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ベンチャー企業の資金調達のその後 〜 チョウシ・チアーズ株式会社の成長戦略インタビュー 〜 前編

こんにちは、FUNDINNOのまとめ編集部のハネコです!

FUNDINNOで資金調達をしたベンチャー企業の"その後"に迫る本企画。

今回は、2022年9月に資金調達をしたチョウシ・チアーズ株式会社の代表取締役  佐久間 快枝(さくま よしえ)さんにお話をうかがいました。


<佐久間 快枝様>

チョウシ・チアーズ株式会社は、千葉県銚子市を拠点とし、クラフトビールを用いた地域プロデュース事業を行う企業で、銚子の魚に合うビールや銚子をイメージしたクラフトビールは国際的なビールコンテスト、WORLD BEER AWARDS 2022でも受賞を果たしています。

2022年当時のFUNDINNOで資金調達した際の募集ページはこちらです。


資金調達のその後をインタビュー

調達後の進捗~新醸造所の開設で生産量と販路拡大を目指す~

主力商品である「銚子ビール」の事業進捗についてお聞きしました。

ーー 今年5月から缶ビールが発売されましたね! 販売状況はいかがでしょうか?

販売状況は、おかげさまで、WORLD BEER AWARDSの受賞効果もあり、順調です!
チョウシ・チアーズでは、持続可能な醸造所(サステナブルワリー)を目指し、缶充填機を整備して、これまでのボトル(瓶)ビールから缶ビール化に取り組んできました。缶にすることで、味わいをそのままに、瓶に比べて低コストで配送も可能になります。また、缶はリサイクル率も96%を超えていて、環境への配慮もされています。

●参考:コロカルニュース 国際的なコンテストで受賞のクラフトビールメーカー〈銚子ビール〉が醸造所とカフェを新設

ーー 素晴らしいですね!瓶ビールにはない、製造過程の難しさというのはあるのでしょうか?
はい。瓶は1時間あたりの充填数が約100本に対し、缶はロースペックの機械でも約500本充填できるので、生産量は格段に上げられるのですが、缶への充填は未だに試行錯誤の繰り返しです。温度が1℃違うだけで泡だらけになってしまったり、溶け込んでいる炭酸の量次第で同じ条件でもうまくいかなかったり。せっかくのビールが酸化してしまうと勿体ないので、今は酸化を防ぐため、ギリギリまで充填しているのですが、そうなると350ml缶の蓋に近いところまで充填することになり、缶を開けた際に液体の跳ね返りが起きてしまうというような課題もあります。

ーー 消費者の私たちは完成したビールを美味しくいただいているだけですが、その裏には色々なご苦労があるのですね・・・!
そうですね。例えば、醸造の工程では外気の気温がビールの糖化に影響を及ぼしたりします。そのまま廃棄では今までの努力がすべて無駄になってしまうので、それを救うにはどうしたらいいかという考え方を幾通りも持っていないといけないんです。優秀な醸造士ほどパッチ当てみたいなことができるようになってきて、それだけ手間暇がかかるからこそ「クラフト」ビールというのだなと実感しますね。

ーー クラフトビールの奥深さを感じますね!缶ビールの構想から実際の販売開始までどれくらいの期間がかかったのですか?
事業再構築補助金の採択を受けたのが2022年11月でした。すぐにでも新醸造所の立ち上げに着手したいと思っていましたが、機器やパートナー企業の選定に思いの外、時間がかかってしまいました。そうこうしているうちに、ロシアによる軍事侵攻の影響で燃料費が高騰したり、部材の入手が困難になったり・・・。最終的に、補助金の適用期間を2023年3月まで延長してもらい、新醸造所とビールカフェをオープンすることができたのは、補助金採択から約1年半後のことです。

ーー  缶ビールは、コンビニやスーパーなど量販店での販売も視野に入れているのでしょうか?
そうですね。瓶ビールのときから地域のローソンさんではお取り扱いいただいていたのですが、10月から新たに5店舗のローソンさんでも販売いただけることになりました。その他、イオン銚子さんや香取市にある農園リゾート「ザファーム」さんなど、私たちが直接お届けできるエリアで少しずつ販路を広げています。ネックは送料で、照会いただいても送料で見送りになってしまうことがあり、その点は今後の課題ですね。

FUNDINNOでの資金調達~投資家は事業を後押ししてくれるアンバサダー~

続いて、FUNDINNOでの資金調達についてお聞きしました。

ーー FUNDINNOはどのようなきっかけでお知りになったのですか?
実は、事業再構築補助金で申請した金額の2/3は国からの補助、残りは銀行からの借入の予定だったのですが、蓋を開けてみたら、醸造所の建設費用が当初見積もりの約2倍かかってしまう計算になってしまったんです。ビール事業は設備投資を行わない限り、生産量を伸ばすことはできないので、「ここで諦めるわけにはいかない!」と資金の工面方法を思いあぐねていました。いつも「ピンチはチャンス」と思うのですが、そんなとき、知人がFUNDINNOさんに転職したと連絡してくれたんです。

ーー FUNDINNOとそんなご縁があったのですね!株式投資型クラウドファンディングはご存じだったのですか?
はい、FUNDINNOさんが創業した頃から株式投資型クラウドファンディングには注目していたんです。スコットランドにブリュードッグさんという男性2人で立ち上げたビール会社があるのですが、ストックオプションを活用して、たった数年間で何百億という規模にまで成長させていったんですね。ブリュードッグさんを見ていると、投資家さんを募るというよりも、事業を後押ししてくれる仲間を増やしていくというイメージを持って、いつかブリュードッグさんみたいにやってみたいと思っていたんです。しかし、当時は日本で株式投資型クラウドファンディングが始まったばかりの頃でしたし、私も事業を始めたばかりで、やりたくてもなかなかチャンスがありませんでした。FUNDINNOさんはクラフトビールの会社さんの調達実績があったのも安心でしたし、本当にいいタイミングでお声がけをいただけたと思っています。FUNDINNOさんでの資金調達がなかったら、新醸造所とビールカフェのオープンは難しかったと思います。

●参考:ブリュードッグ社 公式ホームページ

クラウドファンディング「Equity for Punks」による株主数は20万人強(2021年現在)。2007年に300万円で創業したマイクロブルワリーが、クラウドファンディングを足がかりに発足から8年で70億円を売り上げるまでに成長した。我々はこれからもビールの世界を変えていく。

ブリュードッグ公式サイトより引用

●参考:ブリュードッグ社 公式X(twitter.com)


ーー そんなに前から注目いただいていたとはうれしいです!FUNDINNOで資金調達してよかったことは何ですか?

やっぱり全国各地の投資家さんとご縁ができたことですね!投資家さんのリストを拝見したら、北は北海道から南は沖縄まで投資家さんがいらっしゃって、本当にありがたいなと実感しました。最初は目標金額の700万円も集まるのかなと少し不安でしたが、最終的に2000万円の調達を実現できて、投資家の皆さんの後押しが本当にうれしかったですね。
私は、投資家さん=企業のアンバサダーと考えていて、そういう意味で、膝を突き合わせて一緒に語り合う時間をつくりたいと思っています。今は子供が小さいこともあり、なかなか遠出が難しいですが、若手メンバーも育ってきているので全国の投資家さんたちと直接お会いする機会を増やしていきたいですね。

いかがでしたでしょうか?次回は、チョウシ・チアーズ社の今後の事業展開や佐久間社長の事業にかける思いについてご紹介します!

チョウシ・チアーズ株式会社の成長戦略や直近の仕掛けは、@Pressや公式サイトをチェックしてみてください!


佐久間様、貴重なお話をありがとうございました!

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では、また次回にお会いしましょう♪

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