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風雲急を告げるセコイア・キャピタルの資料(その1、序章)

はじめに

WAmazingにとって2年以上の長い試練のときを耐え、ようやくインバウンド需要回復の兆しが見えてきた!と喜んだ途端、スタートアップを取り巻く環境が非常に厳しいものになりそうだ、という情報があちこち(主にアメリカ)から入ってきている。

まったく、次から次へと…。(ため息)
でも、こういうものなのだ、スタートアップ経営というのは…。そもそもスタートアップ経営にHardThingsが無くなる時というのは、ちょっとやそっとの事態では、ビクともしないぐらいに企業が成長した後なのだろう。
それまでは、HardThingsに終わりがないことを「そういうものだ」と覚悟して悟ろう。

天気は西から変わる。西の空にどんよりとした雨雲が立ち込めているならば、雨が降る前に洗濯物を取り込まなくてはいけない…。
しかも、今回は、単なる雨ではなく、「土砂降り」の可能性があるというのだ。なので、再び危機対応モードに、自分自身のギアを入れなおしている。

2022年5月、セコイア・キャピタルが投資先の創業者を集めて「非常モードに入れ!」という集まりを開催したらしい。その時の資料を和訳してみる。
(今、英語勉強中なので)

勉強のためには正確にわからない英単語なども調べながら訳しているが、そのままだと日本語としては不自然なので、ここには、日本語は、意訳して書いていきます。また英語勉強中の身なので、英単語の意味があやふやだったものについては「英語メモ」として単語の意味や例文を残しています。自分の勉強のためです。(私は17歳で英検準1級をとって以来、新卒で入社した会社は当時は超ドメスティックだったため英語が必要なかった。ちゃんと英語の勉強をしたことが20年以上なかったので(涙)今、改めて勉強しなおしております…。(今後、海外の機関投資家とかとも話すかもしれないし!)

なお、セコイアの資料は52ページもあるため、noteには、いくつかに分割して翻訳していくこととする。

資料原本(Adapting to Endure)

https://content.fortune.com/wp-content/uploads/2022/05/Adapting_to_Endure_May_2022.pdf

Adapt=適応
Enture=耐える
スタートアップ冬の時代に適応しよう!(2022年5月資料)

序章~なぜ、今日は集まってもらったか~

セコイア・キャピタル「スタートアップの冬の時代に適応しよう」序章

なぜ、今日は集まってもらったのか(和訳・意訳)

2000年前半、私がペイパルのCFO(最高財務責任者)だった時代の話をしたい。
2000年の3月に、私たちは5億ドルのポストバリューで1億ドルを調達した。そのまさに1か月後、米ナスダック市場平均株価は急落。2000年半ばには少し反発して戻ったものの、年末にはさらに深く落ちこんだ。
その時、マイケル・モーリッツは素早くセコイアとしての見解を発表。それは、①今、この現実を認識し②企業寿命(ランウェイ)をできるだけ延ばし③ビジネスを成立させる というものだった。
それはいわば、チームにとって「地に足をつける」べきときだった。その時、私たちの企業寿命はあと7か月残っていた。そこで私たちは、
・Ran cost exercises in opex (ってなんだ?)し、
・PMF(プロダクト・マーケット・フィット)モードから、稼げる状態に転換した。これは具体的には2000年6月から決済手数料を導入し、GM%(グロス・マーチャンダイズ=総流通額かな?)不正行為、instantAHCイノベーション導入(ちょっと意味がわからない、ごめんなさい)などだ。
結果として、2002年には売上が2億5千万ドル近くに達し、黒字化し、キャッシュを生み出せるようになった。PayPalの時価総額は10億ドルとなり、買収提示額は15億ドルとなった。
現在、PayPalは90兆ドルの価値があり、年間25兆の売上をあげており、税引前当期純利益は40億ドルになっている。私たちは、生き残らなくてはいけなかったし、集中しなくてはいけなかったし、イノベーションを生み出さなくてはいけなかった。

先週の市場の混乱と今も続くマクロ経済環境のプレッシャーを受けて、今日、この場に出資先企業の創業者たちに一堂に会してもらったことはすごく価値があると思っている。今、何が起こっていて、なぜ、こんな事態になっているのか、そして、この経済環境が、これからの皆さんにどう影響していくのかという考えをシェアしたい。
パニックになってはいけない。今は、立ち止まり、今一度、自分たちの事業を、会社を見返すべきときなのだ。

英語メモ

fraud=不正行為、詐欺
profitable=黒字化
market cap =時価総額
pre-tax net income=税引き前当期純利益
tumult=混乱
insight into=~に関する考察
reassess=再評価

今日、お話すること

今日、お話すること(和訳・意訳)

・なぜ今日は集まってもらったのか
・マクロ経済環境
・公開市場
・歴史が私たちに教えてくれること
・より強くなるための方法
・最前線からリードする
・次に来るのは何か

セコイアの見解は、私たちの事業領域(たとえば、Sequoia Capital Global EquitiesHeritage、アーリーファンド、グロースファンドなど)を横断して得られる知見、そして私たちの50年以上にわたる歴史の中で何度も同じような困難な局面をなんとか乗り越えてきた、その経験に根差しているものです。今日はセコイアの中の様々なメンバーが、マクロ経済環境や取引市場で起きていることを皆さんにお話します。(メンバー名は大幅に省略)
これからケビンやジェフが話す中にも出てきますが、資本コストは基本的に上がってきています。過去2年以上にわたり、コロナ禍の間に経済的な大惨事にならないように金融緩和の政策がとられてきました。
実質金利がマイナスになったことで成長企業にとって資金調達は容易になり、成長企業の資金調達は容易になり、企業価値(バリュエーション)も記録的な水準となった。外部環境を考えればそれは全く合理的だった。しかし今は金利は上がり資金は無料の泉のように湧いてくるものではなく、資金調達と企業価値(バリュエーション)が多大なる影響を受けている。
株式市場は実態経済のバロメーターだ。
私たちが見ている揺れ動く株価は、需要の不確実性、変化する労働市場、サプライチェーンの不確実さ、そして戦争などを反映している。これらは全て突き詰めていけば、あなたの事業に影響する要因なのだ。あなたがたの多くは過去2年間、コロナ禍による向かい風や追い風に立ち向かってこなくてはならなかった。
そして、まだスタートアップという旅を始めたばかりの方たちにとっては、これから起こる大変な出来事の最初の1つ目になるかもしれません。

ともかく、私たちはこれは試練の時だと確信しているし、この試練は、みなさんたちの多くに課題と機会を提供するだろうと思っている。
何よりもまず私たちは環境変化を認識し、後悔するのではなく意図を持って対応するように反応するようにしていかなくてはならない。
私たちは、2020年初頭にコロナ禍が始まったころ、最初に「ブラックスワン文書(※)」を出版したが、その時、これらの一部を予見していた。

※ブラックスワン(Black Swan)とは、マーケットにおいて事前にほとんど予想できず、起きたときの衝撃が大きい事象のこととのこと(金融用語)

私たちがその時、見誤ったのは、コロナ禍に続く財政・金融政策の対応と、それが生み出す市場の歪みだった。今回それらの政策ツールは使い果たされてしまっている。そして引き続くインフレと地政学的な対立・衝突がさらに即効性のある政治的解決能力に制限をかけてしまっている。
このため、コロナ禍当初のような急ピッチな調整や、それにつづく、急速なV字回復が再び起こるとは考えていない。
市場の低迷は、消費者行動、労働市場、サプライチェーンなどに影響を及ぼすと思われる。回復には長い時間がかかるだろうし、その期間を予測することはできないが、私たちは、あなたがたに、今のうちに準備をして乗り切るための方法をアドバイスすることは可能だ。

英語メモ

・business line= 営業科目[品目]、事業分野
・main business line =本業
・diversification of business lines=経営多角化、業務の多様化
・maneuvered=操縦
・crucible=〔溶かした金属や鉱石を入れる〕るつぼ
〔溶鉱炉の底で溶融物を集める〕湯だまり
試練、苦しい経験
〔比喩としての〕るつぼ◆社会、経済、政治、学問などの勢力が合流し競い合う場所や状況。
・negative real interest rates=マイナスの実質金利
If there is a negative real interest rate, it means that the inflation rate is greater than the nominal interest rate. If the Federal funds rate is 2% and the inflation rate is 10%, then the borrower would gain 7.27% of every dollar borrowed per year.
・rational=合理的な
・implication(名)
1.言外の意味、意味あい、暗示、含蓄、含意
Many people fail to understand the implications of this Japanese word. : この日本語の言外の意味を理解できていない人が多い。
What do you see as the implications of this policy? : この政策の持つ意味をどうお考えですか?
2.密接な関係、関わり合い、連座
3.〔物事から〕推測[予期・予想]されること[結果]、引き起こされるであろう結果[影響]◆複数形で
What are the implications? : それでどういうことになる?
・implication
【名】
1.言外の意味、意味あい、暗示、含蓄、含意
Many people fail to understand the implications of this Japanese word. : この日本語の言外の意味を理解できていない人が多い。
What do you see as the implications of this policy? : この政策の持つ意味をどうお考えですか?
2.密接な関係、関わり合い、連座
3.〔物事から〕推測[予期・予想]されること[結果]、引き起こされるであろう結果[影響]◆複数形で
What are the implications? : それでどういうことになる?
・ultimately(副)
最後に、最終的に、究極的には、突き詰めていくと、結局のところ(は)
・headwind(名)《複》headwinds
向かい風、逆風
・tailwind(名)《複》tailwinds
追い風、順風、(ゴルフの)フォロー

向かい風や追い風って、可算名詞なんだね…。風って数えられるのね…。千の風になっちゃってるのか??

Many of you have had to nagative the headwinds and tailwinds arising from the pandemic over the last two years.

上記に、have to negative という言葉があったので「え?negativeって、動詞があるの?」と調べたら、文語として「動詞」がありました…。
・negative
1〈動議・候補などを〉拒否[否決]する.
2〈…を〉反証する,反論する; 〈…を〉無効にする.
[ラテン語 negāre 「否定する」から; 動詞 negate,名詞 negation]

・steep
急勾配(こうばい)の、険しい、法外な、ひどい、途方もなく高い、大げさな、仰々しい、むちゃな、急な、激しい
・foremost
いちばん先の、真っ先の、主流を占める、主要な
・First and foremost
何よりもまず
・foresaw
foreseeの過去形。(…を)予知する、 見越す
・distortion
ゆがめること、ゆがみ、ねじれ、(事実などの)歪曲(わいきよく)、曲解、(ラジオ・テレビなどの音・画像の)ゆがみ、ゆがんだ形
・outset
はじめ、発端
・get through to the other side
乗り越える

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セコイアの資料は52ページもあるため、いくつかに分割して翻訳していくことにする。続きは以下です。


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