側から突然激しいスコールがあっという間にやってきました。ついさっきまで燃えるように熱されていた表情のアスファルトを豪雨が叩き、湿度が一気に上昇します。その匂いから改めて赤道直下での15日間の濃く長い旅が始まったことを思い出しました。

 ボクの空港内の居場所を上手く伝えられず時間を取ってしまいましたが、30分ほどでとてもラフな服装のJasperさんが現れました。大柄で人の好さそう中国系シンガポール人の彼は35歳にして5つの会社を経営し、シンガポール独特の英語を話します。挨拶を済ませ、駐車場に歩く中で少しずつ打ち解けていきます。

初煙草

 ボクの予約したロケーションの良いチャイナタウンにある1泊朝食付(50SGD=5,000円)の激安カプセルホテル(CUBE Boutique Capsule Hotel at Chinatown)まで、Jasperさんの運転する新型ポルシェ・カイエンでドライブです。さっきまで土砂降りだった雨もあがり、シンガポールの青い空と鮮やかな緑をたたえる木々、よく整備された広大な道路を進みます。少しシャイな彼との“シングリッシュ”での会話、初めての高級外車、車窓を流れていくシンガポールの街並みに自ずとテンションは上がります。

 ホテル道路向かいのショッピングモール(Chinatown Complex)に車を停めた彼はホテルへは直行せずに、俺について来いと言います。何だろうとついていくと彼は地元民らしく慣れた様子で「ホーカーを使うと美味しくて安上がりだよ」と実際にお店のメニュー(後日、彼の勧めてくれた魚の煮つけを食べましたが美味しくはなく、魚料理は日本だよなあと痛感します。)を指さし、一通り説明してくれました。

 その後、ショッピングモール内の小さな熱帯魚屋さんを見てから、ホテルにチェックインです。tattooの目立つ女性店員に部屋まで案内してもらうのですが、運悪くシューボックスやロッカーのカギが壊れた部屋でした。ボクが覚悟していた以上に狭い部屋を見た瞬間に彼の顔が曇ります。女性店員が去った後、彼は1泊の値段やボクが滞在中にずっとこのホテルに泊まることを確認し「あー↓」と少し頭を抱えていました。

 「まだランチ済ませてないよね。」と、ホテルに隣接するミシュラン一つ星のチキンライス屋さんリャオ・ファン・ホーカー・チャンへ移動です。そこでヌードル(チキンライスではなく!)を食べながら話し込みます。彼がすすめてくれた初ココナッツジュースも美味でした。

 遅めのランチを食べ終わると「タバコを吸おうぜ。」と外へ誘われます。「Youはタバコ吸うの?」って聞かれたボクは「NO」と答えますが、「Youも吸えよー。」と半ば強引にタバコを差し出されます。いつものボクなら頑なに断るところですが、今回は敢えて手を出してみます。

初タバコ

 みなさんもご存じの通り、シンガポールはタバコに関して物凄く厳しい(日本のタバコは持ち込めません!)ので、尻込みしましたが、こういう体験こそがボクにとって必要であり、その為にここまできて“タバコを強く勧めてくれる友”に出会ったんだと思い切って挑戦です。ボクが1本吸い終わると彼は道端に捨てて、クツで揉み消すんだよと教えてくれました。ボクの<タバコ><ポイ捨て>という倫理観を壊した初めてのタバコは思ったほどキツくはなく、予想外に楽しめました。この日、初対面の2人はそのままタバコを吸いながら3時間ほど、生き方や考え方について全力で立ち話をしました。

 若くして起業し成功を収め、現在も努力を続ける彼の話は熱く強烈なインパクトを受けました。キーワードは「」「与える」「信頼する」「Eagle」です。彼は頭がよく、謙虚で親切かつユーモアを持ちながら、一貫性があり、とても厳しい人物だと少しずつ分かってきました。

 翌朝、そんなJasperさんから突然、日程変更のLINEが届きます。

サプライズ

 26日(月)に約束していた熱帯魚ファーム見学を今日(24日(土))に変更し、26‐28日にどこかへ連れて行くから、荷物を準備しといてという内容ですが、この怪しさにボクは心躍らせます。そして、予定を変更して、今回の目玉の1つとなった本場であるシンガポールの熱帯魚ファームを見学です。

何処までも続く熱帯魚ファーム

 Jasperさんの友人の大規模なファームであり、台湾の呂帝王から輸入した多くの熱帯魚を預けています。ここでも、「」「与える」「信頼する」「Eagle」をキーワードに、ボクたちは熱く、にこやかに多くを語り合いました。より深く広い話に、ボクはこれからの人生を変えようとする勇気を少しずつ手に入れようとしています。予めこのボクの変化を予測したかのように、これまでの彼の言葉を実現し、ボクの人生を大きく動かくべく、会ったばかりの日本人に、マリーナベイサンズ2泊3日(20万円相当)をプレゼントするのでした。

MBSへ

 月曜日の朝、カプセルホテルのフロントに「友だちのところに泊まりに行く」と告げ、彼のポルシェカイエンで出発です。彼はマリーナベイサンズ(以下MBS)にとても明るい様子で、色々と説明してくれます。チャイナタウンからベイエリアは直ぐなので、あっという間に到着し、MBSの立派な制服の従業員の待つ駐車場へドーンと駐車します。映画で見るカギをホテルマンに預ける駐車の仕方で、もちろんボクには初体験でした。

 さて、チェックインだなと彼に着いて行くとフロントに並んでいる多くの人たちを指して「彼らはCrow。俺たちはEagleだ。」と言い、別の方向へ進んでいきます。タワー1に入ってすぐ右側の一見小さなドアの奥にはいわゆる超高級ラウンジ(クラブルーム以上の宿泊者のみ利用可能なVIPラウンジとは別!!)があり、3つの個別のカウンターで素敵な女性従業員さんが、特別なお客様のみの対応をしていました。当然、飲み物はフリーで彼は「どんどん飲んだら?」って勧めてくれます。
 「これは大変な所へ来てしまったなあ。」と居心地の悪さを感じていると彼がお部屋の変更を交渉しています。当初はガーデンビューを予約していたのですが、より高層でシティビューかつキングサイズのお部屋をリクエストしています。「おいおい、ここに泊まるだけでも十分だよ。」と思いつつ、流れを見守っていました。結果、リクエスト通りの部屋に案内されるのですが、400SGD(≒4万円)というデポジットの額にも驚きました。

MBSの高級ラウンジ

 その最高に高級なお部屋では、彼がいつも以上に饒舌で、備え付けの食べ物やアルコールは飲んじゃダメだし、ルームサービスは絶対に頼んじゃダメとか、Gymやインフィニティプールへ行きべきだぞ、お客のランクによるガウンの色(一般はホワイト、VIPはゴールド)の違い、TVの使い方など、ボクの立場になって、率直に、事細かく教えてくれます。
 さらに、”EAGLE”を体験させようとVIP宿泊客のみが無料利用できるMBS専用運転手付ヴェルファイアでの外出を提案してくれたり、隣接するショッピングモールの色々なチケットを買ってくれたりします。(※MBSの話は別に書きます。)

MBS専用のヴェルファイア

終わりに

 JasperさんにプレゼントされたMBSでの2泊3日は、ボクの旅を<Eagleの旅>に物理的にかつ強制的に、外から内面を一気に変化させました。彼との会話の全てをここに書くことはできませんが、タヒにかけていたボクに勇気と自信と可能性を明確にそして確実に気付かせ、与えてくれました。

〇周囲を愛すること、自分自身を愛することを知りました。
〇損得ではなくただ与えることを学びました。
〇まずは信頼してみることを教えられました。
Eagleを感じました。

 ボクは生きてアップデート(努力と変化)を続けます。そして近い将来に必ずJasperさんに会いに行きます。

プロローグ 〜にわとりと鷲〜

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