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ふろたん/月海 香
2019年4月8日 23:08
少女の祈り ぼくは夢を見る。炎が轟々と燃え盛り、その中心に男が立っている。彼がにやりと口を歪めると、決まって夢から覚めるのだ。
2019年4月8日 22:19
巫女の行く先 少しばかりの水と供え物を持って少女は村の者と別れた。風の神のいる遺跡へ巫女として向かう為だ。獣も盗賊もいつ出てもおかしくない広い砂漠を独り歩く。 延々と歩き水も尽きてきた頃、行商人と出会った。「お嬢さんお嬢さん、水はいかがかね」 少女は近くへ歩み寄る。「おじさん、この暑い中お疲れ様です。ごめんなさい、お金は持っていないの」「ええ? お金を持ってない? あんた、そんな軽装