見出し画像

ファンリーシュ主催セミナーリポ―ト〔第一部〕「選ばれる企業になる!ー 経営者のパートナーとして組織を導くためにー」

ファンリーシュ

皆さん、こんにちは。12月8日に開催された主催セミナー「選ばれる企業になる!ー 経営者のパートナーとして組織を導くためにー」の開催リポート(第一部)をご紹介いたします。

当日は二部構成にて、【第一部】ではゲストをお迎えしてご講演頂き、その内容を受けて、ファンリーシュの志水静香も加わってのパネルディスカッションを実施いたしました。
■木下 達夫氏:株式会社メルカリ 執行役員CHRO
■神谷 俊氏:株式会社エスノグラファー代表/面白法人カヤック社外人事
■志水静香:株式会社ファンリーシュ 代表 /ファンリーシュアカデミア学長
(各プロフィール詳細は、こちらのイベント開催ご案内ページ内でもご確認いただけます。)

【第二部】では、田口 光氏(合同会社 YUGAKUDO代表 / アカデミアエッセンシャル講師)からの「Funleashアカデミア」体験型セミナー『経営を動かしたい人事と現場を動かしたい経営』 を実施いたしました。第二部リポートもこちらからご覧いただけます。

今回のセミナーから、皆さんの今後の実践機会に役立てば幸いです。

ムラ(村)からマチ(都市)へ進化しましょう

第一部ご講演では、株式会社メルカリの木下達夫さんから下記2つのポイントに沿った自社事例のご共有でスタートしました。
① メルカリの現状と課題感のシェア
② そこからどのように経営者とアプローチしてきたか

木下さんご自身は、P&G社での5年とGE( General Electric Company)社での17年と外資系企業でのキャリアを重ねて、2018年12月からメルカリに参画されており、メルカリは早期にミッション&バリューが確立した企業です。

そのメルカリは、現在グループ企業の多様化・事業の多角化を進めている最中とのことです。5年前の2017年には300人だった社員は1,800人を超えるなど、わずか5年間で5倍の規模になるほどの急成長。
この背景には、世界的なサービスを作ることを目標に事業を展開していく中で、その実現のために世界中から優秀なタレントを採用する必要もあり、急激かつ大きな変化をせざるを得なかった、とも振り返られました。

画像2

その状況下で、人事として組織内に伝えていった言葉が

「メルカリは、ムラ(村)からマチ(都市)へ進化しましょう!」

というメッセージ。
その背景には、実は組織が何百人規模の時には、あまりルールを作らずに暗黙知で進んでいく部分もある方が、逆に良かったりする。しかし、1,000人を越えてくると形式知が必要になってくるのです。という木下さんからの言葉がありました。
メルカリは現在でも9割がリモートワークを実施中で、それが可能なのはこの「マチへの進化」を支えるアクションがあったから、と感じるお話でした。

「大事にする共通の価値観」をまとめた社内向けのドキュメント

ではその進化を、どのように起こしていかれたのか。

メルカリグループでは「非連続な成長を実現するための人・組織づくり」を大切にされています。
その成長を後押しする人事であることが必要と考えておられ、社員数の急増で新たなメンバーのオンボーディングにあたっても、創業者の想いが薄くなってしまうのではなく、分かりやすくなるように意識されたとのこと。

そこで生まれたのが「メルカリ(会社)とメンバー(社員)が大事にする、共通の価値観」をまとめた社内向けのドキュメントの Culture Doc です。

このCulture Docの概念ご紹介にあたり、木下さんは下記事例をご紹介くださいました。
例えば、「性善説」という言葉。これは日本語カルチャーが浸透している村のような状態であれば考え方として通じても、世界中からのカルチャーが存在する都市となった時には伝わりにくいもの。
そこで、プロとして信頼しているという想いを込めた「Trust & Openness」という言葉に換えたそうです。出来るだけ情報を共有することや、なるべく現場で判断していってほしい、など経営層の想いも反映されており、これはNetflixの場合の Freedom & Responsibility Culture(自由と責任)のようなイメージとのことです。

フォーカスポイントを絞って話を進める

アクションを実現する2019年から2021年までの、人事をとりまく環境を木下さんからご紹介頂く中で

メルカリグループとして、中長期的に成長していくためには、中の社員が成長していく必要がある。ベンチャー企業だから育成不要という考え方ではない。この点を経営層ともしっかり話し合われてきた。

という点は、一般に多く言われる考え方や感覚にとらわれないもので、印象的だったと感じています。

経営層と会話していくにあたり、
色々やりたい事業はあるが、自社のリソースには限界がある。そして自分たちの企業が優秀な人材をどのように確保していくか。
「自社の組織内に入った社員が、いかに継続的にパフォーマンスを発揮していくか」という点も、自社には成長意欲の高い社員が多いことを裏付ける数値データも用いながら(※)、フォーカスポイントを絞ってお話を進めていかれた、と伝えられました。
(※メルカリグループでは、新規事業立ち上げの際に、社内公募をかけると多数の応募があるそうです。そして応募者全員と面接を経て、メンバーを選出するという状況も、自社の傾向を認知する大きな要素だと感じます。)

では優秀な社員の活力を引き出す為にポイントとなっているのは、何なのか。ここで紹介されたのが、eNPSです。

eNPSとは
「Employee Net Promoter Score(エンプロイー・ネット・プロモーター・スコア)」の略称であり、「親しい知人や友人にあなたの職場をどれくらい勧めたいか」を尋ね、「職場の推奨度」を数値化したものです。

メルカリグループではこの数値も上昇が続いており、現在では入社される社員の4割が既存社員の紹介とのことや、入社後も継続した形で成長フローの言語化にも注力されている点も、職場の推奨度を実感していく機会として欠かせないものであると、強く共感した点でした。


バーンアウトせず、自社のツボを見極めること

続いての、神谷 俊さんからのご講演でも「戦略人事は現実的・持続的に可能なのか」という点を、メルカリの木下さんからのご講演内容ともリンクさせながらお話頂きました。

神谷さんは戦略人事のリスクとして「消耗している」という点に注目されました。
例えば、IT化が一気に進んだことで戦略人事の負荷は急激に高まりました。結果として、下記のような現実が起きています。

・1日12コマ面談して1日が終わってしまう
・全く現場を見れていない担当者の現実
・理想とのギャップやストレスからバーンアウトしてしまう

画像3

また戦略を練っていく上で、様々な課題を前に他社事例から学ぼうと情報を収集したり、取り組みに高い関心は持っているが、自社に導入することには課題も感じている、という方は多いと思われます。

その上で、自分の会社を振り返ってみて、ここが機能すると、この事業が跳ねる(活性化する)など、自社の経営者のツボを見極めることが重要だと、神谷さんからもアドバイスが伝えられました。

パネルディスカッションより

お二人のご講演後は志水さんも加わり、木下さん・神谷さんとのパネルディスカッションが展開されました。木下さんのご経験談を中心に、時間が足りなくなりそうなほど盛り上がった中から、ご紹介します。

Q, どのように組織内の信頼を獲得したのか?

木下さんからは数年前のメルカリグループを振り返り、成長を支える人材獲得への姿勢として「全員が採用する。(みんなでやる)」採用チームは、それをサポートしてくれる存在なんだよ。という点を、経営層がトーンセッティングしてくれたことが、ご自身も信頼を獲得していく上で大きかったとの言葉がありました。

採用が不調であると「担当部門は何やっているんだ!」といった言葉が寄せられる企業もあるかもしれません。この木下さんからのエピソードからは、メルカリの数々の変革には、人事部門だけでなく経営層からのアプローチも欠かせなかったことが分かります。

また神谷さんから木下さんへ「経営層に説明する時について」の質問が投げかけられた際には、先にご紹介したフォーカスを絞った話を掘り下げて頂き、企業の特殊性に配慮することが大事で、そことフィットするように「うちでは・・・」と語れるようになることが大切、というお答えがありました。

続いては、志水さんからの質問に木下さんからお答え頂いた内容を、以下にまとめます。

画像3

Q, 自身が語れるようになるまでに、要した期間や学習プロセスについて

【メルカリの木下達夫さんの場合】
学習期間は約3ヶ月~半年。
最初の1~2か月で50人との1 on 1が実施できたことで、事業を理解して、どんな人が組織内にいるのか、その状況の背景は、といった理解が進んだ。
また色々な会議にでたことで、物事の表現スタイルや、決まり方や大切にしているものを実感することができた。
その上で、検討中の施策への意見をヒアリングする狙いで、社内向けに壁打ちのように「当てる」機会も積極的にもたれたそうです。

このお答えを聞き、神谷さんからも組織内の「アクターネットワーク(人物相関図)」が書けるようになることや、組織内への当てる場をつくったことにも注目され、練習して改善する場をつくることが、特に重要だと強い共感が示されました。
志水さんからも、当てる場で社員からのフィードバックを得られる文化をつくることは、まさにモノ言う社員を活かすためにもなると、大きく盛り上がった点です。

変革にあたり大切にすること

最後に木下さんと神谷さんから変革へのアドバイスをいただきました。

【木下さん】
消耗してしまわないために、全体的な現状認識や課題を無視していないけど、「今はまずココにアプローチする」と相手に伝えること。HRBPとしては、社外コンサルの様子などから学ぶことも一案。ついつい、あれもこれもと、相談が寄せられる場合が多いことを踏まえてのアドバイスでした。

【神谷さん】
戦略人事でも、ビジネスの中で自分の時間を確保することが大切。それは、自分を俯瞰したり、成長していくためのリソースを確保することは必要だからです。自分を大切に、パフォーマンスを発揮するだけでなく、ラーニングしていくことも重要とのメッセージでした。


今回のゲスト講師から伝えて頂いたメッセージは、急成長するあの企業だけの特別なことではなく、多くの企業でアプローチを始めていけるヒントに溢れた言葉ばかりだったと感じます。
人事として、一人の社員として、「自社ではこうやって考え進めていけることが出来るのではないか。」まずそれを考えてみて、当ててみることが出来る場所を、ぜひ皆さんの身近な場所から探してみて頂けたらと思います。

第二部のファンリーシュアカデミア体験のリポートも、ぜひ下記よりご覧ください。


Report by Mai Todagishi(ファンリーシュ コミュニケーションサポーター)


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!