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040 あこがれの姿勢

またまた暑くなりました。
秋と夏が変わりばんこにその日を支配しているようです。
太陽の光が容赦なく降りそそぐお昼の駅。
電車を待っていると、汗が勝手にあふれ出てハンカチが出ばなせません。

しばらくぼんやりと暑さを感じていると、電車がやってきました。
しかし、私の目的地には行かない電車だったので、またぼんやりしました。
電車が駅を通るとき、ぴかぴかの窓ガラスが私を映します。
それを見るともなく見ていると、すこし離れた隣に女性が立っている姿も見えました。

五〜六十代の方でしょうか。
短めの髪をふんわりとさせて、ブルーのブラウスにベージュのパンツを合わせています。
背すじがぴんと伸びていて、この暑さの中でも涼やかに見えます。
その女性のしゃんとした姿に、思わずはっとしました。

窓ガラスに映った私はいかにも暑そうでだらけて見えます。
私ははずかしくなってしまい、姿勢を正しました。

乗りたい電車に乗ると、その女性も乗りました。
女性は、空いている席に座って、小さな鞄から文庫本を出して読んでいました。
その時もきちんと背すじが伸びています。
決して肩ひじはった感じ、がんばって背すじを伸ばしている感じではなくて、自然な姿勢の良さ。やはり涼やかで、見ているこちらも気持ちよくなりました。

せっかく理想の姿勢の方を見つけたので、まねをしてみました。
しかしこれがなかなかむずかしいのです。
姿勢を正すことはできるのですが、どうしても一生懸命さが出るというか、自然な背すじができないのです。

うーん、と思いながらも、とりあえず一週間お腹に力を入れて肩をはり、背すじを意識して過ごしてみました。

すると、歩いている時に見えるお店のショーウィンドウに映る自分の姿やちょっとした鏡を見たとき、背すじがすっきりとしていることが増えました。まだまだ意識して伸ばしています感はありますが、少しずつちょうど良いはりかたがわかってきました。わずかにあの女性に近づけたような気がしてうれしくなりました。

また、心なしか歩くスピードもあがった気がします。
(私は歩くのが壊滅的に遅いのです)
暑くても、歩くのが楽しみになってきました。

こういう日を重ねれば、あの女性のように自然できれいな姿勢になれるかしら。
そんな風に思いながら仕事をしていると、先輩に
「どしたの?にこにこして。ほらっ背中がまるまっているよ」
と言われました。

なんということでしょう。
座っている時の姿勢はまったく気にしていませんでした。
考えたら、背中がまるまりやすいのは、立っている時よりも座ってパソコンに向かっているときです。

まだまだ修行が足りませんね。
周囲が見ていて気持ちの良い姿勢ができるよう、背すじを意識して暮らしていきたいと思います。


今回も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

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おまけ

きれいなお洋服を着るときも、まる背中よりしゃきっとした姿の方が似合うが気がします。

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