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星好きは単なる物好きか?

上の写真は今年(2020年)3月21日の早朝(夜明け前)に撮りました。けっこう良い写真だなぁと自分では思っています。東の山影から三日月が出てきたところで、ちょうどその下には商店街の街灯が見えています。自然の営みと人の営みとが重なる一瞬を捉えた・・・なんて言ってみたりして・・・。

でも本当はこの写真が撮りたくて朝早くから外へ出たわけではありません。次に載せた写真が本当の目的でした。「日月火水木金土」のうち「日」はともかく「月火木土」がそろって見えていたのです。「金」(金星)は当時「宵の明星」として夕方から宵に輝いていました。先週金曜日に載せた記事の写真がそれです(リンクを貼っておきます)。

https://note.com/fushigi_wonder/n/n2999a3c116d6 

で、「月火木土」の写真がこれです(↓)。

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どれが「月火木土」なのか確認すると、こうなります(↓)。

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ちょうどこの頃、失職でとても落ち込んでいました。落ち込んだ時は星を見るに限る・・・これは星好き定番の行動です。まだこの頃は、コロナ禍がこんなにも深刻な状況になるとは思っていませんでした。とくにわたしの住んでいるところではそうでした。だからマスクもせずに外出していました。

昼間ならば花々がこころを癒やしてくれます。まだ春先だったので、木々の多くは葉を落としていましたが、自然の緑(緑色)は目にやさしく、目薬よりも効果があるかもしれません。しかし、夜間はそうもいかず、月や星々が癒やしのパワーを発揮してくれます。普段あまり星を見ない人も、たまには星を見上げてみてはいかがでしょうか。

と、今日はここで終わってもよかったのですが(月曜日だから「月」の写真も載せたし)、もう少し話を続けさせてください。

友人・知人・仕事仲間などと雑談している時、実はわたし星好きで~と何となく匂わすことがあります。ある種のオタクの方々(人の好みはそれぞれですから、わたしはそれを尊重しています)のように変わった人とは思われないようですが、へぇーロマンチックですねーとか、星ってキレイですよねーとか、ありきたりな反応が返ってくることがほとんどです。浮き世離れした仙人のように思われているのではないか、そんなふうに思うこともあります。でも、星好きは単なる物好きではないのです。

星好きの集まりに出ると、こんなにも星好きがいたのかと驚かされます。でも、日々の暮らしの中で、星好きに巡り会うことは意外と少ないように思います。一般的に(特殊な心理状態に置かれている人などは除いて)星に対して悪いイメージを抱いている人はほとんどいないことでしょう。でも、少し積極的に、つまり自ら星を見ようとする人は少ないと思うのです。

特殊な天文現象はマスコミが取り上げてくれるので、その時だけは世間の注目を集めます。日食、月食、スーパームーン(念のために付け加えておきますが、この言葉は正式な天文学用語ではありません)、彗星(先日もネオワイズ彗星が注目を集めました)などがそうです。それから宇宙開発に関係した話題もそうです。小惑星探査機(はやぶさ、はやぶさ2とか)、日本人宇宙飛行士のことなどです。

しかし、結局は一時的な盛り上がりで終わり、星好きが増えたようには思えません。このような天文イベントがきっかけで、星や宇宙に興味を持ってくれる子どもたちはいると思うのですが、一般人の大人たちは期待が薄そうです。

ここまで書いてきて、なんでそんなに星好きを増やしたいの?という疑問の声が聞こえてきそうです。純粋に星好きの仲間を増やしたいから、という理由はもちろんあります。しかし、それだけではなくて星空という「景観」を守りたいからでもあるのです。つまり、星好きは単なる物好きではない理由がそこにあります。

都会(都会でなくても)から自然や緑が奪われていくことに危機感を抱く人は少なくないでしょう。風景というか景観が奪われることに反対する論争も各地で起きています。東京が江戸だった頃は、富士山は容易に見えたそうです。しかしいまの東京から富士山を眺めることはけっこう難しいようですね。星空も同じです。例えば新宿や渋谷から星が見えるでしょうか。わたしも試してみたことがあります。一等星でもかなり難しいかもしれません。これがいわゆる「光害」です。

問題は光害だけではありません。人工衛星による危害も問題になりつつあります。人工衛星についてはこれまでも「スペースデブリ」(人工衛星の残骸などによる宇宙ゴミ)が問題になっています。さらに近年、民間企業による商用(反論はあるでしょうが、要するに金儲けのための)の人工衛星が次々と打ち上げられています。それらの人工衛星が星を撮った写真の中に偶然写り込むことも多くなってきました。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/06/post-12259_1.php

もちろんISS(国際宇宙ステーション)のように非常に有意義な衛星もあります。都会の開発事業の中にも有意義なものはあるでしょう。しかし、地上の開発計画や景観保護は議論として取り上げられているのに対して、星空という景観に対してはほとんど論争になっていないように思います。実際には論争はあるようですが、あまり話題になることはありません。

そのためにはやはり少しでも多くの人たちに星に興味を持ってもらい、実際に自分の目で(自分なりの五感で)星空を眺めてほしいと思うのです。その感覚を養ったり経験したりした上で、光害や人工衛星などの宇宙開発がどこまで許されるのか建設的な議論をしてほしいと思うのです。このままでは、星空という景観は確実に奪われていき、むかし江戸では富士山や星が見えたんだってー、という以上に、いずれ星空は日本中、いや世界中から消えてしまうかもしれません。

わたしが星好きを増やしたい一番の理由はそこにあります!

何だか「青年の主張」みたいになってしまいましたが、わたしという星好きの本音の主張です。

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