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【自作詩】 星をまとった白い馬

星をまとった白い馬/匤成深夜

頭痛がする時 体調が悪い時 部屋の電灯を見つめる癖がある
光は眩しくて 目に煩いと感じるのに見つめるのだ

そしてまた こたつ布団で顔を隠して暗さの中にいると
夜空に星が点々と輝く中 真緑の地平線を
一頭の馬が駆けている
白い馬で 山なりに描かれた地平線を気にも留めず
星空へ向かって飛んでゆく

その馬は白いペガサスだった

地表から離れる時に「みんなのうた」のアニメーションみたいに
羽根がすらりと現れ 宇宙はチョークで描かれた絵と変わる

僕は自由が欲しいんだろうか 
それぞれに夢を見つけて 旅立ってゆく友を
羨んでいるんだろうか

ペガサスは真剣な眼差しで ひたすらに駆けている
その姿を見ればまた 光が見たくなって
目を細め 部屋の明るさを受け入れる

頭痛に こめかみの痛みに耐えかねて目頭を揉む
圧し付ける指の動きに合わせて 
目蓋のこちら側で 赤や黄色の色彩が飛ぶ

電灯の丸みの残像だったり 目の奥の出血の跡だろうが
あまりの色彩に 白いペガサスを想う

一度 草を食むように首を伸ばして
天の川から星の光を飲んだ

彼はどこまで行くんだろうか
僕が夢を見つけて 旅立つ時が来たなら
夢のその先で 僕を待っていてくれるのだろうか

羽根をたたんで 耳を忙しなく動かしながら
いつのまにか虹色に光をまとった四肢を真っ直ぐにして立ち

来た道をじっと見つめて 星屑の欠片ほどもない
僕の姿を遠くから認めて 

それでも近寄って来るんじゃなく 
僕が彼の元へたどり着くまで 僕を見守っていて欲しい

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