巡らせる 想いと言葉
「えっ?その日はすでに予定が入ってるんだけど。。。」
母から告げられた次の受診日を聞いて心に浮かんだ言葉。
ぐっと堪えて口から出そうになった言葉を飲み込んだ。
母が高齢化し体調面がやや安定しない日常にシフト。
今年に入り片足を引きずるようにもなってきたので病院へは私が車で送迎をするようになりました。
内科、眼科、皮膚科、歯科。
他には美容院などへも送迎しています。
ほとんどの病院では予約が出来、朝に診てもらえるよう調整できているので会社員ではない私にはさほど苦労ではないのですが唯一内科だけこちらのリクエストには応じてもらえません。
先代の先生からのお付き合い。
先生はもちろん受付の方々もとても丁寧。
母も安心して受診できていますし私も信頼をしています。
ただ予約希望日を聞いてもらえないので母の予約が入ると私のスケジュールを調整しなければなりません。
商談や打ち合わせ。
プライベートなランチ会等々1カ月以上前からセッティングを済ませているにも関わらず急遽キャンセルしたり延期したり。。。。相手も状況を知っているので快く了解してくれるし約束の段階で諸々伝えているので問題ないと言えば問題ないのですが。。。ただただ相手に申し訳なくて心苦しい。
診断日が決まる
予定を変える
そんなことを繰り返していたのですが私の心がもう限界に近づいていく。。。小さなストレスが積もり積もっていくのが分かる。
「いい加減にしてくれよ!俺がやりたいこと全然出来ないじゃんか!」
10年前の私ならきっと母に心無い言葉を投げつけていたことでしょう。母が悪いのでもないし全く責任ないにも関わらず。
でも積みあがっているストレスはちょっとした弾みで爆発を起こすことがあるので要注意。
状況を俯瞰してみる。
私は悪くない。
母も悪くない。
内科も悪くない。
ではどうするのか?
最初に母には全く責任がないことを伝えてから私の現状を聞いてもらいどういう方法が取れるのか?を私から提案する。
「お母さんが悪いわけではないから勘違いしないでね」
と前置きし(このひとことが結構大切かも)
「今度予定が重なった場合は俺がお金を払うからタクシーで
病院まで行ってくれない?」
「うん。わかった。お前に迷惑かけてばかりだし新しい仕事
もあるしね」
(母、ちょっと寂しそうな表情を浮かべる)
「ごめんね。でも俺、今進めてる新しいことしていきたいか
らさ」
「うん、分かってる。なんとかなるよ。大丈夫だよ」
(私が怒っていないことが確認できたのか安心した様子)
「予約が取れる病院は俺の予定表を渡してあるからうまく調
整してくれれば送迎出来るからさ」
「うん。ありがとう」
「タクシーはお金がかかるけど普段贅沢しているわけじゃな
いしたまには良いんじゃない?」
私がそう言うと
「そうだね。毎回じゃないしね」
お金を使うことに対する罪悪感のある母ですが冗談っぽく伝えることで(それもいいかも)と受け入れてくれたようだ。
想いを伝える
ってなかなか難しい。。。というか慣れてない。
例え一緒に住んでいる家族でも。
今回の場合は「送っていく。行かない。」が焦点ではなく私の予定と母の通院をどう調整するか。
なので大声を出す必要も母を責める必要もない。
タクシーというサービスをお金を介在させることによって活用し、私は新規事業に向き合えるし母はこれまで通り通院できる。
しかも月に1~2度の内科の受診のときだけ。
私のスケジュールが空いていればこれまで通り私が母を病院へ送迎するのだ。
送迎にかかるおおよそのタクシー代を母に伝えることで母が思っていたほどの金額ではないことも想像してもらえる。
タクシーを使ってみて不安を感じるようなことがあったら遠慮なく話してもらえるような雰囲気を作っておくことも大切だ。
迷惑をかけていて申し訳ない。。。
何でも自分のせいだと思い込んでしまう傾向が強い母はきっとそう思い込んでいて母なりに心の負担になっていただろう。
いつこの子(私)が癇癪を起してしまうのか不安でもあったようだ。
(もう以前の私とは違うのでそう簡単に癇癪を起さないんだ
けどね)
「悪いね。お前も疲れちゃうよね?」と母。
「車の運転してるだけだから疲れはしないんだけどさ。約束
してくれた相手に申し訳ないくてさ。それだけだよ」
「迷惑ばかりかけてしまって。。」
「家族だろ。他に甘えられる人いないんだし構わないよ」
私も母に伝えたことで心が軽くなった。
母も私が病院への送迎が嫌になっているのではないことが確認出来て安心したようだ。
伝え辛くて切り出せないまま時間が経過し小さなストレスが積みあがっていく。
何かの拍子でトリガーが引かれてしまい相手を傷つけてしまう。
心の傷は長く残る。
そんなことを何度も何度も繰り返してきたけれど少しは上手に生きてみたい。
状況を冷静な目で俯瞰する。
心を整理し取れる方法を検討してきちんと言葉にして伝えていく。
心が感情に満たされ囚われてしまう前に。
出来ればその日そのときに。
巡らせていきましょう。
想いも言葉も。
ありがとうございました
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