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「卒論・修論の序論で、何を書いたらいいか?」ということについて考えてみましょう

Ⅰ 卒論・修論の「主題」について

論文のイントロダクションは、読者に対して研究の対象と目的を明確に伝え、論文全体のコンテキストを提供する重要なセクションです。以下に、イントロダクションで取り組むべきポイントについて詳しく説明します。

  1. 主題の紹介(What):

    • 背景情報の提供: 研究の主題に関する背景情報を提供し、なぜその主題が重要であるのかを読者に説明します。これは研究の文脈を設定し、読者に対して研究の重要性を理解させる役割があります。

    • 過去の研究の概要: 関連する過去の研究や文献に触れ、これまでの研究で解決されていない課題や未解決の問題に焦点を当てます。これにより、研究の新規性が強調されます。

  2. 研究の目的(Why):

    • 問題の明確な定義: 研究で取り組む問題や課題を具体的に示し、それがなぜ解決すべき重要な問題であるのかを明確に説明します。

    • 研究の目的の明示: 研究が解決しようとしている問題や目的をはっきりと述べます。これは、読者に対して研究が何を達成しようとしているのかを理解させる重要なステップです。

  3. 研究の対象(Scope):

    • 研究の範囲の明確化: 研究が対象とする領域や範囲を限定し、どのような側面に焦点を当てるのかを示します。これにより、研究の適切なコントロールと範囲が確立されます。

  4. 研究の意義(Significance):

    • 研究の社会的・学術的な意義: 研究の結果が社会や学術界に与える影響や貢献について述べます。なぜこの研究が行われるべきであり、その結果がどれほど価値があるのかを強調します。

これらの要素を組み合わせて、研究の背景、目的、対象、および意義を明確に伝えることで、読者は研究の全体像を理解しやすくなります。イントロダクションは研究の導入部分であるだけでなく、読者の関心を引きつける役割も果たすため、明快で魅力的な表現を心掛けると良いでしょう。

論文のイントロダクションを書く際に、「そもそもその主題がどのような方向に進むのが理想的なのか?」ということと「どうしてそれが理想的なのか?」ということを述べなければなりません。この件について詳しく説明してください。

Ⅱ 卒論・修論における「主題の方向性」につぃて

論文のイントロダクションでは、研究の主題がどのような方向に進むべきかについて、理想的な状況や期待される展望を示すことが求められます。以下に、これに関連するポイントについて詳しく説明します。

  1. 理想的な方向性の提示(Ideal Direction):

    • 将来の展望: 研究の主題において、将来どのような進展が期待されるかに言及します。これは研究が単なる特定の問題解決だけでなく、より広範で重要な課題に対処する一環として位置づけることを意味します。

    • 新しいアプローチや方法の可能性: 研究が新しいアプローチや方法を導入する場合、その方法がどのように将来の研究や実践に影響を与えるかを示します。

  2. 理想的な状況の説明(Why it is Ideal):

    • 社会的・学術的な貢献: 理想的な方向に進むことが、社会や学術界にどのような貢献をもたらすかを強調します。これにより、研究の価値や重要性を明確にします。

    • 未解決の問題への取り組み: 主題が未解決の問題に対処する場合、その問題がなぜ未解決であり、それに対処することがなぜ重要かを説明します。

  3. 先行研究との対比(Comparisons with Previous Research):

    • 従来のアプローチとの比較: 現行の研究が従来のアプローチと比べてどのように進歩しているかを示します。これにより、読者に新しい方向に進む理由を理解させます。

    • 従来の研究の制約や不足点の指摘: 従来の研究が抱えていた制約や不足点を指摘し、これらに対処するための新しい方向性がなぜ重要かを説明します。

  4. 将来の研究の指針(Future Research Directions):

    • 研究の拡張可能性: 研究の結果を基に、将来の研究がどのような方向に進むべきかを示します。これは、研究が単発的なものではなく、将来的な展開を見越したものであることを示す重要な要素です。

これらの要素を組み合わせて、研究の主題が理想的な方向に進むべき理由や期待される成果を明確に伝えることで、読者に研究の将来的な展望について納得させることができます。

Ⅲ 卒論・修論を書く時点での「現状」について

論文のイントロダクションにおいて、現時点での研究の成果とその不十分さについて説明することは、研究の文脈を設定し、読者に研究の動機を理解させるために重要です。以下に、これに関連するポイントについて詳しく説明します。

  1. 現状の研究成果の概要(Current State of Research):

    • 過去の研究への言及: 既存の文献や過去の研究成果に触れ、その中でどれだけ進展があったかを示します。これにより、研究が既知の情報や先行研究に基づいていることが明らかになります。

    • 現状の知見の要約: 現在の状況での研究成果や知見を簡潔に要約し、特に問題や未解決の点に焦点を当てます。

  2. 不十分な状況の認識(Recognition of Insufficiency):

    • 未解決の問題の指摘: 現在の研究成果が未解決の問題に対処するには不十分であることを指摘します。これにより、読者に対して研究がなぜ必要であるかを示します。

    • 知識の欠如や不確実性の強調: 既存の研究成果が特定の知識の欠如や不確実性にどのように対処していないかを明示し、それが研究の不足を引き起こしていることを示します。

  3. 課題や問題点の明示(Identification of Challenges):

    • 研究の制約の指摘: 現在の研究成果が抱えている制約や限界を明確に述べます。これにより、読者に対してなぜ新しいアプローチや研究が必要であるかを認識させます。

    • 先行研究の不足の強調: 既存の研究が特定の視点やアプローチを欠いていることを強調し、それに対処する必要性を示します。

  4. 研究の意義の強調(Emphasis on Significance):

    • 研究の不足がもたらす影響: 現在の状況が研究の不足によってもたらす可能性のある影響や問題を強調します。これは、研究がなぜ重要であるかを読者に示す助けになります。

これらのポイントを組み合わせて、現時点での研究成果の状況がどのような不足や課題を抱えているかを明確に伝えることで、読者に研究の新規性と重要性を理解させることができます。

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