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いつものやつください

主に酒場などで発生する6文字のなぞなぞ「いつものやつ」
出てきたそれがマティーニとかビールだったら「普通に頼めよ文字数少ないじゃん」ってツッコめる。それまでに摂取したアルコール分を全身の毛穴から一瞬で離脱させる勢いで。
トワイスアップのミルクとか出てきたら、もう名刺交換したい友だちになりたい。

憧れのすごい常連っぷりだ。
「タワケもの!余の顔を見忘れたか!」
暴れん坊将軍に近いコンフィデンス。

「えええ?こないだ話したでしょ~?」
すいません。僕の脳は他人に関する情報が曖昧なんです。
楽しそうな人と明らかにに違いない人の二つは記憶できるが、中間どころのふわふわした位置にある人の記憶を一切忘れるシステムになっている。メガネでスーツのオジサンとか、前髪長めの全身GUニイチャンとか、もう赤ピクミン黄ピクミンレベルの識別しかできない。

「名前なんだっけ。いやいやちがうよ苗字のほう」
大丈夫だ。僕には田中角栄式攻略法が残っている。

いっつも縦縞着てる阪神ファンとかならともかく、ピクミン見分けてきちんと記憶して対応するバーテンダーさんゴイス。関心する。
興味のない相手の、更に興味のない好きなものまで覚えておくストレージが余っていない僕には、逆立ちしても習得できない能力だ。というか今なら胸を張って逆立ちすらも出来ないと言う。

「いつもの~」簡単に口にできないし、勇気の必要なセリフだよな。
無計画にBARに行って無計画にオーダーをする僕には憧れるセリフだ。

迷う奴は損してるって、そんなことはない。ちゃんと主導権はここにある。逃げてるわけじゃない。
ちゃんと自分で決めるから、だからまだまだ迷いたい。

Life is a series of choices. 人生は選択ばかり
いつかは自身満ち溢れる「いつものやつ」セレクトになるんだろうか。

僕がオーナーなら「ITSUMONOYATSU」って銘柄のウィスキーを置くな。
ワンショット5,000円くらいで。


(273日)

#エッセイ #コント部 #ライフスタイル #僕なりの幸福論 #毎日note #いつものやつ #BARでオーダー #ほろ酔い文学

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