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司書が経験した面白レファレンス集

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司書時代に経験したレファレンス(調べ物の相談)で特に面白かった事例を紹介しています。
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#図書館司書

図書館司書が「『ふしぎの国のアリス』の絵本ってありますか?」に即答できない理由とは?

図書館司書が「『ふしぎの国のアリス』の絵本ってありますか?」に即答できない理由とは?

こんばんは、古河なつみです。
今回は、一見すると簡単な質問なのに図書館司書時代の私が考え込んでしまったレファレンス質問を一つご紹介します。
(内容については少し改変を加えています)

Q.幼稚園の子でも読める『ふしぎの国のアリス』の絵本を探しています。

有名な作品なので、もちろん絵本もあるはず……とお問い合わせが多いのがこの『ふしぎの国のアリス』という作品です。『しらゆきひめ』だって『シンデレラ

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図書館司書が探した「スティックシュガーの猫」とは?

図書館司書が探した「スティックシュガーの猫」とは?

こんばんは、古河なつみです。
以前にもご紹介した事があるのですが、図書館でレファレンス(調べ物の相談)を受けて頭を悩ませた「うろ覚えの書名」をまたご紹介したいと思います(状況や質問者さんの言葉については単語を入れ替えたりしております)。以前の記事は下のリンクからどうぞです。

Q.『山手線魔法少女ミラクルリーナ』という本を探しています。

私「……村田沙耶香さんですよね?」
利用者さん「そうです!

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図書館司書のお仕事「魔法の呪文みたいなタイトルの小説探してるんです」

図書館司書のお仕事「魔法の呪文みたいなタイトルの小説探してるんです」

こんばんは、古河なつみです。
少し前に福井県立図書館さんが出版した『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』という本が話題になりましたが、図書館は本当に「覚え違い」の宝庫です。今回は私が遭遇した事例をいくつか紹介していきたいと思います。

『100万回死んだねこ』福井県立図書館

導入で最初に挙げたこの本が生まれた事で新しい混乱が起きています。
「100万回のねこみたいな本ありますか?」
「ああ

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