見出し画像

10代のチカラ

昨日、以前詳しく書かせていただいた監督として携わっております動画撮影企画の3校目の収録が無事終わりまして、残すところカルメラさんの収録&素材入稿待ちとなりました。その後業者さんと協力して編集作業に入ります。
(このお仕事の詳細は"急遽決まった動画撮影"という記事に詳細を書いてありますので興味のある方はぜひ!)

今回は、今日の撮影でも協力してもらった10代の若き演奏者達に焦点をおいてお話を進めていきたいと思います。
まず高校生の彼らは部活動という枠組みの中でJazzを演奏しています。この名古屋という土地は他府県を見ても稀に見るビッグバンド大国です。中学や高校の部活動としてビッグバンドがたくさんあります。

ちなみに僕は中学一年生からSaxを始めましたが一般的な吹奏楽部だったのでJazzというものをしっかりと認識し、演奏し始めたのは18歳以降です。
中学や高校ではJazzと触れ合う環境に無かった僕には経験の無いことなので、どのようなモチベーションで演奏しているのかがとても気になるんです。羨ましくもありますしね。

この動画企画に限らずこれまで様々なイベントを通して彼らと触れ合うことが多く、かれこれ15年ほど中高生の若きミュージシャン達を見ておりますが、一貫して感じることはただ一つ。
彼らは野球部やバスケ部と同じようにただただビッグバンドが大好きで演奏や練習をしています。純粋にこの音楽が大好きなんですね。
「10代でジャズを演奏」と言うと「おませさん」な響きがしますが、やってる本人たちは全然そんな素振りもなく、流行り物と大差なくジャズという文化に触れています。

さて前置きがとっても長くなりましたがここからが本題です。(前置き長すぎ御免)
今回「10代のチカラ」と銘打って投稿した理由は、彼らが収録の空き時間に行っていた"セッション"に起因するものです。
もちろんビッグバンド自体の演奏もめちゃくちゃかっこよかったのですが、その傍ら休憩時間に"アソビ"の感覚でフリーセッションを一部の子たちが行っていたんですね。

それがめちゃくちゃかっこよくて、なんか嬉しくて。

一人の子が徐にドラムでビートを鳴らすと、居合わせたサックスの子がそのビートに合わせてsing sing singなどのスタンダード曲をモチーフに楽器を鳴らして、メロディが終わるとその後はアドリブに発展していました。
そして感動したのはこれだけではなくてですね、恐らくアドリブとかはまだできない子たちでしょうか。一頻り演奏が終わると「イェーイ!」とか「流石!」とか、思い思いの言葉を演奏者たちにかけてリスナーとしてその場を思いっきり楽しんでるんですよ。

これってめちゃくちゃカッコイイことだと思いませんか?

もうそこはどんな粋なJAZZ CLUBよりもどんなでっかいライブハウスよりも一番JAZZしてましたよ。
レベルがどうこうとかの話じゃない。
そこに居合わせた友達同士が、今ある環境の中で最大限の"アソビ"を楽しんでる。
しかもそれを日常の一端としてごく自然に行なっているんですね。
「演り手」「聞き手」の境目もなくて、そこにいる人たち全員が全力で音楽を楽しんでました。​

"音楽の原点"を心底感じさせられた瞬間でした。

中学・高校の頃、吹奏楽部にトロンボーンの先輩でヨ○カワ先輩ってのがいましてですね、その人はすごーく音楽に長けていてトロンボーンもさることながらピアノやドラムもこなすマルチプレイヤーで、そのどれもが当時の僕にはプロ級に見えて「すげぇなぁ」と思っていたのですが。(現在は敏腕弁護士さんとしてご活躍されとります。司法試験を一発で合格するという何から何まで天才的な才能の持ち主です。)
その先輩とよく音楽室でセッションまがいなことをしていた情景がフラッシュバックしました。
余談ですが、そのお方結構メチャクチャなところもあって何を思ったのか僕の頭にペットボトルを乗せて「動くな、いまからそれを上段回し蹴りで吹っ飛ばす」と言い放ち、勢いよく足を上げたかと思うとそのまま僕の顔面にクリティカルヒットさせペットボトルではなく僕が吹っ飛んだ余計な記憶もフラッシュバックしました。(弁護士って正義を守る人やないんか。)
まぁ全ていい思い出です。

さて、こんなことを言っては少し寂しいかもしれませんが、プロとしてお金をもらって演奏する以上ニーズに応えるという責任が伴いますので彼らのように毎日100%純粋に音楽を奏でることは不可能かもしれません。
もちろん仕事がつまらんと言っているわけではありませんし、その緊張感がより自分を高めてくれるといこともわかっているつもりです。
演奏はどんな環境でも楽しいですしね。
ですが、原点だけはやはり忘れたくないなと思います。

「今ある環境の中で最大限の"アソビ"を楽しむ」

こんな単純なことを、改めて34歳のおっさんに実感させる
「10代のチカラ」

侮れません。

もう少しあとにはなりますが卒業シーズンに彼らのイキイキとしたビッグバンドの演奏をYouTubeで公開予定です。
どうぞお楽しみに!
(企画名:"Nagoya Groovin' Summer 2020 Virtual プロジェクト ルピナス")
(主催:名古屋市文化振興事業団)


スキを押してもらえると、筆者は大変喜びます。
そしてサポートされた日にゃ、三日三晩踊り狂います。

あなたにとって有益な情報であれば、ぜひサポートをお願いします!!!