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葬儀業界に関する本当の「数値」を知ることは難しい

葬儀についての情報がここ30年程度で、世の中に多く発信されるようになりました。

多くは「葬儀価格が不透明であり、葬儀が発生してからでないと具体的な葬儀費用がわからない」という現状がありました。

しかし、この状態ではいけないということに業界がようやく変わることになり、葬儀にまつわる「数値」が世の中に発信されるようになりました。

葬儀の平均金額は本当に「あてになるのか?」

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私が葬儀の現場担当者で合った時代、たまに「葬儀費用の平均」をご遺族より尋ねられることがありました。

私が葬儀業界に入ったのは今から18年前になります。そのころはまだ葬儀についてを今ほど積極的に一般の方が調べる時代ではありませんでした。

元々葬儀業界は「不透明」と言われ、特に30年以上前の葬儀費用は、葬儀に関する見積もりもない、またはあったとしてもわかりにくい。
「何にどれだけの葬儀費用」が掛かっているのか、ご遺族はわからない状態が多かったと聞きます。

そのような中でご遺族が葬儀社に「葬儀の普通(平均)費用がどのくらいなのか?」と尋ねることが多かった時代があります。

当時の葬儀費用は平均約200万円〜300万円であったと、業界内からは聞きました。特に冠婚葬祭互助会が強かった私の地元名古屋では300万円とも言われていたようです。

現在ではインターネットなどで「葬儀 平均」などと検索を行えば、これらについて記載された数値を拾うことは出来ます。

このように葬儀の費用について調べれば、yahoo!ニュースなどにも出てきます。

しかし、これらの数値には多くの問題があります。

ネットから葬儀に関する数値を「正確」に知るのは難しい

インターネットに記載されている「葬儀に関する費用や平均に関するデータ」は
「どの地域から」
「どれだけのお葬式数に対しての」調査を行ったのかということを正確にしる必要があります。

消費者団体が様々な方法で調べたデータもあれば、葬儀に関する一企業が公開したデータもあります。

どこの組織がどの数値を元に調べたものであるのかを確認し、葬儀についての情報を得なければなりません。

地域により葬儀社の「コンセプト」が違う

元々冠婚葬祭は「地域性」が強く「地場産業の業界です」

東京などの大都市では、葬儀社の数が多く、また大企業よりも圧倒的に中小零細の葬儀社が多い現状があります。
一方、地方では元々地域に根づく大きな葬儀社・互助会が複数の会館を多く出店させ、地域のシェアを高めています。

実は葬儀社にはコンセプトがあり、ターゲットにしている想定客層の違いもあります。

どこの客層(ご遺族)をターゲットにしている葬儀社なのか、
地域でのシェアはどのくらいあるのか、
実際にお葬式を何件行っているのか?

これらの数値から、その地域における葬儀社の影響力がおおよそ検討がつきます。どの地域でお葬式を行ったかにより葬儀の平均などは、ばらつきが出てきます。

葬儀に関する「本当の数値」を確認することは難しい

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葬儀を終えたご遺族の葬儀費用をすべて分析し、葬儀平均などの情報を集めることはとても難しいです。

葬儀業界は全体の約95%が中小零細の従業員10名以下の葬儀社の割合が圧倒的に多く、これらの葬儀社からデータを集めることは不可能です。

中小零細の葬儀社は葬儀社はデータを取る必要もなければ、提出をする義務もありません。

昔は近所の方の葬儀をみて、「自身の身内もこのようにすればいい」という風潮があったこともあります。
しかし今の時代、葬儀の平均価格だけをみて、自分の身内の葬儀を決めるということは、しないほうが良いです。

これらのデータは参考にはなると思いますが、自身の家庭に当てはまる可能性は低いと思われます。

そもそも平均で葬儀費用を決めるのが間違っている

葬儀費用は世の中で出ているデータの平均で決めることが間違っており、自分自身の家庭状況が最も分かる人は「自分自身」です。

どれだけのデータがありましても、最終的には自身や家族が葬儀内容を決めなければなりません。

家族・親族の構成
家族・親族との人間関係
親と同居、近所住まい、遠方住まい
家庭の所得
地域性
選んだ葬儀社
葬儀の内容のこだわり
宗教者との付き合い(例:菩提寺があるか、特にないのか)
そもそもの個々の考え方(死生観・価値観)
時代の変化(死亡人口の増加・長寿化・法律の改定など)

各家庭によりこれらの状況が異なります。これらが全く同じという家庭は存在しません。

お葬式を出す家が同じであっても、前回の葬儀と今回の葬儀は状況が異なるからです。

直近で連続してお葬式を行わない限り、時代背景も異なりますので、以前の葬儀経験・喪主経験が参考にならないこともあります。

対象者の現在の状況、将来対象者が亡くなり、残された家族のことについて「ネットだけに頼らず、対象者と家族が向き合い決めるものがお葬式なのです」

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