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「日日是好日」感想文

ご縁があって茶事に参加したことがある。

着慣れないお着物や長時間の正座に四苦八苦しながら、お世話になっている窯元の五代目の方が点ててくださったお茶をいただいた。作法はよく分からなかったけど、静かな空間で川の流れのように美しい所作に見惚れた。見よう見まねでいただいたお茶は不思議と心が落ち着いて行くような美味しさだった。穏やかな秋の日だった。

「日日是好日」は茶道を題材にした邦画で、いつか観たいと思っていたものだった。ようやく最近観ることができた。

12年に一度しか使われない干支が描かれたお椀、やっぱりよくわからない作法の数々、掛け軸や飾るお花に込められた意味。お茶の世界に少しだけ入り込むことができて、それらがとても魅力的に映った。

「頭で考えるんじゃないの。理屈じゃなく、体が勝手に動くようになるのよ」と話す樹木希林大先生、それはもう大変な説得力で恐れ入った。今の私に必要なもののように感じた。

晴れの日にはその気持ち良い空気を、雨の日には雨音のはねる音を、雪の日にはその静けさを、からだ全体を研ぎ澄ませて感じる。移ろいゆく季節に身を委ね、その美しさをただ味わう。

毎日が良い日って、そういうことか。


映画を観終わって、お茶を習っているパートナーに作法を習いはじめた。ミーハーな自分に少し嫌気がさしたけど、きっと私、お茶に惹かれている。鉄は熱いうちに打てば良いということにする。


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