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発達障害児の「社会性」を脳科学の観点から育てる。〜普通学級に入れるために〜

このnoteでは、ASD・ADHDの息子のIQ71→IQ92まで押し上げて、普通学級に入れた子育てについてお話をしています。
この記事を通して、
「普通学級に入れたい!」と思う発達障害児を持つお子さんの親御さんたちを応援したいと思っています。

前回は、普通学級に入れるためには、「社会性」を身につけておく必要がある、というお話をしました。

レゴだとか、パズルだとか、ブロックだとかあるいはひらがな、カタカナ、アルファベットなんてわからなくてもいい。

運動音痴でもいいし、動きがとろかったとしても問題ない。

とにかく、小学校一年生になる時までに「ある程度の社会性」さえ身につけておけば、普通学級には入れてもらえるのです。

普通学級に息子を入れて1年以上になりますが、正直、苦労もするけれど普通学級にはメリットがいっぱいです。1クラス34人もいて、先生の手厚さと言う面では特別支援学級に劣りますが、その分色々な子供がいて、沢山の子供たちの影響を受けることができる。周りの子供たちのレベルに引っ張り上げられる。また、34人もいると、「この子と気が合わないなら、この子と仲良くしよう」という別の逃げ場も作れるのです。普通学級に入ったおかげで、息子は目ざましい成長を遂げています。

また、この先も私立への編入や留学、特殊なオルタナティブスクールへの編入など色々と選択肢について考えてはいますが、現在普通学級にいることで、特別支援学級や特別支援学校にいるのに比べて選択肢の幅が広く取れるのも大きなメリットです。

結果として私は、「何としても普通学級に入れる」という目標を早いうちに持ったことが正解だったと思っています。

今日は、では「普通学級に入れる程度の社会性」ってどうやったら身につくのか?という事についてお話ししていきたいと思います。



そもそも、どうやって普通学級か特別支援学級か(あるいは特別支援学校か)について、振り分けられるのか?


 これは、経験者にしか実際の所はわからないと思うのですが、
私が住む自治体では、年長の11月あたりから「就学相談」というのがあり、
・教育委員会の審査と判断
・心理発達専門家の審査の判断
の2つを受けることになります。

そして、その2つの判断から、
「こんな判断が出てますが、親御さんのご判断は?」となります。

つまり、年長の11月までには何とか、「ある程度の社会性」を身につけないと普通学級には入れない、という事になります。


普通学級に入れるための「社会性」って何だ

私は、シングルで小学校二年生の息子を育てるキャリアウーマンです。そのせいか、あまりホワワワン、とした話が好きではありません。つまり、情緒的で結論のない話が苦手です。「声かけ」をすれば発達障害児の困り感がなくなる、とかボワッとした抽象的な話って、どうも性に合わないのです。

それよりも根本から、息子の問題を取り除いていきたい。そのために日々できる限りのことをしているわけなのですが、今回は「普通学級に入るためにどうするか」を語るにあたって、「普通学級に入るための社会性」って何よ?ということ。つまり、「普通学級に入れる程度の社会性」の定義から考えていきたいと思います。

自治体が「本人の幸せのため」とか言っても、なんだかんだいって、要は「先生たちが困るような子は普通学級に入れたくない」が本音だと私は思っています。

ウィスクや田中ビネーの詳しい内容はここでは置いておくとして、
ざっくりと見られる内容としては、対象の子供の
・知的レベル 

・社会性レベル

両方あるわけなのですが、どっちが著しく低くてもダメ。特に残念なのは、知的レベルはまあまあなのに、多動だとか癇癪だとか他害とかで、普通学級に入れないケースです。

私は実際に自治体の「就学相談」を受けてみて、特に教育委員会の判断が「人に迷惑をかける子かどうか」で見ているな、と思いました。

これには様々、私も思う所があり、いや、そんな少々動き回ったりするのはいいんじゃないの?とか、癇癪ぐらい、私だって起こしたい時あるし小1の段階では大目に見てあげなよ…とか思うのですが、ここは日本。
「人様に迷惑をかけるのは良くないこと」みたいな価値観が先行しているように思えます。

うちはそもそも癇癪はなかったのですが、5歳前(年中)くらいまでは多動がありました。なので、その時に就学相談を受けていたら、確実に特別支援学級に振り分けられていたと思います。

そして、なんか癇癪がなくて、多動がなくなると、凄まじい自閉さえなければそれなりに「普通の子」に見えてくるんですよ。うちの子がそうでした。

うちは、私から見ると明らかに発達障害の症状を引きずっていて他の子に比べて大変な面はあるのですが、不注意があっても多動と癇癪、他害などがないと結構普通に見える。そうすると、初対面の人には「え、この子のどこがおかしいの?」となるレベルにはなってきます。

そうすると、最初の話に戻って「普通学級に入れるくらいの社会性」っていうのは、
①人に迷惑をかけずに授業が受けられそうな子であること
②何となく、普通に見えること(多動・癇癪・他害がないこと)
③少々引っ込み思案でも、見るからに自閉が強くないこと

知能のレベルはさておき、情緒面ではここら辺が揃ってくると普通学級に入れるのね、と周りを見ていて思うのです。


では、「多動」を取り除くためにはどうしたらいいか?

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