フランク・ロイド・ライトの傑作「落水荘」に行ってみた 〜浮遊するテラスを間近で見られるキッチン〜
カウフマンがつまみ食いしていた好物とは?
まずはキッチンへ。
どこにあるのかというと、暖炉に向かって右脇のドアが入口になっている。
やはりダイニングへの動線が最短になるよう考えられている。
では、キッチンへ。
キッチンの広さは、窓の外に見える滝の上のテラスとほぼ同じ。
ある意味、ここはぜいたくな空間かもしれない。宙に浮かぶテラスを間近で見られるのだから。
キャビネットやテーブル、コンロは主張しない色合いで、石積みの壁にしっくりなじんでいる。だからこそ窓の外の景色に目が行くわけだ。
このコンロは竣工時のものではないらしい。というのも、これの前に使っていたコンロは夏の時期、暑すぎて作業できないという料理人からクレームがあり、撤去されたとのこと。エアコンなんかないもんなー。しかも、窓を開けると虫が入ってきて、とにかく大変だったらしい。その虫対策についてはいずれ書きたい。
もう1つ小ネタ。
この家のオーナーであるカウフマン・シニアは深夜になるとキッチンに来て、いつも冷蔵庫に入れてあったサンドイッチをつまみ食いしてたらしい。それにしてもフリッジデールの冷蔵庫、かっこいいなぁ。この丸みといい、ハンドルといい。
キッチンの奥にある秘密の部屋
キッチンのさらに奥にも部屋がある。広さはキッチンの半分ほどなのだが、ここでいいから住まわせてほしいと思うほど素敵な空間が広がっている。で、この部屋が…
ベンチしかない実にシンプルなこの空間は、使用人のための部屋。落水荘で働いていた人たちは、大切にされていたことが垣間見える。こんな素敵な部屋で過ごしてみたい。
キッチンの奥にある、もう1つの秘密の部屋
もう1部屋、紹介しよう。
キッチンの奥の階段を降りると地下室につながっている。
壁を見てもらうとわかるが、人工的な石積みのほか、岩がむき出しになっている。落水荘の中で、最もあるがままの自然を感じられる部屋ではないだろうか。
記憶をたどると、ガイドさんが竣工時はワインセラーだったという説明をしていたような、していなかったような。1年以上も前のことを思い出しながら書いているので、はっきりせず申し訳ない。
今はご覧のように脚立やスコップなど、家の整備で使われるちょっとした道具が置かれている。
自然の岩を削らず、そのまま使うことによって建物と自然の調和を印象づけている。
次回は2階へ移動しよう。
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