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無言の「イ!」

こんにちは。

ふみふみです。

今日は身も心もボロボロだった時期に、ある人から教えてもらった
「イ」について、書かせていただきます。


僕は以前、ブラック企業に勤めていました。
毎日のように怒号が飛び交うオフィスで

残業は当たり前
パワハラは日常茶飯事


ひどい時はノートパソコンを投げつけられた時もありました。
(幸い怪我をすることはありませんでしたが・・)

今の時代、こんな会社は一発アウトですが
当時はまだ昭和の働き方が残る時代。

上司の命令は絶対。
どんなに理不尽なことでも、上司が正しいと言えば、それが正しくなる。


そんな職場でも、何とか耐えながら勤務していましたが
入社したての頃は、そんな環境に免疫があるわけもなく

毎日仕事に行くのが嫌で、24時間ずっと
いつ辞めようか・・
このまま音信不通になってしまおうか・・

そんなことばかり、考えていたものです。

もちろん笑う余裕なんてなく、会社にいても、営業先に行っても
ずっと暗い顔のまま、過ごす日々でした。


勤めていたのは中小企業で、主に広告と人材派遣の事業が中心。

その他にも、イベント企画やそれに関わる商品の制作もしていたため
お取引先との打ち合わせが多い毎日でした。


以下は、とあるお取引先での話です。

その企業とは、主にイベントの新企画の提案や完了した企画の実績報告を
定期的に実施します。

お取引先の担当者である渡辺さん(女性)は、いつも表情が険しく人で
時には、厳しい指摘や胃が痛くなるような言葉を浴びせられることもあり
常に重い空気の中、打ち合わせを行う日々でした。

入社したての頃から、上司にサポートしてもらいながら
この企業の担当をしていましたが、入社当時は無知で経験もありません。

渡辺さんからの要望に対してご満足いただけるような
対応ができていなかったので、キツく当たられるのは仕方ないことだと
自分の中でも理解していました。

厳しい指摘を受けている当時の僕(大袈裟かもしれませんが・・)


業務に慣れてきて、渡辺さんの要望にも
ある程度応えられるようになった頃には、厳しい指摘は少なくなりましたが
打ち合わせ時の渡辺さんは、最初の頃と変わらず、常に険しい表情です。

笑顔は一切なく、必要最低限の会話だけ。

僕に対しては、常に怒っているような状態です。
(少なくとも当時の僕にはそう見えました)

渡辺さんは人として僕を嫌いなのかな・・とか
渡辺さんはそういう性格の人なのかな・・とか

と思い、半ば諦めつつ、毎回、胃が痛くなりながらも
何とか打ち合わせをこなしていました。


そんな日々がしばらく続いた頃にある日のことです。

ある人から、アドバイスをいただきました。

そのある人とは、渡辺さんが勤める企業で、来訪者向けカウンターで
受付を担当している千葉さんという人です。


年代は30代くらいで、当時の僕より少し年上くらいの女性。

渡辺さんとの打ち合わせで訪問した時は、都度、受付カウンターで
入館の手続きを行います。


僕は毎週のように訪問しているため、ありがたいことに
受付カウンターの人達にも名前と顔を覚えていただいたました。


特に千葉さんは、受付時に僕を担当していただくことが多く
入館手続き後に、渡辺さんが入り口まで僕を迎えに来ていただけるまでの
ちょっとした待機時間に、世間話などをする間柄になっていました。

いつも笑顔で対応してくれる千葉さん


千葉さんは笑顔がとても素敵な女性で、いつも楽しそうに仕事をしている。

物腰は柔らかいのですが、ハキハキと喋るので、側にいるだけで
元気と癒しの両方を貰える。

そんな人です。


ある日、いつもの打ち合わせのため、渡辺さんの会社へ向かっている道の
途中で、休憩で外出していた千葉さんに遭遇しました。


挨拶もそこそこに、打ち合わせ開始までは時間に余裕もあったので
千葉さんと立ち話をしていると

「いつも余裕が無い感じがする」
「今日は特に表情が暗い」

と、ズバリ言われてしまいました。

千葉さんから言われたとおり、この日の僕はテンションはただ下がり状態。

その日の朝は、上司が不機嫌で、社内はいつも以上にピリピリムード。
しかも八つ当たりのような理不尽な理由で、上司から怒られた後でした。


さらに今日の渡辺さんとの打ち合わせは新規のイベント提案と
過去の実績報告が同時に実施される日だったので

「また厳しい言葉や指摘をされるのか・・」

という思いから、かなり緊張もしていました。


色々なことが重なっていたことから

とにかく
・誰かに話を聞いてもらいたい
・気を紛らわせたい

そんな気分だったので、千葉さんに道端でぶっちゃけてしまったのです。
(よほど当時の自分は精神的に追い詰められていたのかもしれません・・)


そんな僕の話を聞いた千葉さんは、こんなアドバイスをしてくれましたも。

「イ」

を今日の打ち合わせで意識してみると良いと言われました。


「イ?ですか?」

その意味を聞いていみると、言葉の最後に

無言の「イ」

をつけて話すといいとのこと。

具体的には


本日もよろしくお願いします(イ)

本日もありがとうございました(イ)

凄く良い案ですね(イ)

今日もいい天気ですね(イ)

渡辺さんのおかげで、無事企画を終えることができました(イ)

など


言葉の最後を「イ」の口元でしめるようにすると
以下の画像のように自然な笑顔が出来がるとのこと。

「イ」を話す時の口元


更に、表情は相手に伝染するものであるとのこと。

渡辺さんが険しい表情をしているのは

僕自身がいつも険しい表情をしているからかもしれない。


僕が笑顔になれば、渡辺さんも笑顔になり、良い雰囲気を作れるかも
しれないと、教えてくれました。


これは後から、調べてわかったことですが
心理学上の鏡の法則※と呼ばれています。

※周囲の人々や人間関係は、自分自身の投影である。
自分自身を改善することで、周囲に影響を及ぼすという心理学。

アドバイスをいただいた直後は、半信半疑ではありましたが・・
その日の渡辺さんとの打ち合せで、早速試してみることにしました。


受付を済ませた後に、いつものように渡辺さんが受付カウンターまで
迎えにきてくれたので

ほ、本日もよろしくお願いします!(イ)


心の中で「うわー、噛んだし・・かなり不自然になっちゃったな・・」と
変な汗が出て、内心ヒヤヒヤしていました。

しかし、いつも無表情な渡辺さんが微笑んで
「よろしくお願いします」と話してくれたのです。


更には
「どうしたんですか今日は?いつもと雰囲気違いますね」
とまで、言ってくださいました。


その時は無性に嬉しすぎて、頭が真っ白になりました。
その後どんな返答をしたり、会話をしたかは、よく覚えていません。

しかし、その日の打ち合わせは、これまでとは違い
和やかな雰囲気で終えることができたという記憶は
今でも頭の中に鮮明に残っています。

その日の打ち合わせ後に受付カウンターに立ち寄り
千葉さんにお礼を述べたところ、喜んでくれました。

そして
「打ち合わせ前と違い、今はとても良い表情をしている」と
褒めていただいたことも、忘れることができません。

その後、渡辺さんとは関係が良好になっていき、いつも良い雰囲気で
活発な打ち合わせができるようになっていきました。

だいぶ先にはなりますが、渡辺さんとお酒を飲みに行く機会がありました。

この頃になると、仕事以外の話もできるほどの関係になっていたので
お酒の勢いもあり、険しい表情で打ち合わせをしていた当時のことを
ズバリ聞いてみました。


すると
当時の僕は笑顔がなく、何を考えているかわからないので
いつも警戒していた。

とのこと。

意外なことに、僕自身が渡辺さんに対して思っていたことと
全く一緒でした。


こんなことを思ったと同時に、千葉さんが教えてくれた

表情は伝染するということを、改めて実感した瞬間でもありました。


今思い出しても、当時の僕は
全てに余裕がなく、淡々と仕事をこなす日々。

そんな中で、打ち合わせをしていたのですから
笑顔なんて全くなく、相手に不快な思いをさせていたのだと思います・・



後日、千葉さんにこっそりと教えてもらったのですが

この「イ」のテクニックは、多くの会社や百貨店などの
受付担当者が実用している秘密のテクニックだそうです。


改めて、この場をお借りして、千葉さんにお礼を言いたいと思います。

余裕のない僕に、優しさとアドバイスをくださり
本当にありがとうございました。


千葉さんへの感謝の気持ちと共に、今でも無言の「イ」を意識をして
言葉を話すように日々心がけています。


もしこれを読んでくれている貴方自身が笑顔を作るのが苦手というのなら

まずは言葉の最後に無言の「イ」をつけてみてください。


最初は不自然でも、やがて素敵な笑顔に変わります。

不自然な笑顔も回数を重ねれば、やがて自然な笑顔になります。

不自然×回数=自然 
です。


そして相手が自然な笑顔を浮かべてくれたら

それは、貴方の笑顔が自然で素敵である証拠。


少し前に、読んだ本にも同じ内容が書かれていました。

この本はビジネスだけでなく、恋愛などプライベートでも活用できる
内容が書いてあります。

面白おかしく書いてあるので、読みやすいです






イのテクニック

鏡の法則


ぜひ、実践してみてください。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ふみふみ

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