ちいさないきもの

不幸だと刷り込まれたものには

幸福だと手渡されたものには

安いセリフすら無く

行間も見えない

知らない誰かのためのガヤ芝居が

ホリゾントの優しい嘘が

靴のかかとをすり減らしているものだと知っていた。

呼吸することで

磨かれていく魂と

舵を操ることで

鍛えられていく両腕だけが

ここにだけ在った真実のもの。

僕は

幸も不幸も知らない

どこにでもいる

小さな生き物

(380日)

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