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おいしい_2024年2月11日/晴れ

今朝の新聞で、たいていのものを食べるニンゲンという生きものに対して、味を感じる「味覚遺伝子」を人間より多く持ついきものが、
じつはたくさんいる、ということを知った。

うま味、甘味、苦味、酸味、塩味の5つの味には、それぞれにセンサーがあって、それは遺伝子の組み合わせからつくられる。
最近の研究で、「うま味」と「甘味」のセンサーをつくる遺伝子が新しく8種類発見され、合計で11種類が存在するとわかった。
簡単にいうとこういうことだ。
「うま味」と「甘味」は「おいしい」の味である。

ニンゲンより多く「おいしいセンサー」の遺伝子を持っているのは、トカゲとかウーパールーパーとか古代魚のポリプテルスとかなんだって。
それに、にんげんは持ってない遺伝子も存在する。

整理すると、「おいしいセンサー」遺伝子をニンゲンは3種類のしか持ってないけど、トカゲは5種類、ウーパールーパーは7種類、ポリプテルスは6種類も持ってる。共通の祖先はもっと多かったけど、進化のなかで減ったみたいだ。

遺伝子が多いということは組み合わせも増えるから、いきものによって「おいしいセンサー」の機能もちがってくる。

ポリプテルスで見つかった新しい「おいしいセンサー」は、ニンゲンが「苦い」と感じるアミノ酸のバリンを感知するんだって。

つまり、ニンゲンよりも「おいしい」世界が広いのだ。
なんて幸せなんだろう。

ほかにも、「おいしいセンサー」の機能が変わることとか、嗅覚遺伝子のこととかも書いてあって、とてもおもしろくわたしは読んだ。

こういう、どうぶつの「生き方」を新しく発見したとき、
「ニンゲンより劣っているものの意外な一面」のような語り口でかかわるのは、わたしは好きではないなぁ。

それよりも、この「おいしいセンサー」が足りない体で、なにをしに生まれてきたかなぁとため息をついてしまう。ほんとうはため息をついてないけど、そんな気分だ。

ニンゲンは「脳」の思考力が高いから
いきもの「最上位」といわれ、それはニンゲン間で暗黙に了解されている。
でも、「脳」も「体」の一部だし、
同じことをぐるぐる繰り返したりとりちがえたりする脳の働きってやつを、それがいちばんだと思ってはいけないよ。

これは「おいしい」の話だけでなく。
「脳」を持ついきものは、口や鼻や耳や皮膚やらの器官で拾った「情報」を「脳」で咀嚼する。
いきものによって器官の機能はちがうけど、それは拾ってる「情報」がちがうということだ。
素材がちがうのだから、生きる「世界」がちがうのは、あたりまえなんだよね。

だから、おもしろいと思わない?

人は社会生活を営むとき、
その人の経験や文化や環境なりにちがう世界で生きるほかの人と交わることになる。
ニンゲン以外のいきものも、それなりの世界を持って生きてるんだ。
このことを認めてみようよ。
犬が散歩の途中で立ち止まるてき、ちょっと怒るのをやめてみようよ。

君もがばってるんだなと思えたら、
脳を持たない細菌だって、目や耳のない木にだって
なにか感じられるんじかないかな。

いきもののこととなると、つい熱くなってしまった。
お腹がすいたから、3 種類の「おいしいセンサー」をもつ体でこれからご飯を食べます。


よんでくださった方、ありがとうございます! スキをくださった方、その勇気に拍手します! できごとがわたしの生活に入ってきてどうなったか、 そういう読みものをつくります! すこしでも「じぶんと同じだな」と 思ってくださる人がいるといいなと思っています。