私は本当に無能なのか

私のこれまでの人生
無駄な人生

私は生きている価値がない
いいところなんて一つもない
無能な人間

長い間ずっとそう思い込んでいた

幸せを誓った人から支配され
バカにされ否定され
それでも
こんな私と一緒にいてくれるのは
世界でこの人くらいしかいないと
勝手に思っていた

でも、ある人と出会って気が付いた
私にはいいところが全くないのか
本当に無能な人間なのかと

その人は私を褒めてくれた
「しっかりしてるね」って

その頃から
私は本当の自分を取り戻すために
砕け散った心の欠片を拾い集めた

そして同時に
大切な子どもも
壊れかけていたことを知った

私は子どもを守るため家を出た

新しい住まいでの生活
慣れない生活と
見えない未来に戸惑う子ども
彼からの洗脳がなかなか解けず
苦しみから抜けられない私

布団の中でこっそり泣いたり
買い物途中の車の中で
大声で泣きじゃくった時もある

通常の生活をするだけなのに
疲れ果ててグッタリする毎日

頑張っても頑張っても
物事が全て上手くいかない

やっぱり私は無能なのか

こんなに私たちが苦しんでいるのに
彼と彼の両親は
ゴルフに行ったり旅行に行ったり
その写真をSNSにアップする

神様は残酷なのか

全てがどうでもよくなった

ベットの上で大の字に寝転がって
夕焼け色に染まった天井を見つめながら
何度も涙を拭いた

部屋の中が薄暗くなった頃
突然「しっかりしてるね」の言葉が蘇る

この数ヶ月間の自分を思い出してみる

色々な物と思い出を捨てて
怖くて怖くて不安しかなくて
泣きながら歯を食い縛りながら
家を飛び出て
新しい世界へと足を踏み入れた

私にもそんな勇気があったんだ

子どもを守るために
出来ないと思っていた
たくさんのことを
失敗しながら可能にしてきた

私は無能なんかじゃない

これからまだ
怖いこと不安なことが
いくつか待っているけど
「しっかりしてるね」の言葉を
お守りにしながら前に進んでゆく

私と子どもが心から笑える日を
迎えるために