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『ボクらの時代〜役者仲間が語る安藤政信の魅力〜』 テレビかじりつきVol.1

映像作品以外では滅多にお目にかかれない、俳優・安藤政信。
彼が出演した貴重な『ボクらの時代』を見た感想です。

『ボクらの時代』はゆかりのある芸能人3人が鼎談するトーク番組で。司会者がいるわけではない。ゲスト3人のペースと関係性の中で自由にトークを繰り広げる。

気心の知れた親交のある3人、共演したての3人などの組み合わせが多いため、他では見られない一面を垣間見られるのも特長。

日曜朝7時という早い時間帯の放送ながら、出演する芸能人もゴールデンと大差ないほど豪華である場合も多く、根強い人気を誇っている。

2018年8月26日の放送回では、安藤政信×斎藤工×山田孝之が出演。
安藤政信はこれがトーク番組初出演。近年映画で関わりのあった2人を指名しての鼎談実現だった。

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番組はフジテレビ系列だが、安藤政信とフジテレビといえばドラマ『コード・ブルー』への出演が記憶に新しい。
初めてのトーク番組に『ボクらの時代』を選んだのも、そういった縁がなければ実現しなかったかもしれない。

以前は頑なに出演しなかったドラマでも、最近は安藤政信を見かけることが増えてきた。
今回の番組出演は、彼の役柄以外の部分を知ることができる貴重な機会であると同時に、最新の状態を確認できる、ファンにとっては垂涎の時間。

安藤政信は役づくりの影響もあるのか、頰が少しスッキリし、端正な顔立ちをより凛々しいものにしていた。とても43歳とは思えないビジュアルである。

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山田孝之が「ぼくら世代のカリスマ。憧れの人で目指すべき俳優だった」と語れば、斎藤工も「超絶カリスマ。いまだに『あ、安藤政信だ』って思う」と話し、オーディションに対する姿勢にまで影響を受けたというエピソードを明かした。

安藤政信は照れ臭そうに笑うのだが、ただひたすらに美しいピュアな笑顔だった。いい歳したイケメンおじさんがシャイであることは尊い。
彼のルックスは依然として「おにーさん」で通用するが。


話題は安藤政信のデビュー作にして代表作『キッズ・リターン』へ。北野武監督ならではのオーディション秘話も飛び出した。

斎藤工の「そのときのオーディションは伝説化している。一番最後に気だるそうに入ってきた安藤さんが選ばれたというのは本当か確かめたかった」との切り出しに本人は苦笑い。

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山田孝之もそのオーディションの逸話は俺ら世代なら誰もが知ってるとし、「一番態度の悪かった2人が選ばれたって聞いた」と真相が気になるようだった。

安藤政信は、スカウトされてから1ヶ月しか経ってなくてよく分からないし、なんの欲もなかったと思うと、当時の心境を話した。


テーマが俳優としてのスタンスに及ぶと、「独身の頃はギャラが入ったら、それがスッカラカンになるまで旅行とかして、残高が無くなったら事務所に連絡して仕事もらってた」と回顧。

斎藤工は「かっこいい!」と驚嘆し、山田孝之も「実に役者っぽい。すごい良い」と讃え、独特の俳優道に聞き入っていた。


さらに内容は核心へ。
安藤政信は俳優活動を一時休止していた真相を語った。
理由はざっくりふたつ。

ひとつは、映画だけにこだわってきた世代だったが、もっとドラマなどマルチに活躍していかないといけなくなった時代への戸惑い。

もうひとつは、日本映画出演におけるルーティーンへの飽き。ある種システマチックな、撮影して番宣しての流れにキツくなったという。

これらは雑誌などのインタビューで安藤政信を追っていれば周知の範囲だ。
しかし、地上波のマスメディアで語れるようになったことが、以前より肩の荷が下りた現在の心境を物語っている気がした。

今はチャンスがあれば素直に受け取る。ドラマへの出演など、数年前よりずっとオープンになってきた俳優活動。それでもまだ少なからずの葛藤もあるようだった。

たとえば俳優の仕事は自由がないこと。監督やプロデューサーの意向や、台詞や台本に縛られ続ける。最近は忙しいのか、休日が恋しいとも話し、今の状態が決してベストであるともいえない様子。

終盤は若い頃のエピソードについて語った。

斎藤工に「先輩は相当おモテになったんじゃないですか?」と水を向けられると、「全然」と即答。

「コミュニケーションがうまくとれない」と、人見知りの子犬のような表情で話すと、「あ〜」と妙に納得したように笑う山田孝之。

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安藤政信の場合、おそろしくかっこいいから手が届かない存在として逆にアプローチされないこともあるだろう。たしかにコミュニケーションに関しては不器用な印象もハンパないから、ビジュアルに比例するほどモテた実感は持っていないのかもしれない。

最後はなぜか男にはモテたエピソードを披露し、日曜朝とは思えない生々しい体験を語って笑いを誘った。

自分でも「人を信じやすい」と話す通り、本当に彼は素直なんだろうなと思う。それゆえに傷ついたり疲弊したりして、あらゆるものから距離を取る時間が必要になるのだろう。

今回改めて声が素敵だと感じた。あの繊細さの中にも芯があるような声。

その声で滔々と「銭湯で白人男性にお湯を流され股間をアピールされた」というような話をするものだから、可笑しくて仕方ない。

放送時の実況の様子

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今回、初めてのバラエティ出演でその素顔を見せてくれた安藤政信。共演した斎藤工と山田孝之からリスペクトされている感じがよく伝わった。

斎藤工はまわし役になり、あの落ち着いた聞きやすいトーンで2人の話を引き出した手腕はさすがの一言。

山田孝之は近年バラエティなどで見せるマイペースっぷりやアクの強いキャラクターとはまた異なり、先輩をしっかり立てていた。
2人ともこのバランス感覚があるからみんなに愛されるんだな。

ちなみに安藤政信は照れ隠しなのか、終始顔に手をやる素振りを見せていた。自分の顔に手をやる癖(特に安藤政信は頰に手をやっていた)が、心理学的にはどういった傾向があるのか調べてみると、

「頬を触るタイプは人前であがりやすいタイプを表していることが多く性格的にも内向的で、繊細なものをもっている人が多いといえます」とのこと。

うん、絶対当たってるな。

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