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20分の面談で協業決定。マッチングからわずか2ヶ月のスピード協業に成功した京都市さん・iHistoryさんにお話を伺いました。

Eight(Sansan株式会社)が主催する投資・事業連携に特化した個別面談専門イベント「Startup JAPAN FUNDeal 2024 - 秋 -」が今年の11月20日(水)・21日(木)に開催されます。
本noteでは、今年の5月にも開催されたFUNDeal 2024でのマッチングから僅か2か月という驚異的なスピードで協業をスタートした京都市さん・iHistoryさんの両社にお話を伺いました。
ご協力:
京都市 総合企画局 東京事務所 西村 和晃さん
株式会社iHistory CEO: 中野 一誠さん

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京都市×企業の公民連携を強化

ーー京都市 西村さんがご参加された経緯について教えてください。

西村さん:私が京都市の中で「シティセールス部 企業連携担当」という担当をしていまして、京都市とスタートアップの協業事例を創出するべく日々活動しています。
その活動の一環で、協業事例を作るための仕組みとして「KYOTO CITY OPEN LABO」という公民連携のプラットフォームを持っています。

市の各部署から行政課題を挙げてもらい、それぞれに対して企業から提案いただくシステムになっています。市内だけでは企業数にも限りがあるので、東京でスタートアップと積極的に繋がりを持つことをミッションに取り組んでいます
こうした背景でFUNDealに参加し、iHistory Inc. 中野さんと面談させていただきました。

ーー具体的にどんな行政課題があるのでしょうか。

西村さん:観光関係や人口減少問題など様々な課題がありますが、iHistoryさんとの協業事例となったのは、京都市サポーターショップの情報発信についてです。東京事務所では、首都圏にある京都ゆかりの店舗(京都食材を使用した飲食店、伝統工芸品の小売店など)を京都市サポーターショップとして認定し、店舗内での京都情報の発信にご協力いただいています。これまでは、認定店舗の一覧をスポット情報をシェアするアプリ上に掲載してきましたが、急遽そのサービスが終了する事態となり、代替のサービスを模索していたところでした。
そんなタイミングで中野さんと面談したところ、iHistoryさんの新たなサービス「PointMap+」がまさにピッタリで、その場で「やりましょう!」と即決でした。(笑)
中野さん:僕からすればとてもタイミング良く、非常に有難かったです。
(これを機に実際に作成した京都市サポーターマップがこちらです!)

京都市が求めていたサービス「PointMap+」とは。

ーー改めてですが、iHistoryさんの「PointMap+」について教えてください。

中野さん:ひとことで言えば「デザイン性の高いオンラインマップを簡単に作成できるサービス」で、今回のように自治体さんや企業のマップを代行して作成することもあれば、個人が自由にマップを作ってシェアすることもできます。最近だと、個人のユーザーの方が自作した「Netflixのドラマのロケ地巡りマップ」がSNSで話題になっていたりします。(笑)

ーー西村さんから見て、「PointMap+」の魅力はありますか?

西村さん:先ほどお伝えした従前のサービスはダウンロードが必要なアプリだったのですが、「PointMap+」はブラウザで動くので、気軽に利用してもらえるようになったことが魅力ですね。そして、こちらが意識しなくてもおしゃれなデザインになってくれるのが良いですね。

会場ではデモ画面を用いてプレゼン

ーー事前の面談リクエストはどちらから送られましたか?

西村さん:iHistoryさんから面談のオファーをいただきました。

ーーFUNDeal開催時点ではまだサービスをリリースしていなかったとお聞きしました。

中野さん:確かにそうなんですが、数週間後にリリースを控えている状態だったので会場ではデモ画面をお見せ出来ました。サービスとしての事業連携のイメージは持ちつつ、興味をもって頂けそうな企業にアタックして、面談を実現できたのが、そのうちの1つの京都市さんでした。

ーー20分という短い時間でどんな話をしましたか?

中野さん:初めに互いに自己紹介をしました。その段階で西村さんがアグレッシブでフットワークが軽くて良い方だとすぐ分かりました。理解が早く要点だけまとめてお伝えして、すぐに具体的な相談をすることができました。でも20分だと全ては伝えきれず、最後は出入口まで歩きながらディスカッションしました!(笑)
僕にとっては、20分という面談時間は短かったですね。正直すぎてすみません…(笑)

わずか2か月で協業がスタート

ーーFUNDealの後はすぐに打ち合わせをされたんですか?

中野さん:はい、すぐ次の打ち合わせをセットして進めました。プレスリリースを打ったのが2024年7月18日です。

ーー前回のFUNDealが2024年5月15日・16日だったので本当にすぐですね。 この2か月の間で大変だったことはありますか?

中野さん:弊社側はスタートアップ企業なので全速力で取り組むのが当然だと思っていますが、西村さんがこちらの動きに合わせて、どんな些細な電話でもすぐに対応してくださって。京都市さんの迅速な立ち回りのお陰です。(笑)
西村さん:いえいえ、私は何もしていないです。(笑)
中野さん:さらにこれをきっかけに、KYOTO CITY OPEN LABOを通じて、京都市の他の事業にも展開いただきました。

オンラインマップサービスでピンを指していく作業って実はかなり面倒なんです。PointMap+を使用することによって、オンラインマップを作ることがゴールではなく、作った後に集客を増やしたり、これを活かすことに、時間やご予算を使っていただきたい。と考えています。自治体さまや企業さまのオンラインマップ作成を代行するサービスも始めているので、お気軽にご相談ください。

京都市として見据えるビジョン

ーー先ほどのお話のように、あらゆる領域でiHistoryさんと京都市さんで連携を強めていると聞いて嬉しい限りです。

西村さん:こちらこそありがとうございます。地方自治体が進める公民連携のゴールの一つとして、「企業誘致」という大切な視点があります。とはいえ、企業誘致と言っても「いきなり京都市に来てください」とお願いしてきてくれる企業は殆どいません。

まずは自治体と接点を持ってもらうことが重要で、例えば、こうしたスタートアップ連携の文脈で京都市を実証実験のフィールドとして活用してもらう。そして、スタートアップがスケールアップし、関西圏への進出を検討する際には、こうした接点をきっかけに両者が納得する形で、京都市を拠点に選んでもらう。これが我々の思い描く美しいストーリーだと思っています。実際、中野さんには、「お試し立地支援制度」という京都市内のコワーキングスペース等を利用する場合に費用を補助する制度を活用いただいていますし、iHistoryさんとは公民連携のロールモデルとしてこれからもお付き合いしていければと考えています。

参加目的が明確な参加者と事前マッチングこそがFUNDealの強み。

ーー西村さんから見て、他のイベントとの違いはありましたか?
西村さん:他のカンファレンスはブースを周回して立ち話することはあっても、「面談」という明確なものはあまりなかったと思います。ですので「事前に誰と何時に面談する」と決まっているのが一番の魅力だと思います。
中野さんは20分じゃ短いって言っていましたが、私は逆に20分ぐらいで「もっと話したいことあるのに!」っていうタイミングが丁度よかったです(笑)これがかえって次に繋がったというのもあるんじゃないかなと思いました。
あとはパスが有料ということもあり、誰でも参加できるわけではないので、スタートアップのCEOをはじめ、しっかりと裁量権を持っている方と面談できるのは良い点だと思います。

ーー中野さんはいかがでしたか?

中野さん:面談会場はカオスで楽しいなと思いました(笑)

ーーカオスですか!?(笑)

中野さん:あれほど見渡す限り、重要で熱量のある会話・やり取りが飛び交う光景は壮大で、良い意味でカオスです。(笑)あとやっぱり僕は20分じゃなくて30分派なんですけどね!(笑)

ーー最後に率直なご意見をお聞きしたいです。 スタートアップ起業家の中野さんからして、FUNDealパスの価格についてどう感じましたか?

中野さん:正直に言えば「チャレンジだな」と身構える金額です。面談ができるとはいっても実情を知らなければシードスタートアップとしては特に慎重になります。
大型イベントがあって、その日の事業を一旦ストップして費用も支払い、せっかく参加しても、あまり収穫がないことは、どうしてもあるあるだと思うんです。今となっては、FUNDealは、結果的にいろんな方との協業のお取り組みが実現しているので、支払った費用としての妥当なイメージは湧きます。

ーー協業の具体的なエピソードから忌憚なきご意見まで頂きありがとうございました!

さらに、中野さんがFUNDealで実現した協業事例の中からもう一つインタビューが後日公開される予定です。


スタートアップ企業の皆さまだけでなく、自治体の皆さまも、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
FUNDeal会場で皆さまにお会いできるのを楽しみにしています。
2024年11月20日(水)・21日(木)東京ビッグサイト開催!公式サイトはこちら
https://eight-event.8card.net/climbers/startup-japan/fundeal/?code=fd_sns_note
インタビュアー:Sansan株式会社 本藤美波、株式会社StartPass 小室直也

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