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自分を変える本

また今日も衝動買いをしてしまった

「自分を変える」本

今日は2冊も買ってしまった
歩き回って疲れたのか
エコバッグの中の本が
2リットルのペットボトルくらい
重く感じる

「変わりたい」
今のままでいたくない

あと何十年もあると思うと
長い人生

いつ終わるか分からないと思うと
こんなダメダメな日常を
繰り返している場合ではない人生

思い切って仕事を辞めて
少しの間好きなことを
思いっきりやってみようと
心に決めていたのに

楽しかったのは1週間だけ

日を増すごとに罪悪感に
飲み込まれてくる

そして意味もなく
ショッピングモールでお買い物
何かが違う気がする

すれ違うスカートの短い
女子校生たち
ケラケラ笑いながら
雑貨屋に入って行く

ベビーカーでスヤスヤ眠る赤ちゃんと
オシャレな若いママさん

雑貨屋の入り口のアクセサリーを
ゆっくり選んでいる

「私もたまには買ってみようか!」

そう思ったのも束の間
足が止まってしまう

「あなたが付けたって似合わないよ」
「もっと可愛い人、キレイな人なら
 いいけど」

もう一人の自分が頭の中で
ため息混じりで言う

「そうだよね」
雑貨屋の前を足速に素通り
いつものパターンだ
自己肯定感の低さにウンザリなのに

でも今日はいつもと違った
「自分に向かって
 なんて酷い言葉を言うの!」

頭の中で誰かが叫んだ

歩いているのに
涙で前が見えなくなった

「試飲いかがですか?」

輸入食品のお店の前で声をかけられた

コーヒーの香りに誘われて
自然と紙コップを手にしていた

私は涙をハンカチで拭いて
コーヒーを飲んで少し落ち着いた

「もう少し自分に優しくしよう」

美味しそうな外国のお菓子2つと
いつもは飲まない
チョット高めのコーヒーを買って
家に帰った

コーヒーのお湯が沸くまで
まだ読み終わっていない
自分を変える本を
テーブルの上に集めてみた
 
6冊の本の上に
今日買った2冊を重ねた

「バカだな私」

この本を全部読んだら
何かが変わるとは限らない

でも読まなければ
何も変わらない

美味しいコーヒーを飲みながら
今日買った本のページをめくった

「もっと自分を大切にしたら
     今とは違う人生になるのかな」

窓から入る4月の風が
爽やかで優しい花の香りを運んできた

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