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パチンコの話 その1

時間は少し遡りますが、高校1年生の6月頃(だったと思う)の話
そう、じめじめ暑くなり始めた頃
クラスメイトで同じ区に住んでいた正(仮名)が、
「ぷくぷく、暑いからジュースでも飲みに行かない?」
と普段あまり喋らない正と帰る事に。
正は、背は高くて口数が少ない割と格好良いタイプのヤツだった。
この日は土曜日で部活は休みだったのもあり行くことにした。

喫茶店にでも行くのかと思ったが、到着したのは
パチンコ屋
駅に近いところの賑やかなところにあった店(2020年に閉店)
そこに正は堂々と入っていき、自販機の前へ

紙コップ式の自販機 写真はイメージ

「好きなの飲みなよ。ボタン押せば出るから」
と言われるがまま、ファンタオレンジの(だったと思う)ボタンを押した。
このパチンコ屋、特定期間は紙コップ自販機ジュースが無料だったのだ。

当然だが、高校生はパチンコ屋に出入りしてはいけません。
が、ジュース飲んでるワシ達に店員さん達はも何も言わず・・・

飲み終わると正が
「オレ、パチンコやっていくけどぷくぷくはどうする?」
と聞くので、ジュースタダで飲んだのもあって、少し遊ぶことにした。
この時、換金システムや1発いくらとかの知識はゼロであった。
ワシが選んだのは、当時ニュースでも話題になっていたデジパチ
という機種

この台では無いが、下に広いポケットがある


要は、777が揃えば当たりというヤツ。
実はこの時代、777が揃って興奮のあまり死亡するというニュースが
たびたび報道されていた。
デジパチで500円分玉を買って始めた。
この頃のパチンコは手打ちではなく、既に電動タイプだった。
ハンドル捻ると玉が飛ぶタイプ。

左が手打ち。右がハンドル。実際に使用したものではありません。

びゅんびゅんと玉が飛び、表示の数字が動き出す。
しばらくすると、なんと

777が揃ったのである!!
これぞまさしく、ビギナーズ・ラック!!

超驚くワシ
下の広い部分の扉が開いて、玉がどんどん入っていく。
パチンコ台がものすごく輝いて見えるのだ!!
興奮中のワシ、一瞬777が揃って死んだ人のニュースを思い出す!!

死ななかったけど。
後に知るのだが、この時代は30秒間ポケットが開いていて、
その間好きなだけ玉を入れられたのだ。
しばらくすると、玉が出なくなった。

一杯になると受け皿の玉を減らさないとダメ
今のパチンコ台は、写真の青レバー引けば下に落ちる

受け皿が玉で一杯なため、玉が飛ばない状態だったのだ。
初めてのワシは、そんな事は知らんかったので、どうしやうかと思ってたら
正がたまたま見に来て、すぐに箱を持ってきて玉をかき出してくれた。
当時の台はレバーなどなく、手で受け皿から箱へ玉を移すのであった。
若干ロスが出たが、それでも大きい箱で2箱くらい出たと思う。
換金方法も知らないので、全て正に頼った。
そもそも換金なんて言葉すら知らなかったワシ。
結局、週末バイトの約2.5倍のお金を得る事が出来たので、正にお礼として
4,000円だったと思うが、要は1,000札だけ渡したのだ。
正は要らないと言ったが、連れてきてくれなければ無かった金だからと、
半ば強引に受け取ってもらった。
帰りに駅前の松屋で、牛丼と野菜サラダはご馳走になった。
正なりの気遣いだった。
そんな正の気持ちが嬉しかったのは覚えているが、
正と一緒にパチンコ屋に行くことは無く、これが最初で最後だった。

2年3年はクラスが別になり、学食で逢うとちょい話をする程度であった。
今思えば、なんでジュース飲みに行こうと誘ってくれたのかなぁ~
あの日の牛丼は美味しかった!!

ぷくぷく

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