きゅうりもみ。
私はごはんをつくるのが好きだ。
作ったごはんを食べてもらうのが好きだ。
1番は一緒に食べるのが好きだ。
以前シェアハウスに住んでいた時、よく私が作ったものを一緒に食べたり、一緒に作って食べていた。嬉しいことに、食=ふらの。のイメージが定着していたと思う。
シェアハウスでの最後の晩餐。たけのこご飯をリクエストにもらって、他を何にしようかなと考えていたときに出てきた料理達。
それは私の思い出が詰まった物たちだった。
その思い出も含めて一緒に楽しみたかった。
そんな食卓にあがったものから記そうと思う。
たけのこご飯
おばあちゃんのきゅうりもみ
母の豚汁、煮物
北海道のちゃんちゃん焼き
友達のコラボレーションかぼすの煮麺
今回は…
きゅうりもみ。
きゅうりもみ。うちのおばあちゃん家でいう、きゅうりの酢の物。わたしが初めて自分ひとりで作れるようになった料理。きゅうりと、塩と、砂糖と、お酢があれば作れる簡単なもの。しかし、難しいおばあちゃんの味。おばあちゃんの料理にレシピはない、目分量。いい塩梅が難しい。
農家のおばあちゃんちでは、夏のきゅうりがなる時期は畑からきゅうりをもいでくるところから始まる。いい大きさの、トゲトゲがまだ痛い新鮮なきゅうりを2.3本もいできて、軽く洗う。スライサーでシャッシャッとスライス。スライスとピーラーの使い方は小さな頃の方が上手だった。今は勢いあまって手を切ってしまう事がしばしば。なぜだろう…。
話は戻って、スライスしたきゅうりにザッと塩をかけ、揉み込む。全体的に揉みこめたら、少し放置。水がでて小さくなったらOK。手のひらに収まる量のきゅうりをすくって、おにぎりのようにギューッと握る。しっかり水を切ると、たっぷりあったはずのきゅうりがキュッと小さな塊に。塊を崩して、味見をしながらお酢と砂糖を入れていく。ここのバランスが1番のポイント。甘すぎでも酸っぱすぎでもない、いい塩梅。味が決まったら、そのまま食べるのも良いけれど、少し冷蔵庫で寝かせると味が馴染んでまた美味しい。砂糖が溶けて、酸の角がとれてまるくなった味がきゅうり全体に染みてくる。学校から帰ったら1番に作って、ごはんができるまで冷蔵庫に入れておく。いつもの流れ。大好きすぎて、時々冷蔵庫を覗いては少しつまんで減っていくのだけど…。
小学校低学年の時、学童保育からおばあちゃん家に帰る生活だった私は、毎日毎日作っていた。どんなごはんのお供にも、きゅうりもみ。おばあちゃんのと、お母さんのと、私のとどれが美味しいかを比べさせては、おばあちゃんには勝てなくて、また作る。
1番最初のキッチンの思い出。
一緒に食べたい!きゅうりもみ。
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