あと1マイル〜幸せであるために
さだまさしさんの曲。(歌詞を一番下に貼っておきます。)
戦場で戦死した若者の手紙を中心に歌われるこの曲は
この手紙を書いた戦死してしまった兵士とその手紙を受け取った恋人、
手紙の中のお母さん。の3人の「想い」が詰まっています。
あと1マイルのところで倒れてしまった若者、あと少し、あと少しで味方の陣営にたどり着いたのにそうすれば恋人とお母さんに会えたのに、3人は再会出来たのに、、そんな不条理とも言える現実がベースになっています。
手紙を受け取った恋人は「彼にはもう会えない」という悲しさを一生懸命振り払おうと何度も何度も手紙を読み返して、彼の「愛」を確かめようとしています。現実はとても悲しいのですが、それを受け止めて、せめて彼の「愛」を最後の手紙から感じ取ろうとして手紙の最後に刻まれた彼の愛を見つけます。
曲中では手紙の一部しか描かれていません。
「誰があなたに撃てと命じたのか、そんな風にお前を育てていない」
彼の母の声です。戦場の中にあって彼はこの母の声を頼りに辛うじて人間らしさを保とうと必死だったのかも知れません。でも戦場では撃つことを強いられて苦しんでいます。その苦しみを恋人に宛てた手紙に綴って救いを求めている。この手紙の一節は戦争の愚かさをありありと表しています。
本当にお母さんの「想いの声」が戦場の息子に繋がり届いていたのかも知れません。その母の「想い」が息子に勇気を与え、人として過酷な戦場に立たせていたのかも知れません。残念ながら彼は銃弾に倒れてしまいましたが、このお母さんの「想い」がこの撃たなければいけない、もう撃ってしまったかも知れない状況の彼の心を人としてのところに止まらせ、天国に向かわせたんだと思いました。
悲しくて悲しくて辛くて辛くて涙が止まらなかったでしょう。
でも「いい兵士になれそうもない」という彼らしい優しい人のまま亡くなったということも残された2人には救いだったでしょう。お母さんと恋人は悲しみを超えてそんな彼を誇らしく思ったのではないでしょうか。そして彼自身も2人の女性に感謝し幸せなまま救われて天国に旅立ったのだと思います。
この世はあともう少し、あと1マイルで届きそうなのに届かず辛く悲しいことがいくらでもあります。
しかし、その厳しい現実の中で必死に「幸せであるために」もがき苦しむその中に人の神性とも言える美しさがあることに気づきます。
最後に
女性の願いは誰もが
幸せであるために
「愛と平和」を祈り、
母の存在は
常に心で繋がり、息子(娘)が
幸せであるために
いつでも「本来の自分らしくあること」の背中を推してくれる。
そんな「勇気を与えてくれる愛」なのだと思います。
〜〜〜
あと1マイル
あなたが銃弾に斃れたのは
味方まで 1 マイルの場所だった
私が贈った腕時計の
日付がその日で止まっていた
あなたの手紙が届いたのは
その日から1週間あとだった
右下がりの懐かしい文字は
こんな風に綴られていた
「誰があなたに射てと命じたのか
そんな風にお前を育てていない」
母の声がいつも耳に残って
僕はいい兵士になれそうもない
あなたの手紙を読み終えたのは
戦が終わった翌朝だった
最后の頁に 520 の
私の名前が記されていた
あなたは一体誰の為に
私まで捨てて戦ったのか
よその国では若者たちが
そしらぬ顔で遊んでるのに
「誰があなたに射てと命じたのか
そんな風にお前を育てていない」
母の声がいつも耳に残って
僕はいい兵士になれそうもない
あなたの手紙を何度も読み返した
あなたの声は聞こえなかった
最后の頁に 520 の あなたの愛が刻まれていた
あなたが銃弾に斃れたのは
味方から 1 マイルの場所だった
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