静けさの中から

絆と呼ばれる

罪なき細糸にからめとられ

身動きできないでいた

些末なことだと

無遠慮と驕慢を手に

正解を知らない人々が集う

まがいものの涙の泉に

見ないふりで過ごした

胡乱なじかん

人であることを　

手放しそうになる

僕は

劇中劇の不自由な玉座から

抜け出すことを選んだ

思考とともに

寂しさとともに

(672日)

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