フミノラムプ - Fumino Lampu

遠い昔のある朝、夢を見た。 ずっと前に亡くなったおばあちゃんが出てきて、 小説を書いた…

フミノラムプ - Fumino Lampu

遠い昔のある朝、夢を見た。 ずっと前に亡くなったおばあちゃんが出てきて、 小説を書いたと云い、原稿を見せてくれた。 夢の中で、原稿用紙をじっと見た。 その、名前の欄に書いてあったのが「ふみのらんぷ」。 おばあちゃんのペンネーム。 FL=pen name of my granny.

マガジン

  • 春の旅2024

    あてどない旅に出ました 見えなくなった何かが そこに待っているかもしれないから

  • お米の国のサッチン

    亜米利加に住むサッチンの、どってことない日常。

  • フミサンのこと

    フミサンは私のおばあちゃん。そして、きっとみんなのおばあちゃん。好奇心旺盛で働き者、明治生まれで着物をざっくりと来た痩せて小さなそのシルエットは今になっても消えるどころか、ますます鮮やかさを増してゆく。

  • 落書美術館 A Scribbling Museum

    ノートの端っこの落書きたち、など。 宇宙人の気晴らし 毎週末更新 Collection of scribblings from notebooks, etc. A small escape from harsh reality. New artwork added on every weekend.

最近の記事

かげふみ

温泉のある駅につくと、宿までは一本道らしかった。 大きな狐の像がある駅を背にして、ガラガラと荷物を引きながらまっすぐ歩いていく。 日差しが強い。今度の旅で、日差しの温度を感じたのはこれだ初めてだった。 荷物を引っ張っているので、ゆっくり歩く。 目の前を学校帰りの小学生が遊びながら、歩いている。 女の子二人は、なんと呼ぶのだろう、少しくびれた今どきのスケートボードのようなものを持っている。 それを頭の上に掲げたり、前に差し出したり そうして、何やら進む方向とは直角を向いて「カニ

    • 地下鉄という魔界

      昨日は久しぶりに地下鉄に乗り、映画を見に出かけた。 エドワード・ヤンの『恐怖分子』。 ダイヤル電話のトーン音ってあんなに素敵な周波数だったんだよねー という映画の本筋からは逸れた感想はともあれ。 人間が地下に電車を走らせるなんて、やっぱり無謀だったんじゃないかな。 地下鉄に乗って目的地に行くっていうだけのことで、いちいち、 世界について 文明について! 人類について!! ヒューマニティーについて!!! これでもかって思いをかき乱されるのには正直疲れる。 地下鉄と呼ばれる動く

      • ヒューマンの剥き出し

        昨日は婦人科の定期検診に行った。 毎年のことだからもう驚かない はずだったが あー、そうだった、こうだった、 と毎回それなりに小さく驚く。 日本とは違って、剥き出しの部屋で 文字通りすっぽんぽんになり 紙でできた折り紙みたいなぺったんこの前開きの青ガウンを着て 前にでっかいキッチンペーパーみたいなのを巻いて待っていろとナースに指示される。 ナースが出ていった後、 日本の繊細な婦人科の診察構造との違いを思い出しながら ニヤニヤしてしまうが、 今更こんなことでひるむサッチンでは

        • フミサン:スーパーミラクル健康ドリンク

          ヤクルト1000というのが大流行だという。という話を聞いて、そういえばうちも昔ヤクルトを取っていたなあと思い出す。牛乳も取っていた。牛乳メーカーの名前が記された木箱が玄関にあって、そこに毎朝牛乳瓶が入っている。その上だか横だかにヤクルトは乗っかっていたのだと思う。玄関の鍵を日中は閉めてなかったような時代、というか、地方、だったので牛乳瓶が丸腰で置かれて行っても何の不思議もないけれど、平和な時代だった。それを盗む人もいないし、変なものを混入しようなんて余計なことを考える人もいな

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        記事

          フミサン: 電気屋さんのこと

          「家電量販店」という言葉を聞くたび、おいしいチャーハンのある中華料理店を一瞬想像する。それから「飯店」でないことに気付いて、そうか「量販」か、とやや灰色な心になる。それから、そのカクカクとして無機質に並んだ漢字五文字の上に「で ん き や さん」とルビを振ってみる。家電量販店Yの店員さんに質問する時も私は「電気屋のお兄ちゃん」に質問しているのであり、「店員A」に話しかけているのではない。家電品は電気屋さんで買う。電気屋さんって、なんて素敵な言葉なんだろう。 フミさんは家電品

          フミサン: 電気屋さんのこと

          フミサン: 異界への入り口② お狐さまのこと

          宗旨も宗派もあまり関係なくて、お社があると参拝したくなります、というのは概ね本当だけれど、実は少しだけ正確じゃない。お狐さま、つまり、お稲荷さまは特別で、道を歩いていてこちらに出くわすと、どんなに急いでいる時でもご挨拶せずにはいられない。これは遡るとフミさんがお稲荷さまに特別な思い入れがあったからで、更に遡ると家に残る不思議な「言い伝え」にたどり着く。遠野物語の一章か、松谷みよ子も思わずメモを走らせそうな、この奇異な物語をまずはとくとお聞きあれ。 さて、フミさんから何度もこ

          フミサン: 異界への入り口② お狐さまのこと

          フミサン:異界への入り口①

          友人数人で京都の神社を参拝したことがある。いつまでも神前で長々とお祈りしている私は「どんだけ欲深なの!」と笑われた。神社やお寺の前を通り過ぎると必ずお参りしたくなるし、「神様」や「仏様」にちょこっと会釈では物足りない気がして、ついつい長くなる。宗教とはそれほど関係がない。増してや宗派もそれほど関係がない。アントワープの大聖堂にも長居をしたし、メトロポリタン美術館にいらっしゃる(連れてこられた)アジアの仏像やエジプトの神像などにもご挨拶したい気持ちになるし、山の辺で行き合うポツ

          フミサン:異界への入り口①

          フミサン:匂いと光のマップ

          玄関を入ると、正面に洋間があり、玄関の上りがまちのすぐ右手に汲み取り式のお便所がある。その隣には玄関と奥の部屋を分け隔てるドアノブつきの木製の「戸」があって、その横には斜め上に登っていく二階への階段がある。レイアウトを思い出そうとすると、どうやってもキュビズムの絵のような不可解さにたどり着く。謎と言われているサザエさんの家の間取りの方が簡単に頭に浮かぶくらいで、高校生まで住んでいた懐かしい「我が家」の見取り図は切れ切れで、どうやっても平面には収まらない。 初めから、不思議な

          フミサン:匂いと光のマップ

          フミサン:雪上のシルエット

          雪は白い。本当にそうかな。私の記憶の中の雪は、青い。一晩でいっぱい降った翌朝の雪は灰色を帯びた青い縁取りがある。それは窓の近くまで迫っていて影ができているからだったり、止んでもまだ曇ったままの重い空の色を映していたからかも知れない。時々、雪は白を通り越して光だったりもした。いっぱい降った翌朝に晴れると、目を開けていられないくらい眩しい光になる。その白さを通り越した「超白」は目から入るというよりも全身から入ってくるので、一瞬で胸がいっぱいになる。すると自然と人は目を細めるので、

          フミサン:雪上のシルエット

          フミサン:履物のこと

          二週間前に設定したパスワードが思い出せないのだから、記憶力に自信があるなんて到底言えない。それでも、生まれてすぐから高校生までを過ごした家での出来事は、部分的に、でもある部分はとても色濃く覚えているようだ。パズルのピースはところどころかなり消失してしまっていて、全体像を復元することは永遠にできそうもないけれど、残っているピースには色や形といった目が覚えているものの他に、匂いや手触り、更には感情の結晶が詰まっていて、それを心の中のポケットに入れてときどき撫で回していると、あの時

          フミサン:履物のこと

          ロックダウン(都市封鎖)では何が起きるか:ニューヨークからのレポート その2 「Social Distancing と3密の謎」-2020年4月6日

          先日投稿した記事が今風に言うと「ワタシ史上最高にバズり」ました。かといって日頃何かと地味な活動をしていますので、何千何万というわけではありません。それでも100人強くらいの、友人、その友人、そのまた友人くらいにはNY市の今現在の雰囲気が伝わったようで喜んでいます。 私の素性も知らないのに記事に共感してスキやいいねボタンを押してくださったり、シェアしてくださったり、はたまたフォローしてくださった方、ありがとうございます。何者かをちょっとだけ書きますと、現在NYのブルックリン在

          ロックダウン(都市封鎖)では何が起きるか:ニューヨークからのレポート その2 「Social Distancing と3密の謎」-2020年4月6日

          ロックダウン(都市封鎖)の街での暮らし:ニューヨークからの体験レポート - 2020年4月3日

          東京もロックダウン間近と噂される中、不安な日々を送っていらっしゃる方も多いと思います。私は現在、ニューヨークのブルックリンで暮らしています。ニューヨーク市のロックダウンで一体私の生活にどんな変化が起きたのか、一市民の視点から書いてみます。当方、結構ボーっとしてますし、苦手分野の政治的、経済的な視点はかなり欠如して片手落ちでもあります。国や地域によってロックダウンの内容は異なるでしょうから、全く同じことが日本でも起こるとは限りません。ただし想像力の幅を広げておくことは、多分何か

          ロックダウン(都市封鎖)の街での暮らし:ニューヨークからの体験レポート - 2020年4月3日

          きくみみ A Listening Ear

          せかいを よーく きく みみ A ear listening very well to the world

          きくみみ A Listening Ear

          物好きなロボット Curious Robot

          枠の外が気になる。 出てみたい。  I'm too curious about the outside of the frame. I feel like stepping outside.

          物好きなロボット Curious Robot

          母と子 A mother and a child

          * タイトルをクリックすると落書きが見れます(you can see the entire scribbling clicking the title)

          母と子 A mother and a child

          星とロボット Stars and a robot

          * タイトルをクリックすると落書きが見れます(you can see the entire scribbling clicking the title) ロボットも星を見るのです。 そして、その時この奥底に仄かに浮かんで来るのは 感情というものではないかと思うのです。 In fact, robot also watches stars. This vague thing appearing on the very bottom of here, I think,

          星とロボット Stars and a robot