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迷いクジラのヨドちゃんのニュースを見て思い出した一冊の本

こんばんは、古河なつみです。
少し前にニュースで見た迷いクジラのヨドちゃんは死んでしまっていたんですね……先程ようやく経緯を知りました。

さらに近くの博物館がヨドちゃんの骨格標本を作りたいと申し出ていたそうですが、上手く市長さんにまで要望が伝わっていなかったようで、そのまま海底に埋葬されたという記事を見て、なんとも惜しい気持ちになりました。

というのも、ちょっと前にこんな本を読んでいたからです。

海獣学者、クジラを解剖する。~海の哺乳類の死体が教えてくれること~』(田島木綿子著/山と渓谷社)という本なのですが、研究者である田島さんのクジラ研究生活のドタバタ模様がすごく面白い科学エッセイです。

どんなに素敵な約束があっても「クジラが浜に打ち上がったって!」と連絡があれば予定の何もかもをキャンセルして海辺へ駆けつけ、巨大な工具でクジラを解体しながらその生態を観察し、新しい発見をしていく……途轍もない体力勝負の現場の緊迫感と、どこかお祭りに参加するような楽しげな研究者たちの様子が綴られています。

この本の中でも「自治体の理解を得るのが難しい」「標本採取の許可を貰えない事もある」という記述があったのですが、今回のヨドちゃんのニュースを見ると、もっともっとたくさんの人に『海獣学者、クジラを解剖する。』が読まれてクジラ研究者の方の要望が通ったり、クジラの解体現場への苦情が減っていけばいいなぁ~と思いました。

クジラやイルカについての豆知識や、大きな動物の標本の作り方など、知らない世界がたくさん覗ける本なので、大人だけでなく、動物が好きなYA世代の中高生の皆さんにもぜひオススメしたい本です。

ここまでお読みくださりありがとうございました。
それでは、またの夜に。

古河なつみ

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