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クラフトビールの未来産業レポート-クラフトビール起点で強い地域経済をつくる可能性を探る-

今回の未来産業レポートはクラフトビール業界がテーマです。

クラフトビールは、素材の組み合わせの面白さ、独特の風味などから、ここ10年でファンの間で人気が高まっています。

クラフトビールが生活に根付いてきたのは、この10年なのです…
下記はGoogleトレンドから検索ボリュームを抽出したデータです。

Googleトレンドのデータを加工

さらに、次の10年でも成長を続けていくことが予測されています。

CNET Japanによると、世界のクラフトビール市場は、2021年に1,038億5,000万米ドルの規模に達し、2022年から2027年にかけては、11.20%のCAGRで成長し、2027年には2,006億2,000万米ドル規模に達すると予想されています。

クラフトビールとクラウドファンディングの相性

そして、クラウドファンディングとクラフトビールブランドは、非常に相性が良いのです!

FUNDINNOでも多くのベンチャー企業がプロジェクトを成功させていてます。

シンプルに、株主優待でクラフトビールが特別価格で購入できたり、イベントに参加できるのは嬉しいですよね…

世界的な有名な事例の紹介です。

英国No.1のクラフトビールブランド「BrewDog」は、クラウドファンディングで資金を調達し、多くのファンと魅力的な仕掛けを行っています。

英国のクラウドファンディングプラットフォームのCrowdcubeにて、
・総資金額:238,409,483 米ドル
・資金調達回数:14回

と株式投資型クラウドファンディングを使い倒しています。

ユニークな仕掛けの一例として、「世界初のクラフトビールホテル」があります。このホテルの建設資金調達もクラウドファンディングで行われています。

ビール好きには、たまらないホテルです…

今回は、クラフトビール生産ベンチャーの最新動向と、クラフトビール市場の未来の姿を解説していきます。

なぜクラフトビールとクラウドファンディングは相性が良いのか?

クラフトビールのブランドに共通する要素はコミュニティです。

一緒にブランドをつくる、盛り上げるといった活動が行いやすい特徴があります。美味しさだけではなく、応援する・支援する楽しさがあることが魅力です。

なぜ、クラウドファンディングはコミュニティ形成がしやすいのでしょうか?

コミュニティがつくりやすいかを考えると、味(フレーバー)の多様性と、地域に根ざしていることの2つの理由があります。

こちらのnoteにクラフトビールならではの魅力が上手に表現されていたので引用させていただきます。

ビール(発泡酒)は原料の幅が広く、その配合割合によっても無限にいろいろな種類のビール(発泡酒)ができる。
「地方創生」「町おこし」のツールとしてクラフトビールが使われるのは、この「自由度」があるからだろう。
たとえば、その町の名産品(フルーツなど)をビールに配合することで、その土地をアピールすることができる。オリジナリティを出せるという意味で、無限に可能性がある。そういう楽しさを感じた。

Kaoriさんのnote クラフトビール醸造家たちの物語を書きたい。より引用



大手のビールメーカーと地域のクラフトビールのメーカーの違いを整理します。

1. 商品開発の自由さ(小ロットでオリジナリティを出したクラフトビール)
2. 生産者と顧客の距離が近く、顔の見える関係性が築ける
3. 強いコミュニティをベースにみんなでユニークな仕掛けができる

有名な、ヤッホーブルーイング・よなよなエールは、クラフトビールならではの特徴を活かした仕掛けをしていますね。

つながり=コミュニティの存在が大手のビールメーカーとの差別化要素になっている

ヤッホーブルーイングの戦略全体像を整理した図はこちらです。

クラフトビールブランドの戦略全体像をつかむのに参考にしていただければと思います!

ヤッホーブルーイングのマーケティングトレース


クラフトビールがつくる地域の未来

ここまで、クラフトビールの特徴、その中でもコミュニティの可能性について考えてきました。

ここから、コミュニティと地域経済を結びつけながら「クラフトビール起点で強い地域経済をつくる」可能性を探索していきます。

地域発で魅力的な仕掛けをするクラフトビールのブランドが増えることは、強い地域経済をつくることにつながると考えています。

■クラフトビール起点の地域経済が回る要素
1. 地元の醸造所が発展することで、地域に雇用が生まれる
2. クラフトビールを通じて地域の認知が高まる
3. 地域に新しい人や資金が入る

クラフトビール起点で地域の名所をつくれる可能性について

既にユニークな取り組みははじまっています。

FUNDINNOで資金調達をしたアウグスビールは、マイクロブルワリーの開業を通じたオリジナルクラフトビール造りの支援を行っています。

プレスリリースに書かれている通り、日本にはBrewDogのような突き抜けた事例が生まれる可能性はまだまだあるのです…

過去5年で約300工場が開業し、全国で累計600を超えたクラフトビール工場。一方で、日本の各地域を見ていると、まだまだ「地元の名所」と言えるクラフトビール工場付店舗が少ないのが実態です。

アウグスビールのプレスリリースより引用

アウグスビールは、タンクを持たずにオリジナルビールがつくれるOEMの仕組みを提供しています。

FUNDINNOプロジェクトページより引用

このように、各地域でオリジナルのクラフトビールが生まれることで、観光・宿泊業に好循環を生む仕掛けをつくれる可能性は、まだまだありそうですね…!

総務省の地域経済好循環拡大推進会議(全国連絡会)のレポートをみると、地域資源を再活用した取り組みが紹介されており、アイデアを得ることができます!

廃校した体育館を活用したクラフトブルワリー事業は、とても面白いですね!

総務省のレポートより引用

まとめ

今回の未来産業レポートでは、クラフトビールのベンチャー企業がつくる未来を考えてきました。

記事の内容をまとめます。

■クラフトビール市場の可能性について
1. クラフトビール市場は国内外ともに規模は拡大予測
2. クラウドファンディング経由でファンコミュニティをつくった仕掛けが魅力
3. クラフトビール起点で地域の名所をつくれる可能性は大いにあり

■クラフトビールのベンチャー企業の可能性
1.  地域の名所として、地域経済を賑わす起点になれる可能性がある
2. クラフトビールを起点に、多様なステークホルダーとのコラボレーションをして発展できる可能性がある
3. 回復する観光需要における重要なプレイヤーになれる可能性がある 

今後も、クラフトビールのベンチャー企業の動きに注目です!

皆さんも、ご自身の地元やお住まいの地域のクラフトビールを探して関わってみてください!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!


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