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ルールなき自由と、ルールの上のさらなる自由<フレックスタイム制の導入>

こんにちは。日本酒スタートアップ Clear 人事の古川です。

Clearは現在、正社員23名のスタートアップですが(2022年4月1日時点)、3月よりフレックスタイム制を導入しました。今回は、このフレックスタイム制導入をきっかけにスタートアップにおけるルールと自由について考えたことをお話します。

ルールなき自由時代

フレックスタイム制導入前のClearでは、就業時間を10:00-19:00と定め、「基本的にこの時間はみんなが業務をしている時間」として働いていました。(形態としては1ヶ月単位の変形労働時間制を基本としています)

スタートアップでは、色々なものが「ない」状態が当たり前で、一般的な会社であれば当然のようにあるものが存在していません。例えば1年前のClearには、以下が「ない」状態でした。

・会社備品の購入ルール・承認フロー・管理方法
・出張時の旅費ルール
・契約書の管理ルール
・経費精算の提出期限・提出方法
など
(ちなみに、Clearは同規模のスタートアップと比較して「ある」状態のものが多いです。評価制度やオンボーディングなど、20名規模の会社としてはめずらしく整えている方だと自負しています。このあたりは別途ご紹介します)

「そんな当たり前のものがないのか、、、?」「それで会社としてまわっていくのか、、、?」と不安に思う方もいるかもしれません。しかし、まわっていけるものなのです。なぜなら、10〜20名の少規模だと誰もがすべてに目が行き届くからです。誰が何をやっているのか、その背景含めて理解し合うことができているため、暗黙の了解でほぼすべてをまわすことができます。

就業時間も、定時が10:00-19:00と定まっている中にあっても、比較的自由に出退勤をしていました。風邪気味だと感じれば有給休暇を取得せずに午前中に病院に行ってきたり、友人と飲み会のために18:00に退社したり、一度退勤して子供との時間を楽しんだ後、夜に稼働を再開したり、制度としてフレックスタイムがない中でも出退勤に一定の自由があり、雇用契約で定められている1ヶ月の労働時間の中でしっかりと働いていました。

このような状態のClearに5年も在籍していた身として、このルールなき自由は正直、とても居心地が良かったです。何がOKで何がNGなのか、定められたルールを覚える必要がなく、誰もが善良であることを前提に、お互いの「信頼」や「誠実さ」を基準に動くことは、ある種の一体感や帰属意識を醸成する要因にもなっていたと思います。

しかし、このルールなき自由は、社会のルールと照らし合わせたときに、あるべきルールからは逸脱しうる危険もはらんでいます。

社会のルールとの相違に気づく

あるべきルールからの逸脱は、分かりやすいものは「残業」ですね。時間外労働(残業)の上限は、原則として、月45時間・年360時間と労働基準法で定められており、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。仕事が面白くてつい23時まで残業してしまったり、、、という状態が続けば、会社としてルールを逸脱することになるだけでなく、働く本人の健康にも大きな害が出てきてしまう危険性もあります。

Clearには「健康志向でいよう」というバリューがあり、寝食忘れてガツガツ仕事をすることは良しとせずに、睡眠・食事もしっかりと取り、健康を大前提に考えた上で成果に執着し業務にあたるというベースの考えがあります。そのため、残業はしても健康にはしっかり配慮するカルチャーがありますが、「遅くまで働いている」という状態だけを見たときに、特に新しく入社したメンバーは驚いてしまいます。

新メンバーそれぞれのバックグラウンドは当然のようにさまざまで、それまで所属してきた会社やコミュニティーによってルールは異なります。Clearにとっての「あたりまえ」は、イコール「社会にとってのあたりまえ」ではなく、ルールがない状態・暗黙の了解でまわっている状態は、さしずめ道のない森の中に取り残されたような、歩むべき方向が見当つけられない状態であり、新メンバーにとっては会社に馴染みにくい要因にもなってしまいます。これを認識し、規模の拡大とともにルールを定め言語化する必要性が出てきました。

ルールがもたらす効果

「ルールのない状態」から「ルールのある状態」への変化は、はじめは息苦しく感じる場合もありますが、多くのものを会社にもたらしてくれます。

社会のルール・法令遵守によるリスク回避や、逐一考えたり相談する必要がなくなり業務の効率性・有効性も向上します。また、誰もが公平に同じものを基準に判断することができるため、透明性の向上にも繋がります。

ルールをつくるときの大事な点は、画一的にルール決めをするのではなく、その会社らしさをしっかりと盛り込むことです。これにより、メンバーに受け入れられて実用に耐えうるだけではなく、その会社のカルチャーを形づくる土台にもなってきます。

ルールの上のさらなる自由

何を良しとし、どこにルールを加えるかには、その会社らしさが現れます。もちろん、社会のルールとして誰もが守らなければいけないベースはありますが、そこを担保した上で会社・メンバーに寄り添うことで、ピカリと光るその会社らしさが現れます。

例えば今回、Clearではフレックスタイム制導入にあたり、コアタイムを設けました。コアタイムは10:00-17:00と長く、定時の10:00-19:00のうち後半の2時間しかフレックスになっていません。コアタイムとしてこの時間をセットしたのには「重要なミーティングが多い」というClearの現状を鑑みたからです。Clearでは効率的かつ最低人数でミーティングを行うよう徹底していますが、1人で集中した作業よりも、複数メンバーでディスカッションしながら数多くの課題に取り組んでおり、多くの重要なミーティングが活発に行われています。この時間をしっかり確保する必要があったことと、特にフレックスを希望する子育てメンバーの都合を鑑み、この時間がコアタイムとして決まりました。

フレックスタイム制導入前から子育てメンバーは9:00就業開始・18:00退社とするなど、なんちゃってフレックスで動いていましたが、今回フレックスを導入することにより、より気兼ねなく安心して働くことができるようになりました。また私自身、子育てはしておらず保育園のお迎え等もないですが、自己都合で早い時間に退社する選択肢がルール制定前よりも広がり、心の余裕ができた気がしています。

ルールがあると、そのルールの上にもさらに自由があることに気づきました。誰にとっても明朗明快なルールがあることで、誰もが公平に謳歌できる自由があり、さらに効率的に働きやすい環境になりました。

Clearは数多くのポジションで積極採用しており、今後もどんどんメンバーが増えていきます。規模拡大とともに、そのときのClearにマッチしたルールや制度をつくり、Clearメンバーが働きやすい環境を整えていきます。

Clearでは複数ポジションで積極採用中です!


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